一葉

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 16
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122887

作品紹介・あらすじ

報われない愛、胸しめつける孤独。二十四歳で逝った明治の女流作家・樋口一葉の人生。書下ろし長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • まだ女性の社会進出が珍しかった明治時代。
    そんな中を女流作家として24年の短い人生を駆け抜けた樋口一葉。
    書いても書いても抜け出せない困窮生活。
    執筆の楽しさを知った矢先の病。
    苦しみ抜いた一生だったと思う。
    だが、常に前を向いて歩いてきた一葉に悔いは無かったのではないだろうか。

  •  5000円札の目が怖い女性こと樋口一葉の人生を描いたフィクション(たぶんね)。
     イメージの中の樋口一葉(インテリ、裕福、お嬢様)と異なりました。
     賢いけれど不器用で、一生懸命家族を守る。しれっと借金を重ねる。借金を返すためにお金を借りて着物を作る。なんというか一本筋の通った一葉ではなく、いろいろなものが集まって複合的で豊かな一葉でした。面白かった。けど切ない。
     樋口一葉作品が読みたくなる!

  • 鳥越碧の評伝物、3冊目を読了。
    ハードカバーで読んだがこちらへ。

    禿木らがしきりに訪ねてくる辺りの一葉の日記の抄録を高校時代に教科書か副読本で習ったことを思い出した。
    気鋭の露伴が訪ねてきた場面があって、興味深かった。

    実は苦心して同心株を買った末のつかの間の士分格だったというところで、その後、貧しても尚そこにこだわり続けた母親の思いがわかるような気がした。


    作成日時 2008年02月24日 07:00

  • この本には、歌を習い始めた頃から亡くなるまでの一葉の生涯が描かれています。感想としては、もうちょっと、小説だから、一葉のあるいは一葉の周りの人が思っていることを書いて欲しかった。

  • 「報われない愛、胸しめつける孤独」(帯の言葉より)

    樋口一葉の生涯が、感動とともに綴られた「小説」。

    「小説」ではあるけれども、日記や事実に基づきながら、作者の想像力と信念で、見事に一葉の内面を描ききった傑作。

    読みながら、これは、今まで読んだ樋口一葉関連の最高傑作になるだろうと、思っていましたが、読後の感想に違いはありません。

    行間から、一葉のほとばしる情熱、想い、息遣いが、すぐ間近に感じられて、一気に(と言っても、3日くらいかかりましたが)読みきりました。
    読後、しばらくは、その余韻に浸っていました。まだ、この世界から抜け出したくない、という気がしました。

    この一葉像は、自分のイメージしていた一葉に、ほぼ重なるものがあり、そういう意味でも、はまりました。
    日記に書かれたことから、一葉の内面を鮮やかに描写してみせる作者の心理描写は見事です。そこには、まぎれもなく一葉が、恋をして、悩み苦しみ、生きている。

    中心は、半井桃水への消せない想い。消し去ろうとしても、消えない想い。
    一葉は、結局、生涯を通じて、半井桃水のことを思い続けていたのでしょうし、この小説でも、そのように一葉の内面心理が描かれています。

    一葉の生涯を、細かなエピソードも交えながら、これだけ綿密に描いた作品は、他にないのではないでしょうか。

    不満はほとんどないけれども、あえて不満を言うとすれば、一葉の後半生に登場してくる、馬場孤蝶とのエピソードを、もう少し詳しく書いてほしかったかな、と。

    彼は、一葉を姉のように慕っている様子が日記から伝わってきますし、一葉の自意識も強いのかもしれませんが、日記からみる限り、孤蝶の一葉への思いは、淡い恋のような感じで、読んでいて非常に爽やかな気持ちにさせてくれます。

    彼が、もう少しくっきりと描かれていれば、言うことなかったのですが、まあ、でもこの小説は、自分にとって忘れられない作品となることは間違いなく、また読み返したいと思いました。

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著者プロフィール

1944年、福岡県北九州市生まれ。
同志社女子大学英文科卒業。商社勤務ののち、90年、尾形光琳の生涯を描いた「雁金屋草紙」で第一回時代小説大賞を受賞。
主な作品に、「あがの夕話」「後朝」「萌がさね」「想ひ草」「蔦かづら」「一葉」「漱石の妻」などがある。
また、近著の「兄いもうと」では、妹・律の視点から正岡子規の壮絶な生涯を描き切り、子規の解釈にも一石を投じた。

「2014年 『花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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