就職がこわい

著者 :
  • 講談社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122696

作品紹介・あらすじ

なぜ若者は就職しようとしないのか!?職に希望を持たない若者。就職する意志もない若者。働くことをあきらめている若者の「就職不安」の本当の原因とは!?仕事に揺れる若者の「生き方と心」の悩みを分析する。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいて恐ろしいぐらい自分に当てはまっている…。
    就職課で借りた本だったけれど、購入してしまった。
    就活を始めてすぐの、悩んでいた頃にこの本と出会えていたら、
    だいぶ気持ちが楽になっただろうと思われる。
    就職活動を始めたがしんどくてやめそうになっている人、
    そもそも就活が怖くて踏み出せずにいる人などにぜひ読んでもらいたい。

  • 学生のリアルな声と現実的なアドバイス。
    ただし、How to 本ではないので、具体策はなし。

    ――うすうす感じていたけれど、認めたくなかった――
    そんな部分の感情をわかりやすい言葉で整理してもらった感じ。

    もう少し心理的な部分に踏み込んでほしかったので★-1



    **********************


     低い自己評価や劣等感を持ちながらも、一方で「自分だけは特別なはず」という根拠のない思い込みを抱く自己愛人格は、若者にしばしば認められる、そう珍しくない人格特徴だ。というよりも、少子化で過剰な期待をかけられて育ち、メディアからも「あなたは特別」というメッセージが与えられ、それにもかかわらず、社会のなかでは自分が“その他大勢”であることを自覚しながら暮らさなければならない現代の若者は、多かれ少なかれほとんどが自己愛人格の持ち主といってもいいのではないか。
    (131ページより)


     「どうせ私は“その他大勢”」と感じる若者が増えたと言ったが、少子化のなかでこれは逆ではないか、と言う人がいるが、愛情の注ぎ方が問題なのだ。(中略)「過剰に愛情を注がれている」とはいっても自分は親の欲望の対象でしかなく、そのなかでむしろ「自分かどうかなんて、親にとっては大きな問題ではないのではないか」とエキストラ感覚、その他大勢感覚を強める若者は、少なくないと考えられる。
     「親は本当は私のことを考えてくれているのではない。私は親が自身の自己愛を満たすための“道具”としてかわいがられているにすぎず、この役割を果たせるものなら、この私じゃなくてもいいのだ」と気づいている。何不自由なく育った人であればあるほど、「でも自分である必要はなかった」と逆に“その他大勢”感を強め…。
    (196ページより)


    ************************


    恥ずかしながら、私自身が強く共感した部分を抜粋しました。

  • 仕事だけで人生が決まるわけではない、仕事など人生というサイコロの一面に過ぎない、などという気楽さが、この問題を解決するのだろう。

  • 香山リカさんって、名前は聞いたことあったけど、どんな本書いてんだろ……って思って読んでみた一冊。
    自分の学生ディスがなかなかですね。

    働きたくないと思いながら働いている現在の私には、フィットしない内容でございました。
    学生時代も、ここで書かれてる学部の方との感覚とは違ってたし……まあ、周りを見る限り私がズレてるっぽいんですけどね。

  • 極端な例の羅列で、一体どうしたらいいの?と困惑しながら読み始める
    どういった人たちに読んでもらいたいと思って書かれて本なんだろう?専門家?
    最後の章でようやく結論らしきものがでてくるけど解決するものではなくて、作者の考えのまとめって感じかなぁ

    今の時代は、また状況が違ってきているけど
    夢を追うことばかりにとらわれないで
    仕事しなくちゃ生きていけないよってことかなぁ

  • ちょっと古いのだが、
    いまの学生たちもこのきもちだろうなあ・・・。

  • 大学を卒業しても就職ができない若者が増えているという。遊んでいたいから就職しないのではなくて、働きたくても働けない。働き口がないというのではなく、働く自信が持てない。いったん就職が決まっても、少しの苦難に耐えられず辞めてしまう。そんな若者が増えているのだそうです。(最近は「ニート」という言葉で一くくりにされていますが、本書にはその言葉は出てこなかったような気がします。)そういう人たちの共通点として、自分に自信が持てない、やりたいことが見つからない、人間関係が不安、などがあるようです。と同時に、自分にしかできない仕事がきっとあるはず、自分にぴったりの仕事、やりがいのある仕事を見つけたい、という思いも強いようです。だから、適当なところで手を打てない。とりあえず、食べていく、生きていくために働こう、とは考えられないらしい。もちろん自分のやりたいことと仕事が一致していて、その仕事にやりがいを感じることができれば幸せだと思います。でも、多くの人がストレスを抱えて日々生活のために働いています。そんな中で、少しの喜びを見つけたり、感動をおぼえたりしているのだと思います。どうも村上龍著「13歳のハローワーク」あたりの影響がありそうです。自分にぴったりの仕事を掘り当てることが幸せにつながる。いつになればそんな仕事が見つかるのでしょう。テレビなどに登場する人たちは、仕事を通して輝いているように見えます。自分もそんな風にありたいとみな思うでしょう。でもそれはほんの一部の人なのでしょう。そしてそれは、その人の力もあるでしょうが、何らかの偶然も作用しているかもしれません。とりあえず働いてみよう。そしていろんな人と付き合ってみよう。そこから何かが始まる。そんな風に考えて、働き始めてみてはどうでしょう。そして、少しは苦難に耐える力も身につけましょう。本書はいわゆる「ニート」と呼ばれる人たちにすごく人気があるのだそうです。表紙に「精神科医」なんて書いてあるからでしょうか。最近は香山さんも大学で就職のお世話をしていたりするのだそうです。その経験から本書は書かれました。図書館で借りました。

  • 短大の頃の救世主。

  • 自分に対する不安から、就職活動をためらってしまう。
    私は、本書で紹介されている大学生ほど酷くはないが、結構分かる気がする。自分が何かを成し遂げられるという実感・予感、本書でいうところの「自己効力感」が低いということなんだろう。

    それに対する著者の回答は、「自分について考えることと、就職することとは、とりあえず切り離して考えたほうがいい」「夢や希望がなくても、ひとまず就職を」というもの。
    反論もあるだろうが、無業状態・それに近い状態にある若者にとって、「とりあえず」の薬にはなるのではないか。とりあえず社会人をやってみよう、と。

    ……ただ、エヴァンゲリオンに関する理解(186頁)は甚だ検討違いだと思う。シンジは「勇者」ではないし、普通の少年が突然勇者として指名されるストーリーは普遍的なものだろう。

  • 本の最初は、今の若者は昔の若者とは違う、若者の無業は社会だけが悪いわけじゃない、という話が続き、それは香山さんの世代から見ているからであって本質ではないだろうと思って読んでいた。
    結局最後まで読んだ後、この本は「とりあえず自立して働こうよ」というメッセージを一番伝えたかったとわかり、少し拍子抜けした。
    私も年齢で言えば就活世代だが、こんな回りくどい事を言わないと就活に腰を上げない人もいるのか、と、これから社会に出て行く中で考えなければいけないと思った。

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著者プロフィール

たくましいリベラルとして、右傾化する政治状況から現代社会の病理まで、メスをふるう行動派知識人。1960年生まれ。精神科医。立教大学現代心理学部教授。『若者の法則』『ぷちナショナリズム症候群 若者たちのニッポン主義』『生きてるだけでいいんです。』『弱者はもう救われないのか』『「悩み」の正体』『リベラルじゃダメですか?』ほか、著書多数。

「2017年 『憲法の裏側 明日の日本は……』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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