- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062128360
感想・レビュー・書評
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近代的な美術館に飾ってある絵のような一冊でした。
この本を読んで、日常生活に生かせる教訓のようなものをくみとる必要はないんじゃないかなと思った。
ただ、その本の中に吸い込まれるように入って、時を過ごして、それから日常に戻ってくる。
そんな本です。
透明感はもちろんありますが、絶えず重たい空気が流れているような気がしました。
その重たさも、いつの間にか心地良くなってしまいます。
とても素敵な本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホテルで女を絞殺してから車で逃走、山奥に進んでいる途中で出会ったのは少年と少女。2人は何者なのか、なぜ人を殺したのか…悩みながら答えも見つからないまま、少女を家に帰す旅が続く。
幻か現か分からなくなる場面が心に残った。
確かに今自分が生きていることが現だという確実な証拠はない。だからこそ、「今」ということを考えなければならないのかなと思う。
もっと社会に、自分に興味をもたなければ。 -
まさに透明な少し不思議な話。
本の装丁も物語にぴったりで、味わいを増してくれる。
生きるということと、死ぬということは、本当に紙一重なのかもしれない。
だから尚更、生かされてここにあることのありがたさを思う。 -
透明で独特なかんじ。自分も主人公のようにやってしまうのでは、という不思議な不安に悩まされつつよんだ。良い作品。
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伊坂幸太郎が書いたのかと勘違いしたくらいです。
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吉行は女を殺した。その帰りかこという幼女と白兎という少年に出会う。かこは虐待されており白兎は兄ではないという。彼らの正体はなんなのか。
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あさのさんの作品は何冊か読んできたけど、今まで読んできたものとは一変したもの。
小川洋子さんの冷めない紅茶などと似たジャンルなのかなと思う。
不思議でなんともいえない世界に連れて行ってくれる本でした。 -
あさのあつこバッテリーのイメージだったから意外!
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再読。白兎の役割が謎めいていながらも、人間的な要素を残しているところが良い。若干ネズミっぽい。
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正直よくわからない。白兎の存在や和子の存在はなんとなく理解できたけど吉行は?結局、人なのか死に向かう人なのかイマイチよくわからなかった。ただ、妻や子供を愛せなかった吉行が和子と過ごすことによって愛おしいという気持ちを持つことができた事はよかったんじゃないかな。