キョウコのキョウは恐怖の恐

著者 :
  • 講談社
3.19
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本棚登録 : 94
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062126533

作品紹介・あらすじ

あの『暗黒神話』の諸星大二郎初の小説集!日常に潜む『恐怖』を鮮やかに描く5篇。

感想・レビュー・書評

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  • ホラー短編集。「狂子」「凶子」「恐子」などという名前の女性が登場するのだけれど、この字面見ただけですでに怖い。やはり感覚的な面が凄いなあ。
    全体的に、「わけもなく」「感覚的に」怖い気がする。どこが怖い、と明確に言えないけれど、なんだか怖い、そういう作品。一番怖かったのは「貘」。怖くない動物のはずなのに……なんでこんなに怖く感じるんだろ?

  • 起こる怪現象や不思議な出来事について「実はこうだった」「これが原因だった」というタネ明かしがなく、結局何かよく分からないというモヤっとした感じが賛否分かれるのかなあと思うが、私はかなり好きな作品だった。

    私は、ホラーに関して言うならば人智を超えた存在や人ならざるものが引き起こす出来事なんかは、理解できなくて当然だし理不尽なもので当たり前だと思う。そういった出来事を無理やり説明をつけたり、原因を明かしたりしない方がホラーとしてむしろ成立するのだと思う。
    ありがちなのは、起こった出来事を無理に解決させようとして、終盤が壮大な除霊バトルになってしまうことだ。そういった作品を読む時、「ホラーを読んでいるのかアクションを読んでいるのか」と考えてしまい、興が削がれるのだ。

    その点で言えば、この作品は「何故」の説明がなく、起こった現象が不可解なまま、解決されないままに物語が終わる。もちろん「何だったの、アレは!?」とモヤッとはするが、「ホラーを読んだ!」という満足感は得られた。
    久しぶりに大当たりの作品に出会えて幸せ。

    個人的に「秘仏」が一番好きな作品で、「濁流」「鶏小屋のある家」も不気味さ不穏さに100点満点あげたい作品だった。

  • そこそこ面白いし、ホラー小説としても水準以上の文章ではあるんだけど、やっぱりどうしても読者はマンガのときのような天才性を期待してしまうわけで、どうも物足りなさが残る。特に地下で異形の存在におののきながら、方向感覚をなくしていく様を味合うのは、文章ではちょっと疲れるし、今からでもマンガで描いて欲しいと思った。

  • 思ったほど怖くなかった…

  • 漫画家諸星大二郎テイストがしっかり残った小説。
    さくさくと読めた。

    収録作
    ・狂犬
    ・秘仏
    ・獏
    ・鶏小屋のある家
    ・濁流

    「キョウコ」さんのキャラが苦手でなければ、もっと楽しめるでしょう。
    私は美人な不思議ちゃんには抵抗があるので、星三つかな。

    濁流が好きだったので、諸星さんのほかのお話も読んでみよう。

  • 情景が浮かぶ文で怖かった。何されるってわけでもないのに怖い。追われる怖さとか、迷子になる怖さを突いてきました。

  • 不条理ホラー。
    作者は漫画家だそうで、漫画的というか視覚的な表現が多い。
    「石膏の固まりを被せられた貘」とか…、絵なら不気味だろうけど、文章だとあんまり怖くない。
    表紙の絵が一番怖かったかな。

  • うーん・・・。悪くはない。でもなんか消化不良な感じというか・・・。でもダメ出しするほどでもない。かといって星3つは付け過ぎかなということで。

  • うぬぅ・・・。そんな怖くない。面白いわけでもない。ほどほど。途中のイラストが怖かった。

  • 諸星恐るべし。凶だったり恐だったり狂だったりのキョウコがそれぞれに登場する短編集なわけだが、これはシリーズとして読むよりも、たまたまフリガナが同じってだけで、変に共通項を持たせないで読んだほうがおもしろいかも。挿絵の挿し具合も上手いよ。想像力が刺激される。ストーリーテーラーだね、やっぱり。

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著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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