- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062128513
感想・レビュー・書評
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縄文時代の地層の成り立ちから切り取った東京に関する壮大な妄想。僕も歩きながらたまにする。
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縄文時代の古地図と現代の街とが結びつく瞬間、東京は共通した論理で進化してきたように見える。
気になったのは谷間の陰湿界隈=エロチシズム、岬の神通空間、大学と心霊の関係。
見事、面白かった。
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[東京百景] 一景(2007.2.17 115 text)
〜 アースダイバーの見た東京時空 〜
上京して 6 年が経つ。あっという間だったこの日々の中で、幾人もの人と東京の様々な土地を訪れ、大都市の諸相に触れてきた。この同行者のある者は社会人として安定した歩みを始め、またある者は夢を追って外国へ渡り、ある者は大学で研究を続けている。多様な人と体験したこの『東京』という町を、社会人でも学生とも言えない狭間で生きる博士課程の男が見たとき、一体どう映るのか?これを考えてみたい。以前、mixi を用いてテーマのある日記を連載できないかと暖めていたアイデアを試みにやってみる。土地の話、歴史、想い出、書評、映画、科学、随想、何でも自己規制することなく取り入れてみよう。おそらく、『東京』を介して、より大きな何者かを見つめ直すことになるという動物的勘が働いている。
第一景として、東京の時空を眺めてみる。日本列島の東南の隅にある東京の晴れたビル群を前にして、「もし一年ごとにコマ送りの映画のように風景がどんどん巻き戻っていったら、一万年前はどんなだろう?」と考える。高層ビルが次々と消え、家屋は小さく、草が生い茂り、やがて人も消えて、海が迫るだろう。この子供じみた疑問への答えは「アースダイバー」(中沢新一、講談社)にある。この本では、縄文時代の東京の地図を現代と重ねて散策し、一万年も前の古代人の霊的な聖地が、現代の資本主義で動く東京にあっても、なお主要なランドマーク(東京タワー、歓楽街、大学...etc)として息づいていることを軽やかに示している。古代では海が新宿近くまで深く入り込むリアス式海岸で、そのいくつもの岬は神聖な土地として墓地や古墳となっていたという。これを現代に重ねて見ると、神社仏閣、あるいはテレビ局や大学など、遥かな時空を超えて現代にも繋がっている。
一万年近くもの間、地勢の意味合いが連続性を保っていることは驚くべきことである。だがなにより、それほど悠久の時間の中で、あまたの人間が生まれ、育ち、泣き、笑い、愛し、子供を育て、死んでいったという、星の数ほどの人生がこの「東京」と呼ばれる時空を通り過ぎていったことこそ、最も驚くべきことだ。東京時空という大きな枠組みの中にあって、そのひとつひとつを再考していってみたい。これほど多くの人が生きてきた土地が面白くないはずはないのだ。 -
土地の記憶を探るのは、多少眉唾でもものすごく面白いと思います。カラオケとかパチンコとかよりも。
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TOKIOにクローズアップしている点で
非常に面白く読める本。 -
トウキョウの地形。
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銀座とか渋谷の成り立ちが興味深い。景観も、街も、人がつくっているということ。
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都心の電車のなかで読むと面白い。
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洪積層と沖積層という二つの地層の分布を追っていくことで、縄文海進期にどこまで海や川が入り込んでいたのかがわかるらしい。この様子は付属のMAPで見ることができるが、かなり入り組んでいて驚いた。MAPを見ながら本文を読んでいると、つい本を片手に東京散歩に行きたくなる。写真もキレイで、楽しんで読めた。
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土地とその記憶を辿る良質なドキュメント本。考古学的且つ民俗学的な本だが、連載が週刊誌ということで、小難しさはない。自分の立つ土地に古代の人々との繋がりを感じられる。