- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062125369
感想・レビュー・書評
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脚本のような書き方で小説としては評価が低いかな。ストーリーも深みがなく、個々の台詞も面白くない
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目にしているのは都市の姿だ。
空を高く飛ぶ夜の鳥の目を通して、私たちはその光景を上空からとらえている。
私たちは「デニーズ」の店内にいる。
夜はようやく明けたばかりだ。次の闇が訪れるまでに、まだ時間はある。 -
2015/01/01 読了
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2017年8冊目。(再読)
村上春樹の長編はほとんど複数回読み返していたけど、この作品はそういえば一回しか読んでいなかった。
「カメラ視点」の意識が強く、登場人物と同化して何かを切り抜けていくよりは、観察者としての不思議な感覚を覚える。
エリが寝ている部屋と、テレビ画面の先にある向こう側の光景がとても強く印象に残っていて、夜の静寂の中のテレビの電子音が焼き付いている感じ。
誰かにとってのこちら側とあちら側の世界の結びつきは、本人ではなく、結びつきのある別の誰かが、別の場所で冒険をくぐり抜けることでも影響する、という気がする。
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2014年140冊目。(初読:2014年12月31日)
あるたった一晩だけに焦点を当てた都会に住む人々のお話。
一人称複数の「わたしたち」で語られるスタイルは村上春樹小説で初めて見た。
「わたしたち」の視点は、ズームアウトすれば匿名的で集合的な都市の姿しか見れないが、
しっかりクローズアップすると、まったく異なった(いくつかの共通点は持っているかもしれない)「一人ひとり」の姿をとらえ、
たった一晩であっても様々な負の感情や立ち上がる力に満ちたストーリーを見つけることができる。 -
201412
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(2014/10/2読了)
ある視点から語られている話。場面はみっつ。
同じ夜の出来事なのか?
共通の人物は、マリ。
みっつとも、結末が見えないまま終わらせた意味は?
内容が濃いのに、ページ数も少なく、文字も大きく、余白も多いので、嫌な予感がしていたけど、かなり不完全燃焼な気分。面白かっただけに残念。
(内容)
真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹。 -
何者かの視点で描かれていくある一夜。
一コマ毎に変わる視点が徐々に絡まり合っていく。それは決して複雑に絡まり合った糸ではなくて。軽く寄り添うように繋がって、ふとした拍子に解けてしまいそうなほど繊細なもの。だけどその実、しっかりと、見えない何処かで結ばれている。だから、決して”逃げられない”。
村上春樹さんの長編に はじめて触れましたが、短編ほどの引力はなく、終始眈々としていたようにおもいます。「可もなく不可もなく」読後最初に頭に浮かんだのはそんな言葉でした。 -
久々に村上作品で好きな一冊。
とても素直に受容できた。 -
回収しなければ伏線ではなく、ただ謎なだけなのだと毎回教えてくれる村上春樹さん。