All Small Things

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122641

感想・レビュー・書評

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  • 軽く読める本。細部まで思い出せる印象深い時間って、何をしたとかイベントの大きさじゃなくて日常からほんのちょっとだけはみ出した非日常だったりする。これからの出来事、どんなものが何年後も印象に残ってるんだろう。

  • 母に聞いてみた印象深いデートも、桜を見に行ったというだけの何気ないものだった。
    でも、そういう「何気ない」デートって少ないだろうし、自分も絶対そっちの方が「幸せ」なんだろうと思う。

  • 思い出す恋ってちっこいもんだよなーと共感しながら読了。

  • いろんなデートを描いた小品集。「素敵なデートというのはその人ともう一人がいるからこそ素敵。同じことを違う人がやっても素敵にはなり得ない。」。個人的には父と娘のデートが身につまされた。何を話せばよいかわからない。分からないから娘のいいなりになる。自ら引っ張っらされれば、とんでもない頓珍漢。娘と何も話さなくても普通にいられる距離感を作りたい。

  • とても読みやすい。さらさらと読めました。ただ、何かを得られると言うか、そういった類いのものはあまり感じられませんでしたね。でも、情景を思い描きやすいし、ちょっと思い立った時に読むには最適だとおもいます。

  • All Small Things. とても良かった。さらっと読める。

  • カヤノの、友だちの、夫の、部下の、姪の、祖母の、ジムの受付の、その客の、行きつけの店の店員の、同僚の、兄は、カヤノの彼氏で、それぞれが、恋人(には限らないけど)との印象に残る時間、印象に残るデートをかたる、連作短編集。読者百人からの、印象に残るデートのアンケートつき。けっしてまじりあわない記憶と過去を持つ自分たちが、まるで同じ器官で、呼吸しているかのごとく混然と溶け合ってしまう。そうして、けっして孤独ではない、あの感じ。という一節が印象に残る。

  • 「一番記憶に残っているデートは?」
    というテーマでいろんな人のデートが描かれている短編集。読みやすい。

    この本のいいところは、「デートとは言えないデート」とか「デートの相手が父親だったり、恋人同士じゃなかったり」するものがあるところ。

    すごいほんわかしてて、わたし好みの本でした。

  • 「いままでで一番印象に残っているデート」、「デートっていえないデート」、「一番むかついたデート」…まるでリレーみたいに、つぎつぎとデートにまつわるちいさな物語が語られていく短篇集。

    高価なフレンチを食べたとか、海外旅行に行ったとかじゃなくて、いつもの町をいっしょに歩いたとか、特別でもなんでもないものをいっしょに食べたとか、そんなデートの中から一生忘れられない感情が生まれているんだなぁと、なんだかやわらかい気持ちになった。
    一般公募で集まったデートにまつわるエピソード集もよかった。

    角田光代の短篇集を読んでいると、居心地のいい気分になる。

  • 「今までで、どんなデートが印象に残ってる?」
    代わる代わるの主人公たちが、それを語り繋げていく物語。

    恋が成就した瞬間を、その恋の頂点とするならば、
    それから下っていくことは、悲しみにしか思えなかったときがある。

    それが、若さだと今は思う。

    ということを思ったのだから、ぼくは若くはない。
    それは悪い意味ではなく、下っていく中にある輝きを、
    今ならたぶん、見つけ出せる思考になったと感じるのだ。

    All Small Things。
    ちいさなしあわせ。

    頂上から見た景色は、あまりにも美しくて、
    いつまでもそこに立っていたいと思う。
    けれど、そこに立ち続けていると、
    薄い空気にいつしか倒れてしまったりする。

    もう一度見たくなったなら、
    下ってまた登っていくことだ。

    その下り坂の途中、あるいは休憩しているさなか、
    その中に、見つけられる幸せがある。

    ドラマチックでもなんでもない、
    他の人には何がいいのかさっぱりわからない、そのこと。
    それこそ、実は幸せの大部分を握っているような気がする。

    あったものが、なくなることは淋しい。

    けれど、なくなったわけではなく、
    形を変えたのだと思えたなら、
    そこに、これからの「All Small Things」を見つけるのだろう。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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