幸福な食卓

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062126731

感想・レビュー・書評

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  • ごく普通の家庭がそれを守ろうとするがあまり壊れそうになる前に、それぞれ、あるがままのかたちで受け入れようとする姿を描く。

    しかし、最後が悲しすぎて…。
    なぜそうしなければいけなかったのでしょう、瀬尾さん!と問いたくなる。

    中学校の国語の教科書にも紹介されていたが、確かに中学生以上向けだと思う。

  • 前半から色々なことがありすぎて、驚きつつもついて行くのに必死でくらいついていたが、すごくいい話でしんみりした。

    両親のこと、兄のこと、兄の彼女のこと、進学のこと、、、など、色々なことが起きる中で、
    大浦くんという彼氏と付き合い、互いに切磋琢磨しながら受験、高校生活と人生を謳歌してきたのに、突然の大浦くんの死は辛すぎる。。。

    もちろん、家族が亡くなるのはすごく悲しいことだが、大好きな人ってやっぱり、他の人とはひと味違うもんね。絶対、私だったら立ち直れない、、、
    辛いな〜と思いながら、前へ進んでいく佐和子に勇気を貰ったような気がする。

  • 泣けた。佐和子と大浦くん、いい感じだな〜と思ってたら突然いなくなってしまって…
    2人も、佐和子の家族も、小林ヨシコもみんな思いやりに溢れた素敵な人たち。
    ひたすら気持ちが落ち込む佐和子にヨシコが不器用にかけた言葉も何だか沁みた。「恋人も友達も何とかなるよ。あんたの努力しだいで。(中略)でも家族はそういうわけにはいかないでしょう?お兄ちゃんの代わりもお父さんの代わりもあんたの力ではどうすることもできないじゃん」「もっと大事にしろって思うし、もっと甘えたらいいのにって思うよ」

    中学生の恋の始まりや、高校生カップルの日常、老人ホームと交流会のための合唱練習がうまくいかないところ等、描写がとってもリアルだと思った。青春の甘酸っぱくキュンとする感じがした。

  • 主人公を取り囲む人々は、とても不器用だけど温かくて思いやりがあって、主人公も読者の私も救われます。
    瀬尾さんの文章は、簡潔で軽やかですっと頭に入ってきます。とても好きです。

  • ちょっと変わった家族の話。ひとりひとり、個性があるがいい味出してんだなぁ。初っ端の唐突さから始まり単なるソフトな破天荒家族の話かと思いきや、徐々に色々な事情が出てくる。暖かく面白く、それでいてしんみりさせる。が、最後はまた暖かさで締める。展開も上手いがテンポも良い。登場人物も好きだわ。非常に気に入りましたわ。

  • 幸福な朝食
     父親が「父さん」を辞めることを宣言。変わった家族の形。
    バイブル
     頭の良い兄は彼女が出来ても長続きしない。なんてだろう…。
    救世主
     うまく行かない高校生活。学級委員とかやりたくないし。
    プレゼントの効用
     クリスマスのために大切な人にプレゼントを送ろうとする。

    主人公は、中原佐和子(中学~高校)。
    兄は頭がめちゃくちゃ良いが大学には行かず、
    農業の道へと歩む。
    父は学校の先生だったが退職し、さらには父親という役割も
    辞めようとする。
    母は一緒に住んでおらず、たまに中原家にご飯を作りに来る。
    けど、一緒に食べることはない。
    そんな家族関係。

    不思議な家族関係だけど、それがまたありそうで、
    すんなり読める作品だったよー。
    佐和子が中学のときに、よく話していた転校生の坂戸くんや、
    塾が一緒だった大浦くん。
    (のちに、大浦くんと佐和子は付き合うー!!)
    佐和子の身近にいる男子がまた、良い味を出してる。

    まったり読める話だなーって思っていたら、
    「プレゼントの効用」でやられた…。
    「えっ!?そんな!?えっ!?えっ!?」と自分の感情を
    揺さぶられたよー。
    正直ショックな話だったけど、でもそこから佐和子が
    未来に歩いていく様子も感じられたから良かった。
    ネタバレなるから、これくらいにしておくよー笑
    とにかく、最初は☆3くらいだっけど、
    最後の最後で☆4にランクUPしましたー!!

  • 予想外に、読み終わったあとの、ずどんって感じがすごい。
    タイトルの「幸福な」っていうのが、救われる気持ち。

  • 淡々と続く生活、様々な出来事、あったあった、私の過去にも!という学生生活を送る主人公。

    友達関係、成績、バイト、兄弟の中で起きるなんともない些細な事件が続き安心しきったそんなラストの章で、突然待ってる落とし穴。

    目の前が真っ暗になりました。

    本当、このまま幸福なままめでたしめでたしかと思ったよ。

    本当。目の前が真っ暗になる。という体験を読者という形で出来る一冊です。

    オススメ!!!

  • 初めて瀬尾まいこさんの本を読みました
    ほんわかした雰囲気で読みやすかった
    救世主の項から特に面白くて、学生時代の懐かしい感じがキュンってした
    兄弟のやり取りが、すごくいい
    この帯に書いてある『大丈夫気づかないうちに守られてるから』ってことば
    自分も周りに守られてるって感じることがある
    家族だったり友達だったり
    あんまり意識した事ないけど
    そうゆう時ご先祖まで自分を守ってくれてるんじゃないかって感じる
    墓参りもたいしてしてないのに都合のいいことかもしれないけど
    後半の大浦君が郵便配達して見送った後に、これが最後だったってことばが衝撃だった
    そのあと佐和子の現実と向き合う時間は感情移入してつらかったけど、
    最後またさっきの言葉が浮かんできて、希望がみえて終わった

    胸があったかくなる物語
    というか周りのひとに感謝してそれを伝えることの大切さを感じた1冊

  • 大好きな映画の原作小説。
    映画とは大きく違っている部分が一箇所あったけれど、そこは映画版のほうがシンプルでいいかな、と思った程度で、小説もやっぱりよかった。

    切なくて痛々しいけれど、温かい。一言で表すと、そういう家族の物語。
    普通って一体なんだろう、って考える。
    周りから見たら“普通の家族”とは言えなくても、その中で過ごしてる人たちにしてみればそれが普通で、周りに良く思われることを一度捨てて自分らしさを追求しはじめた、ある意味身勝手な家族たちを、主人公はすんなり受け入れてる。
    私はこのちょっぴりおかしな家族がとても愛おしいと思う。

    小林ヨシコという登場人物が本当に大好き。彼女が最後の方で放つ言葉が、この物語の肝になってて。
    家族は簡単に作れないけれど、その分、めったになくならない。ということ。
    中学校、高校と多感な時期を過ごしている主人公の佐和子が、傷ついたり転んだり立ち上がったりしながら少しずつ強さを得ていく、少し切なくて力強い物語。

著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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