食いものの恨み

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著者 : 島田雅彦
  • 講談社 (2003年12月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062121552

作品紹介

超豪華な料理屋から学食、立ち食い鰻。インド、韓国、ロシア他世界各地の食に、自作レシピまで。若き作家の舌の冒険。

食いものの恨みの感想・レビュー・書評

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  • 島田雅彦のエッセイ。グルメエッセイかなと思って読み始めましたが、一概にそうとも言い切れず、読み終えてから(さすがは作家、内容にぴったり合ったタイトルをつけるものだ)と思いました。

    「おいしい、幸せ」という雰囲気を伝えてくれるのがグルメエッセイだとすれば、この本は正確には該当しません。
    幸福感よりも飢餓感、食に対するすさまじい執念のようなものを感じます。
    軽妙な文章でアレンジしているため、楽しく読み進められますが、時々垣間見られる食欲へのこだわりの強さには圧倒されるばかり。
    自分の執着心をあまさず表しているところに、作家ならではの潔さも感じますし、上手な文章に乗って、一気にするする読めます。
    そして読み終える頃には、おなかいっぱいになっています。

    とはいえ、食べることばかりに拘っているわけではありません。
    さまざまな雑学も披露され、うんちくも学べます。
    例えば力士は四本足の動物よりも鳥肉を好むそうですが、それは低カロリー高たんぱくだからというわけではなく、土俵に手をつくことを嫌っているからだとのこと。
    栄養よりもまずはゲン担ぎなんですね。

    ジョン・トラボルタがスパムが大好きなあまり、娘に命名したという話にはビックリ。

    「攻撃人間を作るには、安眠と食事を奪ってしまえばよい」とする一方で「断食は味覚のリハビリテーションになる」とも考える筆者。
    子供の頃は偏食だったそうですが、今では来るもの拒まずで何でも食べられるようです。
    本州にとどまらず、台湾や沖縄での料理紀行の話も載っていましたが、専門的すぎてどんな食材なのか見当がつかないほどでした。
    改訂版が出る時には、掲載料理の写真も載せてもらえれば嬉しいものです。

    クールな文体から、霞を食べていそうなイメージを持っていただけに、意外な食礼賛本でしたが、(ああ、この人もちゃんと人間らしい食欲を抱えているんだ)と以前よりも親しみが感じられるようになりました。
    瀬戸内寂聴とすっぽんを食べた話が、個人的には一番ツボにはまりました。
    いろいろな食べ物が紹介されて目が周りそうですが、とりあえず機会があったら、イタリアのクノール・リゾットを食べてみたいと思いました。

  •  おそらく多くのグルメ本は、いかに美味しそうに記述するかにポイントを置いているでありましょうが、本書は最初からそこを放棄しているように思える。
     紹介されるどの食べ物も、そんなに美味しそうじゃないのだ。
     しかし、食に対する「業」の深さがビシビシと伝わってくることで、やっぱり読んでいて何か美味しいものが食べたくなってくる。
     そしてそれだけでなく、自分も食について何か語りたくなってくる。

  • ちょっと読むのは興味深いのですが、全部読むとお腹一杯。食傷気味です。作者の食に対する姿勢は好きです。

  • レシピとしても使えるエッセイ。「フォアグラを食い過ぎて健康を害する人はガチョウに復讐されているのだ。オレを食って死ね!」(p36)に爆笑。

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