チェーン・メール (YA! ENTERTAINMENT)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 333
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062121491

感想・レビュー・書評

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  • 学校生活や人間関係に嫌気がさしていたさわ子のもとに一通のメールが届いた。指定されたサイトにアクセスして、その掲示板に虚構の物語をリレー小説のように書いていこうというものだった。彼女は約100人に参加を募るメールを回し…。

    世間からちょっとずれた女の子3人が主人公。筆者のあとがきに書かれた言葉「人とちがうことは、そんなにいけないことでしょうか。」「ちょっと変わっている、それだけで苦しんでいる子たちをどうしても描きたかったのです。」というメッセージがたっぷり入っている物語。
    携帯という機械にどっぷりつかってしまう様子を見るのが空恐ろしかった。

  • う〜ん。途中で飽きるほどではないけど、あんまり〜。
    表紙と題名からB級的なというかジャンキーなのを期待していた。ストーリーだけ見ればそういう感じではあったけど、文体がいい子すぎる。ようは、内容と文体があってない。はじめの「郵便受けの前であたしは泣いた。」とか『忍び寄る「現実」』とかいちいちリアリティがない。大人(たぶんおじさん)が想像で書いてるんだなって感じがして冷める。ネット上の相手がどんな人かはわからないけど確実に繋がっているという感覚をテーマにしたのはとてもいいので、もっとクオリティの高いものが読みたかったかな。

  • きのう読み始めてきのう読了。二冊目の石崎さん。
    終盤になるに従って、さわ子が「かわいそうな子」扱いされてる感じになってしまったのが残念。舞はマスコミに対して「ぜんぜんわかってない!」と思い、「本当の」さわ子について語るけれど、それだって結局のところ「本当」かどうかはわからない。当事者意識の共有による連帯というより、単なる他人への同情の域を出ていない感じがするのは、「本当」を巡るその皮肉さへの目配りがないせいかなと思った。
    なんとなく、この作家さんの場合、女の子じゃなくて男の子たちの話として仕上げた方が、目線がシビアになってもっと掘り下げられたんじゃないかしらという気がする。

  • タイトルは「チェーンメール」だけど、本物のチェーンメールは出てこず、代わりにメールチェーンとでも言うべき、ケータイと掲示板と虚構世界を通じて生まれるつながりが主役となる。これが書かれた2003年は、twitterがないのはもちろん、ブログでさえ目新しくて掲示板での交流が盛んだった時期だったから、まさに時流に合わせた素材で、刊行当時は話題を呼んだのではなかったかな。

    日常生活にうんざりして孤独に陥った少女が4人。彼らは「虚構の世界でいっょに遊びませんか」というキーワードに惹かれて、リレー小説「メールストーリー」に参加する。
    最初のうちは、まるで新しいおもちゃに夢中になる子どものようにストーリー作りに夢中になる彼らだが、しだいにメールストーリーの内容と現実の出来事がシンクロしてきて、書き手の少女たちはネットの世界からリアルの世界へと飛び出さざるを得なくなる。リアル世界で全員が顔を合わせたときが虚構世界の終焉。

    現実と虚構世界の関係、人知れぬ場所に新たな世界を生み出す喜びなど、創作に関わる人間ならそうそうと頷ける描写がたくさんある。そこは読んでいて楽しい。しかし強烈な孤独感が深い虚構(例えば別人格)を生み出す設定は、中二病患者の心情を表現するにはうってつけだが、決して目新しいものではなく、むしろトリックとしては使い古され感があるので残念。

    あと、寂しい女子中高生がケータイを通じて出会い、何かをやらかしちゃう話としては、梨屋アリエの「スリースターズ」がまさに同類で、しかもこちらのほうが女子特有ネチネチした心情と崩壊した親世代の描写が容赦なくて好きだ。物語の流れも「この先どーなるの?」とハラハラさせておいて最後は落ち着くべきところにうまく着地する。もちろん「スリースターズ」のほうが後から書かれているので、より現在に近いという点で有利ではあるが、ありりん先生の凄さを改めて知る。

  • 引き込まれるようだった…!

    中1のとき読書感想文をこれで書いたら結構良い点もらえた(^O^)

  • えぇと、随分前に読んだものだからあまり思えてはいないのですが、普通に面白かったと思っていたような気がします。全然グロくはなかったです。スラスラ読めます。

  • 結構怖い感じだった・・・
    私が馬鹿だから気づかなかったのか(ぇ、なんか「ぁぁ、このあれね」的な(ぇ
    でも、なんか気持ちがわかるきもするね。。。

  • これ懐かしいな〜 小学生だった自分にはリアルで怖い内容だった

  • 事に及ぶに至るまでの”深い悲しみ”が、もう少し盛り上がりと共に表現できていれば良かったかな。最終ページはちょっと好き。

  • あまり期待してなかったのだけれど、よかった。10代前半の思春期の女の子の心の動き、よく書けていると思う。そう、誰かとつながりたい、でもなかなかうまくいかない。自分の居場所を見つけたいよね。

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著者プロフィール

東京都生まれ。慶応大学経済学部卒業。
『世界の果ての魔女学校』で野間児童文芸賞、日本児童文芸家協会賞受賞。
主な著書に、「黒魔女さんが通る!!」シリーズ(講談社青い鳥文庫)、
『杉原千畝 命のビザ』『福沢諭吉 「自由」を創る』(講談社火の鳥伝記文庫)、
翻訳の仕事に『クロックワークスリー マコーリー公園の秘密と三つの宝物』(講談社)、
「講談えほん」シリーズ(講談社)、「少年弁護士セオの事件簿」シリーズ(岩崎書店)などがある。

「2023年 『黒魔女さんと最後の戦い 6年1組 黒魔女さんが通る!!(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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