エリカ 奇跡のいのち

  • 講談社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (25ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062124850

感想・レビュー・書評

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  • 戦争中の1シーン。「アンネの日記」や「夜と霧」といった作品に心打たれた大人は、こどもとこの作品で。

  • S太郎5歳9ヶ月で出会った本。

  • ルース・バンダー・ジー:著 柳田邦男:訳

    <あらすじ>
    第二次世界大戦中、ユダヤ人を乗せた貨物列車が強制収容所へと向かう。その貨物列車に乗せられていた母親は、自分の赤ちゃんを「生」の道へ送り出す。

    <ひとこと>
    赤ちゃんを貨物列車から投げたときの、母親の気持ちとは。貨物列車に乗っていれば確実に「死」がある。貨物列車から投げ出されても生きていないかもしれない。でも少しの「生」への望みに母親はかける。とてもとてもつらかっただろうな。子どもを手放したくない・・・・、でも死なせたくない・・・・。
    なぜこんな思いをしなくてはいけないんだろう。

    もう少し子どもが大きくなったら、一緒に読んで考えたいと思う。

  • ■私は子どもを生んだことありませんから、自分のおなかがうずくような共感ではないんですけど。
    でも、わが娘を放り投げた母親の気持ちを思ったら、胸の底にずしんとくるものがありました。
    ■この母親(たぶん私よりもずっと若い母親だと思う)は、自分がものすごく理不尽な殺され方をするとたぶんわかっていて、それでも、放り投げた先の未来を全部「信じた」んですよね。
    赤ちゃんがやわらかい草の上に落ちること、赤ちゃんが命にかかわる怪我をしないこと、誰かやさしい人が見つけてくれること、長じて幸せな娘になってくれること。
    世の中を信じられなくなって当然の状況の中で、自分に残ってるぜんぶの「信じる」で娘をくるんで、このお母さんは投げたんだ…と思ったら、泣けてきちゃって。
    ■で、本当に赤ちゃんは草むらに落ちて、怪我せずにすんで、やさしい養父母に育てられて、幸せな結婚をして家族をつくるんですよ。
    お母さんの祈りが全部がかなったけど、お母さんは生きてる間にその結果を知ることはなかった。お母さんは「信じた」ことで喜びを得たことを知らない、それってすごくせつない。
    でも、娘はお母さんの苦しみごと理解して、死に向かう中で反対側へ自分を放り投げた勇気に感謝している。
    「伝わる」とか「伝える」って、言葉だけじゃないし、見えなくても触れなくても聞こえなくても、記憶すら残って無くても、届くものってあるんだなと思ったら、ほろほろときちゃいました。
    ■それに。このお母さんは「子どもと一緒に最期までいる」ではない道をとっさに選んだんですよね。お母さんは、どんなことになっても、生きるほうがすばらしいって思う人だったんでしょうね。この状況でもそう思えるのか、ってところにもずしんときました。

  • 6年生に、こういう本もたまにはいいかなと思って読み聞かせてみました。
    どうかな、ちゃんと受け止めてくれるかな、と不安に思いながら読みました。
    案の定、読み終わった時はシーンとしていて、いつもの「質問!」みたいな元気な声がありませんでした。

    戦争の本、というだけで、読むのをためらうことがあります。
    クラスの雰囲気や先生の考え方がわからずに読みに行くので、
    反応が読めないせいもあります。
    戦争の話が楽しいわけがありませんから、読み終わったあとの
    フォローも大事になってくるのです。

    けれども、私はあえて戦争の絵本を読みたいと思っています。
    高学年なら、特にです。
    もちろん子供への読み聞かせは、なるべく明るく楽しい本を心がけていますが、
    大事なことを伝えるには絵本でなくてはならない時もある、と私は思います。

    この絵本が子ども達にどう受け止めてもらえたのか、とても気になります。
    子どもだけではなくて、本当は大人にこそ読んでもらいたい絵本。
    私は、何度読んでも涙が出てしまいます。
    密かに何度も練習をして、読み聞かせの時に泣かないように頑張りました^^;

    生きることの意味、そして命の大切さを感じずにはいられない本。
    すべての人に、この絵本をオススメします。

  • アウシュビッツへ連れて行かれるぎゅうぎゅう詰めの列車の中で、ユダヤ人の夫婦が小さな命を助けるために速度の落ちた時を見計らって赤ん坊を小さな窓から外の草地へ放り出します。たまたまそれを見ていた心ある人が赤ん坊をひろいあげて、その子はエリカと名付けられてある家で家族同様に育てられます。どんな思いでこのユダヤ人の夫婦は、走る列車から赤ん坊を投げたのでしょう。命を絶たれた600万人ものユダヤ人1人一人にこうした悲しくつらいドラマがあるかと思うと、胸が痛いです。

  • 2010年5月18日

    <Erika's Story>

  • 1944年、ナチス占領下のヨーロッパ。死の収容所へ向かって走る貨車の中から、外へ投げ出された赤ん坊。誰かが幼い娘を救ってくれるかもしれないという可能性にかけた、母親の必死の行動でした。その赤ん坊は奇跡的に助けられて生きのびます。生きのびた女性自らが語る実話。

  • この絵本の原画をみる機会があったので、ぜひ全文読んでみたかった。

  • ユダヤ人強制収容所 母は死に向かいながら子を「生」に向かって投げた

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