本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (28ページ) / ISBN・EAN: 9784062124850
作品紹介・あらすじ
お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。
第二次世界大戦中のドイツで奇跡的に生きのびた、ひとりの女性の物語。
<赤ちゃんを走る列車から投げ出すなどということは、平時であれば、殺人行為と見られてしまう。しかし、(中略)たとえ生きられる確率は1万分の1であっても、ゼロではない道をわが子のために選んだという母親の決意は、一筋の「生」の光を求める崇高なものとして、人々の心を揺さぶらずにはおかないだろう>――柳田邦男(「訳者のことば」より)
衝撃の実話を『百年の家』の画家ロベルト・イノセンティが繊細な絵で描いた絵本。
*第10回日本絵本賞 翻訳絵本賞 受賞作品
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
命の尊さと母の愛を描いた物語で、第二次世界大戦中のドイツを舞台に、ある母親が赤ちゃんを救うために命がけで選んだ行動が中心となっています。ユダヤ人の赤ちゃん、エリカは、汽車から放り投げられた後、奇跡的に...
感想・レビュー・書評
-
平和を願うための絵本として手にした作品になります。1944年の第二次世界大戦中、主人公は生まれて2~3カ月程度の女の子の赤ちゃん、ユダヤ人強制収容所に向かう汽車が村を通過中、車窓から母親は赤ちゃんを放り投げ…ドイツ人に拾われた赤ちゃんは、エリカと名づけられ成長し家族を持てたというストーリーです。
ヒトラーのユダヤ人虐殺において600万人もの尊い命が犠牲になっています。そんな中、少しでも生き残れる可能性があるのなら…と、赤ちゃんを汽車から放り投げる母親…その気持ちを思うと、いたたまれない気持ちになります。そして、赤ちゃんをエリカと名付けて大事に育てたドイツ人の彼女も、そしてエリカの夫となった彼も…そこにあるのは、尊い命を守りたい…その気持ちだけだったのだと思います。
戦後、そして今の時代でも変わらないのは、命はどんなこと、どんなものよりも尊い…!!絵本だけれど、メッセージ性の強い内容なので多くの人に読んでもらえたらいいなって感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
命が受けつがれる奇跡『エリカ 奇跡のいのち』 [絵本] All About
https://allabout.co.jp/gm/gc/451665/
Ruth Vanderzee
http://www.ruthvanderzee.com
Roberto Innocenti
http://www.robertoinnocenti.com
『エリカ 奇跡のいのち』(ルース・ジー,ロベルト・インノチェンティ,柳田 邦男)|講談社BOOK倶楽部
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000182290 -
2004年発表。
2005年第10回
日本絵本賞・翻訳絵本賞受賞作。
お母さまは、
自分は『死』に向かいながら、
わたしを『生』に向かって投げたのです
第二次世界対戦中のドイツで
奇跡的に生き延びた
ひとりの女性エリカを描いた
実話に基づく絵本です。
とにかく写真と見間違うほどの
緻密でリアリティある絵に圧倒されました。
モノトーンで統一された絵に
ユダヤ人を表すバッジの黄色と
エリカがくるまれた毛布のピンク色だけに
色がつけられています。
ユダヤ人強制収容所行きの列車に乗り込む人々を描いた絵。
このまま列車に残っていては
確実に殺されてしまう。
藁をもすがる思いで
自らの赤ん坊を
収容所へ向かう走る列車から
投げ出す母親。
愛する我が子を、走る列車から投げなければならなかった、
母親の気持ちを考えると
胸が締め付けられ、
涙が止まらなくなります。
エリカはその後
奇跡的に生き延び
皮肉にも自分を殺そうとした
同じドイツ人の手によって育てられます。
誕生日も知らない娘に
つけた
エリカという名前。
自分自身が危険な目に合うのもかえりみず
エリカを育てたドイツ人の勇気にも
心を打たれました。
訳者の柳田邦男さんは言います。
例え生きられる確率は
1万分の1であっても
ゼロではない道を我が子のために選んだ母親の決意には
一筋の『生』の光を求める崇高なものとして、
人々の心を揺さぶらずにはおかないだろうと。
600万人もの
なんの罪もない人たちが、
ただユダヤ人だということだけで殺されていった事実。
この母親と同じように沢山の人たちが
生きたいと願い、
生かしたかったであろう命。
決して忘れてはならないし
悲惨な現実を
二度と繰り返さないためにも、
今の殺伐とした世の中で
命の意味を考える意味でも、
この絵本を読むことで
子供にも大人にも
語り継いでいかなきゃって思います。 -
引き続きロベルト・インノチェンティの作品を読む。
第二次世界大戦下のドイツ。エリカはユダヤ人の娘だった。表紙は貨物列車。となると大体内容は想像つくだろう。
子どもができてからナチスの話を読むと余計に堪える。小さな子どもと一緒に貨物列車に乗り込む親はどんな気持ちだったんだろう。子どもにどう声をかけたんだろう。絵本の文章でこれらが語られることはなかったけど、絵の中に小さい子たちの姿を見て、想像してしまった。
平時であれば許されない母親の行為。でもそれが命のバトンとなる。それを引き継ぐ人がいる。
子どもと一緒に平和について考える題材として、とても良い絵本だと思った。もう数年したら、また子どもと紐解きたい。 -
原題は"Erika's Story"というらしい。
そこに副題として、「奇跡のいのち」と名づけたのはとても素晴らしく、訳者の愛がこもっていると感じた。
「お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。」
という文がとても胸に突き刺さる。深く刺さって抜けない。どうしてこの文章が生まれたか、ぜひ手に取って読んでみてほしい。またこのお話は実話だというのだから、余計刺さるというもの。
平和な現代だって、いろんな事情で生き延びられない子どもたちはたくさんいる。
わたしたちのひとりひとりが、過去も未来も、すべて奇跡なのだと思うと、胸がぐっと熱くなったり、苦しくなったりする。
奇跡。なんて希望に満ちて、重たい言葉なんだろう。
訳者は「子どもも大人も一緒になって読み、一緒に考える本だ。」とあとがきを締めくくっている。
ほんとうにそう思う。
あと緻密で美しい絵も必見。
白黒主体の絵も、鮮やかな色をふんだんに使った絵も、どれも美しい。
死と生。
それは絵からも感じられる。 -
クラスで読み聞かせした。
いつも授業中は寝てるか、しゃべるか、落書きしてる彼も
しっかり聞いて、自分なりの感想を書いた。
そのくらい力のあるよい絵本。
いろんな人に読んでほしい。 -
この本は絵本で柳田邦男さんの翻訳です。最近ではニュースで親の幼児虐待や少年犯罪が取りざたされています。赤ちゃんポストなども設置されたりしています。それはそれで意味があることと思います。私はこの本の中で『お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。』のところで涙が出て止まりませんでした。自分は死ぬせめて我が子は・・・。というギリギリの決断だったんでしょう。最近は自分は遊びたい子供は二の次といった考えが見られます。ぜひ若いお母さんに読んでほしいです。もちろん子供さんに読み聞かせながら・・・。
-
お母さまは、
自分は『死』に向かいながら、
わたしを『生』に向かって投げたのです。
-----------------------------------------
(中1の息子が書きました)
1944年、ドイツで生まれた名前もなかった赤子の話です。
当時、ドイツではヒトラー率いるナチス・ドイツが権力を握っていました。
その間、実に600万人ものユダヤ人が殺されました。
その中に、ある夫婦と生まれて間もない赤子がいました。
彼らは牛用の輸送列車に詰め込まれました。
ある村を通るとき、列車が速度を落としたので、母親は「今だ!」と思って、窓から投げました。
親は「死」に向かいながら、私を「生」に向かって投げたのです。
-----------------------------------------
(母のコメント)
冒頭の柳田邦男先生の訳が、生きることへの緊迫感を伝えてくれるものでした。
先日、講演を拝聴しましたが、ますますファンになりました。
ちいさな絵本や”ひだまり”さんセレクト、
10才までに読みたい”こころが豊かになる110冊”より。 -
ルース・バンダー ジー (著), ロベルト インノチェンティ (イラスト), Ruth Vander Zee (原著), Roberto Innocenti (原著), 柳田 邦男 (翻訳)
-
-
ナチスドイツや戦争のこと、命について考えさせられる作品。
-
自分は収容所行きが決まっていて、子どもだけは列車から投げ放った。赤ん坊を保護してくれる人がいるのかいないのか、いたとしてもどんな人か全くわからないのに。
-
奇跡の物語、そして悲しいのは、彼女を生かそうと決意した彼女の両親は、彼らの死を同時に悟っていたという事実である。
幸いにも、彼女は自分に課せられた使命の大きさを知り、感じながら生きることができた。それが本当に幸運で、そのために彼女の両親たちが報われている。
このような彼女の境遇ではなくても、私たちは多くの命のその先に生きている。それを実感するには、やはり歴史を知るしかない。歴史を学ぶことは、いまの自分の使命を明確にすることにもなる。
どんな人でも、これまでの自分たちの家族、民族、国の成り立ちの軌跡をたどるべきである。それは、同じ過ちを繰り返さず、過去の彼らの思いを引き継ぐために。偏った考えや過ちに気付けるように。
私たちが生きている時代は今であり、過去を変えることはできない、なじったり、謝ったり、嘆いたり、それは本質ではないと思う。
歴史をたどると、作り話みたいにあり得ないくらい馬鹿馬鹿しいことが当然のようにまかり通っていることに気づく。
それは古い時代だから起こった、ということではないと思う。まったく同じことは信じられないかもしれないけれど、他のことでやはりあり得ないようなことが、きっとこれからも当たり前のように起こる。
ある具体の歴史的出来事だけが仰々しく、まるでそれだけがおかしかったかのように取り上げられるのは、リスクがある。戦争に駆り立てたものは何か。迫害はなぜここまで強まったのか。それを考えたい。
昔はこわかったんだね、で終わらせては意味がない。むしろ、今の時代は安全ですよ、という宣伝のような気もしてなんか不安になる。時代の過ちのその一部は、きっと消化されないままに、今の時代にも生き続けているだろうから。 -
ハース・バンダー・ジー(米)・文、ロベルト・インノチェンティ(伊)・絵、柳田邦男・訳 「エリカ 奇跡のいのち」、2004.7発行。1944年、汽車がユダヤ人強制収容所に入る直前、「死」に向かう母親が生後2~3ヶ月の赤ちゃんを(「生」に向かって)汽車の窓から外の草むらに放り投げ、それを目撃した村人に助けられ奇跡的に生きのびたエリカの物語です。著者(米国、中学校の教師)は1995年、エルサレム(夏の研究)からの旅でドイツローテンブルグに寄った時、エリカに出会い、エリカから聞いた話を物語にしたそうです。
-
明日死ぬと分かっていても、人は生きるために生きている。
-
「じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです」戦争だけではなく、命について考える本。
(MK) -
『別冊太陽 こわい絵本』掲載。
ホロコーストがテーマの本は苦手なのですが、これはぜひとも伝えていかねばならない1冊でした。
避けられない死の運命から、せめて我が子だけでも…と生の方向へ投げた両親の決断。
実話に基づいた物語。
子どもでも「おかしい、間違っている」とわかる酷いことが、過去の出来事として実際にあったことは知っておかねばなりません。
そして2度と繰り返してはならないのです。
小学2,3年生に紹介。ホロコーストを一生懸命イメージしようと真剣に話を聞く子ども達の眼差しが印象的でした。
ちょうど『アンネの日記』を読んでいる子がいたので、タイムリーでした。 -
図書館で偶然手に取り。
映画「愛と哀しみのボレロ」でも同じ状況が描かれていた。
年齢を重ねて来て、残された子どもの気持ち以上に、置き去りにしてでも子どもの「生」を祈った母の気持ちが胸に突き刺さる。 -
実話。1944年。ユダヤ人は強制収容所に送り込まれ、毒ガスなどで大量虐殺された。生まれて間もないエリカは強制収容所に送り込まれる貨物列車の小さな換気用窓から、母親によって投げられた。「お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。」ユダヤ人の子どもをあずかるという危険をおかしてでもエリカを立派に育てた女性は凄いと思った。
著者プロフィール
柳田邦男の作品
本棚登録 :
感想 :
