エリカ 奇跡のいのち

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制作 : ロベルト インノチェンティ  Ruth Vander Zee  Roberto Innocenti  柳田 邦男 
  • 講談社 (2004年7月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (25ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062124850

エリカ 奇跡のいのちの感想・レビュー・書評

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  • 2004年発表。


    2005年第10回
    日本絵本賞・翻訳絵本賞受賞作。


    お母さまは、
    自分は『死』に向かいながら、
    わたしを『生』に向かって投げたのです



    第二次世界対戦中のドイツで
    奇跡的に生き延びた
    ひとりの女性エリカを描いた
    実話に基づく絵本です。



    とにかく写真と見間違うほどの
    緻密でリアリティある絵に圧倒されました。

    モノトーンで統一された絵に
    ユダヤ人を表すバッジの黄色と
    エリカがくるまれた毛布のピンク色だけに
    色がつけられています。


    ユダヤ人強制収容所行きの列車に乗り込む人々を描いた絵。
    このまま列車に残っていては
    確実に殺されてしまう。

    藁をもすがる思いで
    自らの赤ん坊を
    収容所へ向かう走る列車から
    投げ出す母親。

    愛する我が子を、走る列車から投げなければならなかった、
    母親の気持ちを考えると
    胸が締め付けられ、
    涙が止まらなくなります。



    エリカはその後
    奇跡的に生き延び
    皮肉にも自分を殺そうとした
    同じドイツ人の手によって育てられます。


    誕生日も知らない娘に
    つけた
    エリカという名前。

    自分自身が危険な目に合うのもかえりみず
    エリカを育てたドイツ人の勇気にも
    心を打たれました。



    訳者の柳田邦男さんは言います。

    例え生きられる確率は
    1万分の1であっても
    ゼロではない道を我が子のために選んだ母親の決意には
    一筋の『生』の光を求める崇高なものとして、
    人々の心を揺さぶらずにはおかないだろうと。



    600万人もの
    なんの罪もない人たちが、
    ただユダヤ人だということだけで殺されていった事実。

    この母親と同じように沢山の人たちが
    生きたいと願い、
    生かしたかったであろう命。


    決して忘れてはならないし
    悲惨な現実を
    二度と繰り返さないためにも、

    今の殺伐とした世の中で
    命の意味を考える意味でも、

    この絵本を読むことで
    子供にも大人にも
    語り継いでいかなきゃって思います。

  • クラスで読み聞かせした。

    いつも授業中は寝てるか、しゃべるか、落書きしてる彼も

    しっかり聞いて、自分なりの感想を書いた。

    そのくらい力のあるよい絵本。

    いろんな人に読んでほしい。

  • 明日死ぬと分かっていても、人は生きるために生きている。

  • 「じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです」戦争だけではなく、命について考える本。
    (MK)

  • 『別冊太陽 こわい絵本』掲載。
    ホロコーストがテーマの本は苦手なのですが、これはぜひとも伝えていかねばならない1冊でした。
    避けられない死の運命から、せめて我が子だけでも…と生の方向へ投げた両親の決断。
    実話に基づいた物語。
    子どもでも「おかしい、間違っている」とわかる酷いことが、過去の出来事として実際にあったことは知っておかねばなりません。
    そして2度と繰り返してはならないのです。
    小学2,3年生に紹介。ホロコーストを一生懸命イメージしようと真剣に話を聞く子ども達の眼差しが印象的でした。
    ちょうど『アンネの日記』を読んでいる子がいたので、タイムリーでした。

  • 図書館で偶然手に取り。
    映画「愛と哀しみのボレロ」でも同じ状況が描かれていた。
    年齢を重ねて来て、残された子どもの気持ち以上に、置き去りにしてでも子どもの「生」を祈った母の気持ちが胸に突き刺さる。

  • 実話。1944年。ユダヤ人は強制収容所に送り込まれ、毒ガスなどで大量虐殺された。生まれて間もないエリカは強制収容所に送り込まれる貨物列車の小さな換気用窓から、母親によって投げられた。「お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。」ユダヤ人の子どもをあずかるという危険をおかしてでもエリカを立派に育てた女性は凄いと思った。

  • 第二次世界大戦中、強制収容所に送られる直前、奇跡的に生き延びることができたエリカの物語。実話をもとに、淡々と出来事を語るように書かれていますが、ここで語られていないことの重さを想像してしまう。

  • 誕生日も本当の名前も、本当の両親も知らないユダヤ人のエリカという女の人が語る。
    第二次世界大戦中、強制収容所に送られる汽車の窓から、一人の赤ん坊が投げ出された。
    汽車がカーブに差し掛かってスピードが緩んでいたのもあり女の子の赤ん坊は助かった。
    ユダヤの赤ん坊をかくまうことは罪になると知っていたはずだが、赤ん坊を拾った女の人はきっとエリカという名前だったに違いないとして、育てたのだった。
    エリカの本当の母親は自分が死に向かっていると知った中で、少しでも生の可能性のある方へ娘を向かわせたのだった。
    通常なら窓から投げすてるなんて殺人に問われるものだが、その状況では窓から投げすてらてることが生への道だったのだ。
    ユダヤは600万の星になったとエリカは語る。

    もしかしたら、打ち所が悪くて死んだかもしれない。
    投げ捨てられてそのまま誰にも拾われずに死んだかもしれない。
    きっと他にもそういう例はあったのだと思うけれど、生き残れるかは運、としか言いようがない。
    「死」が支配す強制収容所の話の中の「生」の話。

    関係ないけれど、柳田国男と柳田邦男の違いがやっと分かった。
    紛らわしい…。
    柳田邦男という人を正しく理解していなかった。

  • 資料番号:020120762
    請求記号:Eインノ

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