アベラシオン

著者 : 篠田真由美
  • 講談社 (2004年3月発売)
3.50
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  • 本棚登録 :106
  • レビュー :13
  • Amazon.co.jp ・本 (660ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062121576

作品紹介

冬のヴェネツィア、華やかなパーティのさなかに起きた奇妙な殺人事件。偶然目撃者となってしまった日本人留学生藍川芹は、やがて事件の関係者からの招待状を受け取る。北イタリア山中の巌上にそびえる"聖天使宮"。未公開の美術品に満たされた巨大な正五角形の宮殿を所有するのは、謎めいた伝説に包まれた美しい一族の末裔だった。心ならずもそこに滞在することとなった芹の前に、勃発する凄惨な連続殺人。一族の過去に揺曳するナチズムの影。車椅子の少年に導かれて、絢爛たる地獄を巡る女主人公が最後に見たものは-。

アベラシオンの感想・レビュー・書評

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  • うーん、凄い大作…。でもかなり読み手を選ぶ作品かな。
    学生の頃、芸術学と西洋史を勉強したけれど、美術やら歴史やらの説明が半分くらいしか分からなかった。ストーリーを追いたい身としては、その辺りの詳細な説明はかなりのハードルに。
    しかし、そこをクリアしさえすれば、一気にその世界観に惹き込まれた。
    イタリアが舞台だったけれど、ナチスドイツ時代の呪いが複雑に絡まってきたあたりで、皆川博子さんの「死の泉」が頭をよぎった。
    後半からはゾッとするような様々な仕掛けがあって、前半のダラダラ感が嘘のよう(導入までが長すぎて脱落しそうだったので)だった。
    好みが分かれるだろうが、私はかなり好きだ。
    解説が皆川博子さんだった~!「死の泉」にかなりカラーが似ていたので、やっぱり好きなストーリーだった、と実感。

  • 「奇形故の美」という言葉が頭に浮かぶ話。
    でも、結局異端はどこまでも異端なんだと叩き付けられる話でもあると思う。
    地上に堕ちた天使は、所詮異形であり、異物でしかないという話(救いがない...)。いや、ミステリなんですけどね。

  • ゴシックミステリ
    ギリシャ神話に題材をとったり、文体や物語の雰囲気はいいんだけど、いかんせん後味が悪くてあまり好きではない
    著者が女性らしい作品というのか・・

    それに「犯人は実は双子でした」的な「それはミステリとしてありなのか?」というトリック(?)が・・うーん。。

  • イタリアの画家ピエロ・デッラ・フランチェスカの研究を志し、フィレンツェ大学に入学するため傍聴生として留学したセリは、パーティで偶然殺人事件を目撃してしまい、「天使の名を持つ一族」の物語に巻き込まれていってしまう。

    イタリアの歴史の中に、まるまる架空の一族を挿入して、架空のシャトーをもつくってしまったこの作品。このお耽美な雰囲気と、建物の構造をふんだんに取り入れた手法は篠田真由美の面目躍如といった感。
    犯人は割と初めから分かってしまい残念だが、面白いので良し!

    日本版ダ・ヴィンチ・コードといったところだろうか。

    主人公セリの人生を変えたピエロ・デッラ・フランチェスカの「聖十字伝説」をグーグル先生に訊いてみて見つけたのだが、私はそうインパクトを感じれなかった。絵に人生を変えるほどの感動を抱ける感性というのは、素敵なことだと思う。私の錆びついた感性も磨いていかなければ。

  • 2011年最初の一冊。
    篠田真由美の構築する建物は、私にとって大変魅力的だ、ということを実感。
    犯人は途中で「多分、この人だよね…」と思うが、最後まで楽しく読めた。
    しかし、ミステリとは関係がないが作中藍川芹嬢の感じる、西洋美術に対する日本人の…西欧人とは先ずは立ち位置が違うことに対するもどかしさというのは、強く共感する。キリスト教に対する理解とか。

  • 正直描写が気持ち悪かった。
    アベーレ好き。芹との後日談でもあればいいのに。

  • 三分の一くらいは「装丁買い」だったこの一冊。中身も文句なし大当たり! 「豪奢にして残酷」とはまさにそのとおり。耽美かつ凄惨な物語がもろに私好み。「重厚なミステリ」のオーラが一文一文から発せられている気すらした。じっくり時間かけてちょっとずつ読んだ甲斐があったなあ。3200円の価値は充分にあった。
    ラストに浮かび上がる真相もさながら、やはり全編に漂う雰囲気がダントツで良い。「レーベンスボルン」などが出てくるので、皆川博子「死の泉」を思い出す一面も。実際皆川さんも推薦されているのだし、「死の泉」が好きな人には絶対!お薦めだと思う。それにもちろん、「怪しい館で起こる連続殺人」が好みの人にも断然お薦め。やはり「館」にはとんでもないパワーがあるよなあ、と思い知った次第。

  • 美術史好きなら、散りばめられたアレゴリーの数々に興奮してしまうこと間違いなし。
    メメント・モリの活人画を思わせる場面は主人公とともに見入ってしまった。

  • 「ミステリー」と前置いて読むと、若干消化不良気味。
    犯人も、手口はともかく案外分かりやすかった感があります。
    でも「建築探偵」シリーズと前置いて読めば、あのシリーズ(というか作者?)の基本形な頑固さや青臭さが存分に発揮されてると思います。
    あくまでコネタなので、そこにこだわる必要はないと思いますが、シリーズを読み続けて人だと分かるねたもぼちぼちあるので、シリーズ本編を(第2部終了・「失楽の街」くらいまでかな?)読んでからの方が楽しめるかと思います。

  • 美しいミステリー
    装丁が好き

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