カタブツ

著者 :
  • 講談社
3.15
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  • (5)
本棚登録 : 108
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062124010

作品紹介・あらすじ

気まじめに生きる男女ゆえの殺人、不倫、自殺…世界に例のないテイストの短編集。

感想・レビュー・書評

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  • (収録作品)バクのみた夢/袋のカンガルー/駅で待つ人/とっさの場合/マリッジブルー・マリングレー/無言電話の向こう側

  • 娘とともに出かけたデパートで、新谷道雄と益子沙織里は出会ってしまった。許されない恋について、お互いの相手には決して知られてはならない。それが二人にとってもっとも重要な命題だった。(バクのみた夢)
    他、恋多き双子の妹の世話をやくことをどうしてもやめられない男や、駅で待つひとを眺めることが好きな男、とっさの場合に息子を助けられないと思い込み強迫神経症になりかける母親、事故にあう前の二日間の記憶がなく、そのブラックボックスに悩む男、友人の冷静さに憤る男。
    真面目で地味な人たちにスポットライトをあてた短編集。

    まじめなひとだからこそ追い込まれていく思い込み。その姿が不思議なてざわりで書かれている。ものすごく不安になるんだけど、なんとなくいい話だなーって終わるかと思いきや落とし穴があるみたいな。淡々としているのでくじけそうだったけど、読むうちに引き込まれてしまった。

  • 短編集。どの話もあっさり読みやすいんだけど、ほろにがかったり、ぞっとしたり、一筋縄ではいかない感じが良かった。

  • 再読
    隣人の救いの叫びに答えなかった友人は冷徹なのか、それとも何か理由があったのか
    事故で数日間の記憶を失った男、その間に起こった殺人事件と自分との関係はあるのか
    短編集

  • 地味で真面目な主人公

  • 「黄金の王 白銀の王」を読んで、すぐにこの人のほかのものも読みたくなった。
    「カタブツ」は短編集。そのせいで深さは足りないけれど、その分、毎回状況把握するのにワクワクした。
    わたしは「駅で待つ人」以降の作品がいいと思う。
    「駅で待つ人」みたいなことは、不思議にもあって、それがすごくせつない方向にばかり進んでしまう。そんなとき、出来たら、思うように振る舞えたら。そしたら、こういうことになるんだろうな。悲しいけど。
    「とっさの場合」はよくわかる。イメージトレーニングし過ぎて気持ち悪くなる、動けなくなる。
    雪国で彼女が転ぶのを助けるか否かで、程度や人間性がわかる。好かれたければ助けるといい。わたしの場合、男性に巻き添えをくらわされてたが。あ、関係ない話だ。
    なりたくない自分になるのを避けるため、あらゆるイメトレを克服し、そして伴侶を許す主人公、万歳。
    わたしももうひとりのわたしと話せるし。そこもあって好きだ。
    「マリッジブルーブライトグレー」で冷やっとした分、「無言電話の向こう側」で温まった。

  • 苦手な短編だけどまあまあ

  • 【図書館】

    初見の作者さん。短編集
    マリッジブルー・マリングレーが怖かった。

    作品の紹介

    気まじめに生きる男女ゆえの殺人、不倫、自殺…世界に例のないテイストの短編集
    そうして、ふたりは結論をだした。どちらかひとりが死ぬしかないと。笑わないでほしい。ふたりはまじめにそう決めたのだから。そして、泣かないでほしい。たしかにこれは、滑稽なことではあるのだから。<「バクのみた夢」より>
    バクのみた夢
    袋のカンガルー
    駅で待つ人
    とっさの場合
    マリッジブルー・マリングレー
    無言電話の向こう側

  • 星3.8(笑)
    心の機微がよく描けている。
    ちょっとおしいのは、マニアックというか、特に出だしが説明っぽくなりがちというところ。
    短編だからと言うのもあると思うし、作者の傾向もあると思う。
    この作者はファンタジーがメインらしい。Amazonのレビューを見ると評価は高いがとっつきにくい印象があるので、こういう普通の世界を舞台にした長編を読みたい。
    (以前、ヤッシュクック・モは読んだけど、忘れた(笑))

  • 初めてでした。。。が!!はっきり言って。。。。面白かった!

    その題のとおり、生真面目すぎる人々が主人公の短編集。
    あまりにも真面目すぎる考え方が面白くて面白くて。
    たとえば、不倫をしてるめちゃくちゃ真面目なカップル。

    二人とも真面目すぎて、二人が会わないために、一人が死のうという結論になる。
    あほ???この人達。。。 (失礼。大真面目です)その結末やいかに。。。
    最後の「無言電話の向こう側」なんか本当ナイスな落ちに爆笑。
    ぜひぜひ読んで見てください。

    ありえないぐらいの真面目人間ばかり出てきますよ〜
    と、ここまでが2年前読んだ感想。


    そして、今日2年ぶりに再読。

    一番面白かったのは「とっさの場合」とっさの場合、人はどうする?母として、妻としてどうふるまえば。。前に読んだときは感じなかったけど、この話だけなんか他と違ってた。

    そして、びっくりしたのがあとがき。。。読んで驚愕。こんな事書いてあったのか。。。

    『お断わり』地味でまじめな主人公ばかりのはずの本書に、一篇だけ、まじめで良い人の仮面をかぶった異常な犯罪者がまざりこんでしみました。。。。。

    うふふふ。やっぱり面白い。沢村さんの本。はさてその良い人の仮面をかぶった犯人とは?やっぱりあの人でしょうね。。

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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常のひだを的確に切り取るミステリーなど、様々な世界を展開している。その他の著作に『瞳の中の大河』『黄金の王 白銀の王』『あやまち』『タソガレ』『ディーセント・ワーク・ガーディアン』『猫が足りない』「ソナンと空人」シリーズなど多数。

「2023年 『旅する通り雨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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