グランド・フィナーレ

著者 :
  • 講談社
2.89
  • (8)
  • (53)
  • (289)
  • (71)
  • (24)
本棚登録 : 741
レビュー : 155
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062127936

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 読み出し一発目、

    何なんだこの粋ったコテコテの文章は・・・

    とやや苦手意識を抱きそう、いやもうすでにちょびっと抱いとるなこれ、、と思う幸先悪い滑り出し。

    と思いきや途中から免疫がつき、むしろちょっと面白味を覚え始める。「グランドフィナーレ」は構成が面白い。怒濤の長文台詞で章を終わらせる斬新なスタイルが格好良く、決まっている。


    難解でナルシシズムに満ち溢れたこの独特な感じ、これがおそらく阿部和重ワールドなんでしょうなあ。

  • 「文学がようやく阿部和重に追いついた」という帯のコピーは明らかに誇張だと思います。

    しかし、全体的に「普通に面白かった」作品です。「普通に面白かった」という表現への考察はこの際置いといていただきたい。逆に、そうとしか表現できないくらい、読後感として何も残っていない、でもそこそこ面白かったことは覚えている、という作品です。

    物語の主題であるロリータコンプレックスへの現代病的アプローチや、タイトルに込められた隠喩的なものは面白く、主人公の心理描写も、なかなか危ういところで語り手としての均衡を保っています。また、随所に主人公を否定するキャラクタを出すことで、その異常性を際だたせてもいます。

    それなりに練られたキャラクタと構成なのに……やはり「薄っぺらい」物語と思ってしまいました。

    恐らく、後半途中からのラストへ向かっていく部分が、それまでの重層的な展開に比べると若干陳腐に見えてしまうからかもしれません。3分の2までは良かったのに、と思うと残念です。

    でも、あまり気にしなければさらっと読める作品ですので、オススメはできます、はい。

    (2006年読了)

  • ごめんなさい、私、この人とは相性悪いみたいでよくわからなかった...><

  • 「グランド・フィナーレ」これまでの作品とはちょっとトーンが違う感じ。大人っぽい。でもすごく阿部さん。良かったと思う。。主人公の心の変化が自分には共感できたので…。痛みを感じました。

  • 芥川賞受賞作。

  • 結構、期待してた。
    でも読みとれないボクが悪いのか…

    今回のはちょっと残念。

    でも、自分の欲望…。
    他人に隠し続けている欲望…は
    自分でも思わぬところで
    タガが外れることがあるんだろうか…
    と不安に思ってしまった。

  • ただのリバイバル。

  • 映し出される出来事の意味は見る者の記憶に依存する。

    ある性癖とそれに伴う事件をきっかけに社会や家族から見放された人間が、その性癖と向き合いながら新たな生き方を模索する作品、と表現したらよろしいでしょうか。「倫理に悖る行いはダメよ」ということですね。

  • 請求記号:E/913.6/A12
    選書コメント:
    第132回芥川賞受賞作。
    社会的問題を背景に、外からは見えず見せられない複雑な内面がえがかれた小説です。
    (図書館学生スタッフ)

  • 時代と共に生きて、時代を切り取ったような内容の小説のスタイルは村上龍さんのよう。すごくアンダーグラウンドで静かに息をして暮らしている人の感情や生活を上手に描いているように思う。しかしながら、この手の内容を読むとアンダーグラウンドな世界観にわずかながらでもコミットした気がして暗くなる。

  • 最初ら辺の
    「いちいち面倒くさいなこの人」
    って感じの言い回しは割と好きだった。
    (ト)

  • 川上未映子さんの旦那様、阿部和重氏の芥川賞受賞作。なんじゃ、こりゃ。主人公がロリコン。それが原因で離婚され、大好きな娘にも会えない。ちょっとロリコンの方の気持ちが理解できないので辛かった…。芥川賞っぽい作品ではあるかも。私はちょっと苦手だけど。2013/105

  • ストーリーはこれといって面白くもないが、文章が軽妙でリズムが心地よい。

  • 一文足りとも惰性で書いている感じがしない。
    一語一語言葉をより選んで書いた小説といった感じ。
    だからルビが振ってない言葉でさえもゆとり世代には厳しいものもたくさんありましたよ。鏤める(ちりばめる)とか顰め(しかめ)とか読めませんがな。
    でもこれも勉強になって、あー本読んだ!と気持ちになります。
    小難しい文体だけど、ストーリー自体は読みやすい。
    ロリコンという部分をのぞけば、普通の主人公(多分、世の中にいるロリコンの人もロリコンだからって全部が変人というわけではなくロリコン以外は全うな人も多くいる)の思考回路には結構人を笑わせる所があり、次へ次へと読んで行けました。
    東京偏で最後にIが言った「自分に都合がいいふうに解釈してるだけ。いろんなことをね。多分みんな凄く傷ついてるよ。」というはその通りです。
    「あらゆる知り合いや家族たちの生の声にも耳を傾けようとはせずに、こちらが勝手に仮構した各々の人物像にばかり視線の焦点を合わせて適度にコミュニケートした気になっていただけなのだろうか」
    ああ、そうです。こういうことが前提にあるのとないのとでは大きな違いだわ。。。と読んで思いました。

    最後の終わりかたもとても綺麗でよかったです。
    主人公のロリコンで、今までしたことから逃げるわけでもなく、なかったことにすることでもなく、自然なかたちで終わっていて、よかったです。

    他の「馬小屋の乙女」「新宿ヨドバシカメラ」「20世紀」
    「馬小屋の乙女」はとてもショートショートでたくさんの解釈を用意してる話です。
    ちなみにわたしの感想は、「よくわかんない」でした
    「新宿ヨドバシカメラ」と「20世紀」は小説という名の随筆に近い感じです。
    20世紀のホームビデオに対することで「喚起された当時の記憶は映像の欠如を補完する」というのはうんうん。と思いました。ホームビデオは余白が多すぎで、その場に立ち会っていない人には、イマイチついていけないのは、記憶の映像の欠如が原因なのか、、、と思いました。

    がっつり本が読みたいときにおすすめの小説です。

  • 出だしは「ふんふん、これはリノベねー」と思い、愛娘と会えなくなった主人公に同情しておりました。
    ところが、「とんでもねえー!」と激怒!!そりゃあ、自業自得でしょうよ、といった展開でした(苦笑)
    奥さんと娘と別れた主人公は国に帰りますが、劇の指導をして欲しいと頼まれてすることに・・・。
    この作品、全般的にはとんでもないのですが、ラストがとても良かった、というより救われました。
    他にも短編が3本ほど収められており、意外とポップな作風だと思いました。

  • あまり記憶に残ってない。

  • 人間なんてみんな多かれ少なかれアンモラルな生き物だから主人公の性癖を忌避するなんておこがましい。ただ問題なのは対象となる相手が完全に弱者だということ。そういう意味での贖罪の物語なのかな。ただピストルズ既読でその後の展開知ってるからなんとも肩透かしなグランドフィナーレ。意地悪な人です。好きです。

  • 具体名はあげませんが、いくつか疑問が残る芥川受賞作があります。(ご想像ください。)それらとは、一線を画する雰囲気は、出だしからあります。
    多くの阿部和重ファンにとっては、今ひとつ物足らないこの作品も、
    初めての私にとっては、「まぁ。悪くないんじゃないか。」程度にはよかったと思います。主人公のぬいぐるみのジンジャーマンに話しかける情けないロリ男もよくかけていると思いました。欲を言えばもう少し結末にインパクトがほしかったです。この先、どちらにも転んでしまう結末です。(流れからはどちらかといえば善に転びそう?)もう二行足して、読者をたたきつけるような結末だったら、もっと強烈な読後感が味わえたと思うのですがいかがでしょうか?ただ、この人の文章、とっても雰囲気があります。(悪い意味ではありません)他にできのよい作品があるようなので、そちらを読んでみたくなりました。他の作品も読んでみたくなる作家。

  • 登録したはずなのに抜けている。
    そんなわけで思い出しながらレビュー。
    ロリコン親父の悲哀は馬鹿馬鹿しいレベルに達しているし、
    潔いほど自己中な描写で事実を小出しにしていく流れにも
    引き込まれた。
    そこまではさすが芥川賞、という感じで読み進めたが、
    さて、後半のふたりの少女編は必要なのか?
    ここまできたら娘への思いをなんらかの形で
    昇華させる方向で読ませて欲しかった。

  • ロリコン趣味(しかも娘の写真も撮っていたという最悪さ)が嫁にバレて離婚してしまった主人公(37歳)。娘に会うこともかなわず無為に過ごす日々。もう幼女には関わるまいという気持ちでいたのにふとしたことから少女二人と出会う。あることから二人は離れ離れになるらしく、それを苦に彼女たちは自殺を考えているらしい。それに気づいた主人公のおっさんは彼女たちを救うべく。

全155件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1968年生まれ。『アメリカの夜』で第37回群像新人賞を受賞し作家デビュー。’99年『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、2004年に『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞、’05年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、’10年本作で第46回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。他の著書『クエーサーと13番目の柱』『IP/NN 阿部和重傑作集』『ミステリアスセッティング』ABC 阿部和重初期作品集』対談集『和子の部屋』他多数。

「2013年 『ピストルズ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

グランド・フィナーレのその他の作品

阿部和重の作品

グランド・フィナーレを本棚に登録しているひと

ツイートする