火のみち (下)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 109
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062125772

作品紹介・あらすじ

古の焼物・汝窯。奇跡のような色。いっさいの感情も、作為もゆるさない、「完全」。その奇跡を再現することが、自分の運命だと信じた。空洞が埋まらない心。それが欲したのは、「天空の色」。触れたい、手に入れたい。男は魔力に取り込まれる。

感想・レビュー・書評

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  • 2018_06_21-070

  • 上下巻とおして、心理と情景の描写がすばらしかった。
    とくに下巻では、火の赤と青磁の青が目に浮かんでくるようでした。

  • 全体的にみると、次郎が汝窯のことを追及すればするほど自らも、周りもその得体のしれない渦に巻き込まれていく感じだった。結果は、次郎にとってなんか報われなかった気がする。

  • はじめと終わりの話の執着点がズレてしまった感じ。

  • おごそか。

  • つづいて下巻。自身の窯をもち、平穏な日々が訪れたのもつかの間、中国宋代の青磁・汝窯に魅入られる次郎はそれを再現しようとし、まわりを顧みなくなってしまう。わたしは読みながら取り残されないようついていくのに精いっぱいになった。初めての青磁の世界。古く長い歴史と次郎を一瞬に虜にした汝窯の美しさ。文字で見るだけでもかなりのものなのだろう。次郎の蘇らせたいという情熱の行きつくところは・・・?ストイックで冷たいような壮絶な次郎の半生、上巻とちがい戸惑いが多かった。汝窯に出会わなければよかったのにと何度も思ったけれども、こうなったらぜひ、日本で唯一大阪の博物館に展示してあるというその水仙盆をぜひこの目で見てみたい!巻末の伊藤郁太郎氏の解説、よりわかりやすく物語を理解できました。

  • 順調だった陶芸作家の生活だが、「青磁」に出会い、「青磁」に引きずられる
    女優になった妹、行方不明だった兄との家族の再会もつかの間、青磁によって暮らしは傾いていく
    やり直しを決意した直後、脳梗塞により自由を奪われるが人生の最後において青磁発祥の地を尋ねることができた
    なかなかの読ませる長編

  • 人の生き方みたいなものを考えた。
    何もかも投げ捨て一心不乱に目標へ向かって行く。
    頂きは果てしなく成功する保証もなにもない。こんな熱い生き方ができるのか?

  • 芸術に魅せられた人々の物語、といえばありきたり。ただとっかかりとしては主人公が殺人犯であり、服役中の懲役から陶芸を学ぶ、てのが独特かな。そして彼とその家族とのドラマが、かなり読まされる。
    それにしてもこの主人公の境遇は一見悲劇的に思えるけど。でも彼が犯罪を犯さなかったら幸せに慣れていたのか、と考えると……どうもそんな気がしない。あるべくしてあるべくところに納まった、という印象を受けるのがなんだか不思議な気も。

  • 主人公が青磁に没頭していくさま。
    恐ろしい。

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プロフィール

乃南 アサ(のなみ あさ)
1960年東京生まれ。'88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。'96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『いちばん長い夜に』『新訳 にっぽん昔話』『それは秘密の』など多数。訪台をめぐる随筆の近著に『美麗島紀行』がある。

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