あの瞬間、ぼくらは宇宙に一番近かった

  • 講談社
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062124140

作品紹介・あらすじ

障害児学級の先生と20人の生徒たちがNASAの名高い教育プログラム「スペースキャンプ」に挑戦!感動のトゥルー・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの高校教師である著者が、自身の受け持つ障がい児学級の生徒を、NASAの「スペースキャンプ」に参加させることへの挑戦を描いた実話です。80年代は、宇宙には健常者で、優秀な人が行く所という考えがあり、この挑戦は容易ではありません。次々に現れる壁にも負けず、生徒を導く著者の情熱と、プログラムによって成長する生徒たちにグッと来ます。

  • 著者はアメリカのミシガン州にあるフォレストヒルズ北高校で、障害児学級を担当する教師。
    10年近く障害児の教育を担当していたが、「燃え尽き症候群」の兆候を自覚していた。

    そんなある日、雑誌に掲載されていた「スペース・キャンプ」の案内を目にする。
    「スペース・キャンプ」はNASAが児童・生徒のために行っている一週間の特別プログラム。
    宇宙飛行士が実際に受ける訓練を模擬体験するもの。

    「秀才」とか「英才」と呼ばれる生徒が対象、と暗にほのめかされているが、著者は「うちの生徒にいいのでは?きっと、みんな気に入る」と考え、周囲への相談もそこそこに突っ走り始める。
    オンボロ弱小チームが努力して、トップを目指す類の映画「飛べないアヒル」「クール・ランニング」「メジャーリーグ」等の障害児学級版と言えるかもしれない。

    著者が最初に突っ走ってしまったため、周囲との軋轢を生むが、概ね好意的に受け取られる。
    さらに、思いもよらなかった援助までも受ける事になる。

    ただ、一方で実際にスペース・キャンプに行く生徒達は、チームワークはバラバラ。
    学習障害がある生徒がいたり、家庭に問題を抱える生徒もいたりと前途多難どころの話ではないくらい問題が山積み。

    反対派の人が懸念したのもまさにこの点であった。が、著者は、練習すれば乗り越えられると楽観的。
    実際、生徒達は目をみはるほどの進歩を見せる。そのスピードは著者の想像すら超えるほどだった。

    「スペース・キャンプ」に行く事が決まった後、嫉妬から障害児学級の生徒をいじめる生徒がいたり、著者が「スペース・キャンプ」の現場見学のために同僚の女性教師(共に障害児学級の担当)と1週間、学校を留守にすれば、あらぬ噂を流される。
    また「スペース・キャンプ」でも、他校の生徒には露骨に悪口を言う者が必ずいた。
    一方で、障害児学級の生徒達は悪口を言われても、「自分達の実力」を示したり、ユーモアで切り替えしたりした。

    そのような事にウンザリした著者がふと、漏らした一言が重い。
    「"障害者"は、一体どちらなのか?」

    ただ、救いは障害児学級の生徒達を支えた人々が、それ以上にいた、という点。

    「障害がある」事と「能力が低い」事はイコールではない。
    この事は本書の中で障害児学級の生徒達が身をもって示してくれた。
    それどころか、一位、二位を争うほどの成績を残したのだ。

    十分な能力がある事を示せば、障害があろうが、なかろうが受け入れるのはアメリカらしい。
    この点は、日本は、なかなか追いつけないか、追いつくことはできないのでは、という気がする。

  • マイミクの日記を読んで、速攻買った。

    障害児学級の担当教師が、
    NASAの英才教育プログラムへ
    自身の生徒達の参加をさせんと、悪戦苦闘を繰り広げ~
    色々な試練を子供達と一緒に乗り越えていくストーリー。

    プログラム中、そして、最終日の表彰式での顛末を読み進めるうちに
    つ、つい、こみ上げるものが。。。
    同時にハートがほのぼの温かくなった。

    あきらめない。
    やり続ける。
    まずは行動ありき。

    信頼し、
    支え合う。

    障害児と言えば、
    シンガポールに住んでいたころ、現地でインターナショナル・スクールに行っていたんだけど(当時高校生)
    週に1度、午前授業のみで、午後は、めいめいスクールバスで、
    色々な施設に、ボランティアをしに行くプログラムがあった。
    もちろん、参加は必須。

    老人ホームで、華僑のおばあちゃんに、孫にそっくりと言われて
    (多分そう言われた・・・だってマンダリン、わかんないんだもの(^_^;))
    手を握られたまま動こうにも動けず、
    うん、うん、うなずき、聞き役をしてみたり、

    病院の小児病棟で、
    難病の長期入院の子供達の遊び相手になって
    その容姿に驚いて、自然に振舞えずあわあわしてみたり、

    大人とは違って子供独特の発音で話しかけられ、何を言っているのか分からず
    何度も聞き返して、子供達に呆れられたり、

    はたまた障害児施設では、
    おやつの時間に、食べるお手伝いをしていて、
    お隣の子からゴジラの如く御菓子が吐き出されるのの破片を浴びてみたり、

    色々体験したのを思い出すな~。

    モヒカンの子がボケ老人に親切なのを見て、
    “おぉ~、人は見かけによらず、とはこのことぞ!”と思ってみたりしたっけ~。

    多感な時期に、ああいうボランティア活動を経験できたのは
    収穫だった。

    後に住むことになった、イギリスでは、軽度の犯罪の場合、
    牢屋だの罰金だので、処理されることはなく、
    ボランティア◎時間、という“刑”があって、
    実際、同じ頃に銀行から赴任していた某氏が、週末ボランティアをしているのを聞いて、
    こういう方が、ずっと、社会のためになるじゃん!って思ったな~。

    ユーズドで、若干値が張っても、読む価値おおありです!!

  • 障害児学級の子どもたちを、スペース・キャンプに連れていくまで。

  • 障害児学級の教師のノンフィクションストーリー。すらすら読めて面白い。

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