英国オックスフォードで学ぶということ―今もなお豊かに時が積もる街

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 46
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122191

作品紹介・あらすじ

石畳の街で、ひたすら「学びかた」を学ぶ。けっして知的エリートではない40代のひとりの画家が、アカデミズムの頂点のような場所で、「自分とは何か?」を問い直しながら、学ぶことの至福と意味を感じ続けた日々。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。オックスフォード大学の俗世との隔たりというか、頑なな伝統についてあれこれ書いてある。ハイ・テーブルからくすねたパンをしおり代わりに本に挟んでいた教授の話がお気に入り。

    とにかく文章が上手い。こんな風に、ひとつの事柄をあれこれに関連付けて引用して書くことが出来るというのは、普段からアンテナを張って様々な情報を蓄積しているからこそ。地頭の良さが垣間見える文章でした。
    肝心の図書館の描写が少なかったなー。デューク・ハンフリー図書館とかラドクリフ・カメラとかについてもっと書いて欲しかった。

  • 外国の大学って日本のとはちがうなぁ!ということが素人目線でよく分かる。

  • 図書館を描き続けている画家が書いた本。実際に会って話がしてみたい。

  • 図書館本です。もともとは著者さんと、図書館を題材にしたその絵画作品のことをTVで拝見して、興味をもったのがきっかけ。ご自身の作品で装丁できるっていいな。

    著者さんのオックスフォード大学・主にニューカレッジ見聞記です。一つ一つのカレッジは荘園をもとに(違うところもある)成立した、いわば王国のような存在。著者さんはそこにあるものを見たい、感じたいと籍を得たので、そこを成り立たせている建物や教官の描写が多いです。同じクラスの学生さんは、"brilliant"という形容詞がぴったりの優秀さと熱意。モリミー&万城目な能天気学生は生息していないのか?

    筆致はご自身のポジションを意識してか、控えめだし、描かれるイメージが絵画的で素敵。でも、冷ややかにみれば、著者さんの目的だったら、取材の申し込みで足りるんじゃないかなぁ?と思わないこともない。とはいうものの、それじゃあ足りない!という感情もよくわかります。私も、そういう機会があれば飛びつくだろうから。

    「オックスフォードってどんなところ」という、学位や仕組みなどをノンフィクション的に知りたい向きには、別の本のほうがいいかもしれません。それでも、若き日のオスカー・ワイルドがガウンなびかせて鼻歌歌いながら自転車で駆け抜けていったり、T.E.ロレンスがバイクぶっ飛ばして、掲示板に「直チニ出頭セラレタシ」と召喚状が貼られていたり…ということがあってもいいよな!という空気がはしばしから漂ってくる、王国の悠然とした豊かさと、描くこと・書くこと・考えることに対する真摯な考えにあふれた本だな…と思いました。

    -----[2010.7.6 未読リストアップ時のコメント]-----

    昨夜、NHK教育の「視点・論点」を見ていて、スピーカーのかたに興味を持ち、ちょっと検索した本。著者の小川さんは、現在はご本名の「寺崎百合子」さんとしてご活動中の、本業・画家さん。ヨーロッパ、特にイギリス・アイルランドのクラシカルな図書館をテーマにした絵を描いていらっしゃるとのこと。この表紙の絵もそう。古びた洋館の、扉が閉じたら二度と開かないような部屋の本棚にしびれる(笑)。中でも、オックスフォード大学(カレッジ名を忘れた)の図書館はキャロルやトールキンを生み、映画「ハリー・ポッター」にも使われたことから、「知の宝庫であり、ファンタジーの宝庫でもある(寝ぼけていたからちょっとあやふやだけど、こんな感じ)」とおっしゃっていたのが印象に残っています。本当はその企画展「Books」の画集とかパンフが見てみたいんだけどなぁ…オックスフォード大で学ぶ機会もアタマもないけど、まずこちらかな?と思いまして。

  • ジリアン・エイブリーの「オックスフォード物語」の翻訳者がボードリアン図書館についての参考書としてあげていたので読みました。とても素敵な本でした。 著者は画家。英語が堪能で、音楽や演劇にも詳しく、文章も読みやすくてとても初めての著作とは思えません。 読んでいて驚いたのはボルヘスの「バベルの図書館」の引用です。私は読んだことがないはずなのに、この六角形の図書館についての文を読んだことがある気がしてなりませんでした。それもつい最近。じっと考えていると佐竹美保さんの絵が浮かんできました。ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「時の町の伝説」に出てくる教授の部屋でした。ジリアン・エイブリーといい、ダイアナ・ウィン・ジョーンズといい、児童文学にこうした「知」のかけらを埋めておいていてくれるところが英国の児童文学が大人も引きつけて止まない魅力の秘密かもしれません。

  • 会場は暗い。壁から浮き上がるように図書館の書架などを描いた画面がふっと浮き上がる。目を凝らす暗闇が鮮烈な印象を残す展覧会の記憶。そのアーティストの著作である。彼女は自身のアートの源が何であるのかを知るために世界の美術館を巡りオリジナルに触れる。そしてこの疑問を解消する手立てを見つけるために、英国オックスフォードのニューカレッジに一年間在籍し、美学・哲学・文学の講義を受講する。オックスフォードは頭がよいということだけが共通項の人々が真摯に学問をする。講義を聞くというより学者になるための考え方を鍛える場であり世の中の天才的な人間が集まる場だ。彼女のモチーフは「図書館」であり、時の積み重なった図書館は「黄金の暗闇」の深さを持つと記している。私は自分の知らない世界の深遠を覗き、現代美術のコンテクストのありようの匂いを嗅ぎ取った。学ぶということ、知的な論理をめぐらすこと、そんな話し相手がいることって素晴らしい。

  • 学びたくなる。歩きたくなる。

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