さよならアメリカ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 70
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062130264

感想・レビュー・書評

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  • 自分にはハマらなかった。
    平坦な波が続くような感じで終わりもぬるーっとしてる

  • 袋をかぶって女とであって、弟は?自分?ラストで絞首刑に?狂っている?オチなし。
    文章自体は一応読みやすい。
    (群像新人賞)

  • タイトルからアメリカがらみの作品かと思ったが、
    「袋男」だった。
    弟と袋女が豹変した時点で話が終わったほうがすっきりしたのではないかと思う。
    後半の逮捕されて精神病院でのできごとは、完成度が低いような気がして。
    弟も袋女も粘土女も結局はすべて袋男の幻想なのか?

  • 不思議な本。

  • 袋をかぶって生活する袋族。

    匿名性を手に入れるために袋をかぶった男。しかし自分が自分であることがわからなくなる。そして袋を脱いで自分が自分であることを証明しようとする。

    そんな矛盾を抱えながら袋男として生活する。

    終わり方がよくわからない。


    樋口直哉を読むのは3作目で、これが一番面白い。筆者はもろに村上春樹、阿部公房に影響を受けているのがわかる。フランツカフカやレイモンドチャンドラーの引用。そしてこの作品が阿部公房へのオマージュ作品であることは言うまでもない。

  • 袋をかぶって生活する男の話。不思議な世界観。新鮮な切り口

  • 落選したものの第133回芥川賞の候補に挙がった作品でもあるのだが、誰もが安部公房の『箱男』との類似を指摘していた。頭からすっぽりと箱を被り、街や人から隔絶して生きる安部公房の「箱男」に挑むかのように、樋口直哉が描いたのは袋を被って生活する「袋男」。どちらも箱や袋を被ることで社会と遮断し、コミュニケーションのとれない引きこもり的な若者を扱っているように思えるのだが、注目すべきところは「袋男」が袋族という同じ仲間を捜し求めているというところだろう。これは箱に閉じこもる(引きこもる)「箱男」と根本的に違っていて、匿名性を利用したネットワークで出合いを求める若者の姿というものをうまく取り込んでいるように思う。「袋男」が「袋女」に恋をするところまではなかなか読ませるのだが、カミュの『異邦人』と村上春樹の『ふしぎな図書館』を思わせるラストは帳尻合わせのような気がして脱力してしまった。ところで手記のような形でこちらに語りかける文体の中で違和感を放つ比喩表現。この違和感というのが斬新だとかきちがいじみたというわけではなく、下手くそなのだ。下手くそという言い方はあまりにも失礼だと思われるかもしれないが、今時ポップスでも使わないだろうと思われる(悪く言えば)幼稚な表現がずらりと並んでおり、読んでいるこちらが歯がゆくなってしまう。しかし早大卒の物書きが多い中、樋口直哉という人はその略歴を見ると料理人らしい。さっき私は匿名性を利用したネットワークと言ったが、ブログというものもよくよく考えてみれば個人の袋みたいなものなんじゃないか。

  • 一見ゲテ小説ですが、まあ群像の新人賞をとるのは納得。紙袋をかぶりながら生活する男の話なんですが、紀伊国屋の紙袋もなかなかかぶりやすいと思います。

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著者プロフィール

作家・料理家。1981年生まれ。服部栄養専門学校卒業後、料理教室勤務や出張料理人などを経て、2005年『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。同作は芥川賞候補になる。作家として作品を発表する一方、全国の食品メーカー、生産現場の取材記事を執筆。料理家としても活動し、地域食材を活用したメニュー開発なども手掛ける。『ぼくのおいしいは3でつくる―新しい献立の手引き』(辰巳出版)、『もっとおいしく作れたら』(マガジンハウス)、『低温調理の「肉の教科書」―どんな肉も最高においしくなる。』(グラフィック社)など著書多数。

「2023年 『樋口直哉のあたらしいソース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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