- Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062125321
作品紹介・あらすじ
21世紀の夢の新幹線、出発進行!
「自然」「和」「中が外」「タテ目」…斬新なコンセプトの新幹線、800系「つばめ」はどうして生まれたか!883系「ソニック」や885系「かもめ」、787系「つばめ」など数々の名列車を生み出してきた水戸岡鋭治のデザイン物語。
・新幹線「つばめ」、787系「リレーつばめ」、883系「ソニック」、885系「かもめ」、「ゆふいんの森」……。鉄道ファンでもなかった少年がブルネル賞・ブルーリボン賞・ローレル賞といった数々の賞を受賞する列車のデザイナーに!
・最先端の仕事の現場から、自分の未来、自分の夢を考える本!総合学習に最適です。
・こんなふうに列車はデザインされるのか!乗るのが100倍楽しくなる本。
写真、デザイン画、満載で小学生から大人まで楽しめます!
目次
[巻頭カラー写真](新幹線「つばめ」)
[はじめに]
[序章] 800系「つばめ」デビュー
[1章]「つばめ」誕生物語 その1
[2章]ぼくの子ども時代
[3章]「つばめ」誕生物語 その2
[4章]デザインの境界をこえて カラー写真(列車・バス・船)
[5章]「アクアエクスプレス」から新幹線「つばめ」まで
[6章]「つばめ」誕生物語 その3
[終章]未来をデザインしてみよう
[著者紹介]
水戸岡 鋭治(みとおか えいじ)
1947年岡山県生まれ。デザイナー・イラストレーター。
建築・鉄道車両・グラフィック・プロダクトなどさまざまなジャンルのデザインで活躍を続けている。
なかでもJR九州の駅舎、車両の斬新なデザインは、鉄道ファンの枠を越え、広く注目を集め、ブルネル賞・ブルーリボン賞・ローレル賞・日本鉄道賞・グッドデザイン商品選定など多くの賞を受賞している。
おもなデザイン作品に、JR九州の新幹線800系、特急車両の885系、883系、787系、西鹿児島駅、熊本駅ビル、岡山電気軌道の路面電車「MOMO」などがある。
感想・レビュー・書評
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オンラインセミナーの予習として。
漢字には全てルビがふってあり、塗り絵が幾つもついていたり、図書館でも子供向けの棚にあったけれど、これは大人向けの本だと思う。とても充実した内容で想像以上に面白かった。とはいえ子供が読むことを意識しているため、たまに「新しいことをやろうとすると反対する人が必ずいます」とか丁寧に書いてあるのには笑ってしまったけど。
九州新幹線「つばめ」には乗ったことがなく、こんな素敵な新幹線があるなんて知らなかった。写真やストーリーを読んで是非乗ってみたくなったし、確かに「新幹線」は日本の技術なのに、それまでデザインに「和」を取り入れてこなかったことは不思議に思えてきた。
ヨーロッパ留学の話では、公共の空間をとても重要視していて私的な空間とはっきり区別しているという話、地元の素材で地元を構成することが街全体の統一感・調和につながるという話が面白かった。
2004年の本だけど「欧米デザインの真似をして満足する時代は終わった」「これからは日本人の感覚を思い起こし自然と共生しながら、日本というブランドを真剣に考え、進化させていくべき」という文には今もハッとさせられる。
「戦後日本人は自分や会社に対する勤勉さばかりで、社会に対する勤勉さを忘れてしまっている」という言葉はその通りで、自分も少し社会にサービスせねばと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新幹線に限らずいろいろなデザインを担当するデザイナーの仕事についてわかる本。
個人的にはデザインの話より筆者の子供時代の話が興味深かったです。
電車好きな子、絵をかくことが好きな子におすすめ。 -
投票対象にロボがいないの、なんの愛も感じなくて心底醒めるな
デザイナー水戸岡鋭治の自伝。
本の中身もイラストや写真が見やすく配置されており美しいが、
水戸岡鋭治という社外デザイナーの立場から見た800系プロジェクトやJR九州の自由闊達で決断力のある社風が面白かった。
本書の本来のターゲット層はおそらくデザイナーに興味を持つ小学生であろう。
ぬりえやイラストだけでなく、総ルビや語り口も本に慣れていない子供にやさしい印象だった。 -
「つばめ」のデザイナーは、「ソニック」のデザイナーでもあったなんて!
たまたま、手にした本ですが、夢を仕事にした人の自身による自伝。とても楽しく読めました。
今度の旅で乗りたいですね。 -
小学生から大人まで楽しめます。本当に楽しく読めた。九州新幹線の乗り心地が良いはずだ、改めて感じた。こだわり、デザインセンス、そして何より物作りのプロたちによる技術の高さ。次回はまたひとつ違った目線で新幹線を楽しめそうだ。市村さん、素敵な本をありがとうございました。
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10.9読了
▪まずキックオフ会。熱く思いを伝える
▪地産地消。なぜそのデザインになったのかは、地元の材料だったり、伝承だったり。 -
制約は知恵を生む。本書は、九州新幹線「つばめ」をデザインした水戸岡(みとおか)鋭治さん(66歳)が書いた本だ。
電車の車両のデザインが、どのような過程で進められているかを書いている。コスト、時間、技術、生産可能性など多くの制約の中から解を出してプロダクトとしての車両が出来上がる過程がわかる。
すべての漢字には読み仮名が振られている。若い世代に、製造の過程と同時に、プロダクトデザインという仕事の紹介も行うためかもしれない。
文体に統一感が無いのは、読んでいて不安を感じる。これは、意図されたのか、そうでないのか不明である。
本書を読んで、九州新幹線「つばめ」に乗ってみたいと強く思ったことは確かである。私に対して作者の意図は成功していると言える。あとは、自分のスケジュールという制約をどのように工夫するかだ。 -
図書館で借り。こども向けの本だけど面白かった!
・ソニック883(青いソニック)のデザインが好きで、どんな人が作ってるんだろう?(工業デザイナー?技術畑の人?)と思ってたので借り。
・読んでみたらJR九州のかっこいい車両はこの人がデザインしたのばっかだった。
・岡電の「MOMO」は時々みかける好きな車両なので乗ってて嬉しかった。
・ペーパークラフト、塗り絵、車両のカラー写真は見てて楽しい。
・デザイナーのこだわりって大事なんだな。でも技術者や営業側からはどういう風に映ってたんだろう。(結果、成功したから良かったものの…
・鉄道デザインに関する章は、ブルネル賞、ブルーリボン賞、ローレル賞、グッドデザイン賞。
・p150 企業も個人も、社会に少しサービスするのです。こんなことまで提供するともうからないのでは、と思うようなことを少し実行するのです。みんながそういう姿勢でいれば、すぐに豊かで美しい元気な社会ができてくるはずです。
・p122 デザインが一定以上のレベルに達すると、乗っている人に一種の心地よい緊張感が生まれるのです。逆に車両がしっかりしていないと、乗客のモラルも低下する、と僕は考えています。 -
乗りたいなーと思う鉄道はすべてJR九州。なぜ?と思っていたら、どうもあるデザイナーが関わっていると知り、読んでみた。子ども向けにルビがふってあるが、大人でも十分楽しめる内容。挿絵も多く、デザイナーとしての著者の哲学が伝わる。「日本人は勤勉だが、自分や会社に対してだけでなく、社会に対しての勤勉さを忘れてしまっている」という言葉が突き刺さる。