慟哭: 小説・林郁夫裁判

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122450

作品紹介・あらすじ

オウム「治療省大臣」にして地下鉄サリン事件の実行犯・林郁夫。その慟哭の法廷から、未曽有の無差別殺人事件とオウムの真相に迫る渾身のノンフィクション・ノベル。

感想・レビュー・書評

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  • 小説とはいえ 記録の羅列みたいで 途中 読みに難いなと感じる部分も...

    それでも とても興味深い内容

    志や 悩みを持って 宗教のもとへ集まったはずの人たちに 救いがもたらされなかった とても不幸な事件
    そして 多くの関係ない人たちが 理不尽に 巻き込まれてしまった

    未だ苦しんでいる人たちが 少しでも救われる未来がやってきますように

  • 地下鉄サリン事件の実行犯である林郁夫無期懲役囚に焦点を当てたドキュメント。オウム関連の書籍は村上春樹のアンダーグランドも読んだが、なぜこのような事件が起こったのか、考えさせられる。大義の前に思考停止したサリン事件の実行犯たちは、現状の排外強権政府の復活を唱えている人々にも重なり、世の中の危うさに思い至る。

  • NHKの特集、最後の指名手配犯の逮捕で最近再びよく耳にする話題。事件当時は幼くて、事件の大きさも把握できていなかったと思う。
    今こうして本書を読んでみて、事件の大きさ、そんな事件を実行させた信仰心の恐ろしさに、ただただ絶句した。

  • 地下鉄サリン事件の実行の動機がとんでもなく場当たりで驚愕。しかし彼らは実行してしまいました。1人の狂人の妄想のために。真面目でまっすぐな精神だからこそ染まりやすかったのか。彼の慟哭はたとえようもない虚しさを感じます。

  • 作者の講演をラジオでよく聞いてた

  • うむむ。
    趣旨とはちょっとずれたところに、リアルさを感じたりする。たとえば、看守さんは何年も顔を合わせた囚人に情を感じるとか。
    虚構で塗り固められた教団が自滅していく過程で、人間味を感じる心情が描かれて、少しほっともした。

    それにしても、信じる力の影響力に改めて恐ろしさを覚える。何が本質なのか、常に自分で見極められるようにならないとね。

  • オウムサリン事件の実行犯のエリート医師の物語風の裁判記録。一部の遺族の方が、「殺して欲しい。」から「死刑は望まない。」に変化していった裁判の過程が、克明に描かれている。彼は、世間一般より「正義感が強く」「まじめで」「賢い」人だったようだ。ただ、チャート式受験世代の例に漏れず「答えを焦った」のだと思った。ここらで足を止めて人生を振り返ってみたい人にオススメ。

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著者プロフィール

1937年4月15日朝鮮咸鏡北道穏城郡訓戒面豊舞洞167番地で生まれる。
1941年12月末朝鮮から関釜連絡船で広島県高田郡小田村へ帰国。
1950年6月広島県高田郡小田村中学校から八幡市立花尾中学校へ編入。
1956年4月福岡県立八幡中央高校を卒業して八幡製鉄所入社。
1963年5月「ジャンケンポン協定」で第3回日本文学賞を受賞。
1976年2月「復讐するは我にあり」で第74回直木賞を受賞。
1991年6月「身分帳」で第2回伊藤整文学賞を受賞。
2006年11月北九州市立文学館の初代館長に就任。

「2011年 『昭和二十年八さいの日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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