日曜農園

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 62
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062131223

作品紹介・あらすじ

忽然と姿を消した父が残した畑とホームページ。萌は父をさがして、農園に立った。しずかな悲しみと再生の物語。第131回芥川賞候補作。

感想・レビュー・書評

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  • 野菜や草花のようにシンプルに手をかけただけ育つのは人間にとって難しい。
    家族でも分かり合えないことはある。
    失って初めて同じものを見て感じたいと本気で努力できるのかも。
    楽しい話だと思ってたので予想を裏切られました。
    でも間違いなく強く生きていける。

  • 父の言葉、<>と()が混在する意味?
    あ、()は発語ではなかった。
    「自分はこの世のなにものとも関係がない、と言わんばかり」の笑顔を作るのが得意な母と、「シカトしてるのにお辞儀をしているようにも見える」仕草の得意な娘。
    うーん、しっくり来る前に終わってしまった印象。登場人物は増やさず、もうすこし厚みが出ないか?たとえばみみずやちょろのすけの周囲からの輪郭(ブログ、隣の畑の人…)をもっと冗長にするとか。

  • 失踪した父親が残していた市民農園の敷地と、運営していたホームページ。
    娘の萌は父に代わり市民農園で野菜を育て、ホームページを更新する。
    そうして娘と妻は、いなくなった父親を少しずつ知っていく。

    静かな物語で、ドラマチックなことは起こらない。
    淡々と続いていく日々のなかの、ほんの小さな心の成長という感じ。

  • 突然失踪した父親が借りていた市民農園を耕す萌が主人公。
    家のPCに残された父の農作業の記録が書かれたHPを触り、放置されていた荒れた畑を手入れして作物を植え収穫をし…と季節は過ぎます。その間に畑を借りている人から聞く父の姿は家では想像も出来ないもの。
    一緒に農作業をしていた若い娘、家では作られた事のないであろう沢山の案山子…知らないことばかり。
    父の二重生活とも言える姿は萌にはどう映ったのだろう?と思います。
    父を溺愛し縛る祖母と自己完結の母、この息苦しさは失踪の一因だったのではないでしょうか。気が弱い事も文中に仄めかされていましたし。

    農園の人たちは好感を持てる人が多かったのですが、祖母と母の行動や考えがちょっと薄気味悪くてあまり良い読後感はありませんでした。

  • お父さんが失踪し、母娘が残される。父が借りていた市民農園を通して父の足跡を探す娘。皆が少しずれていて、何とも言えない不協和音が聞こえてくるようだ。
    父の行方がどうしたのかは半ばくらいでふと理解してしまった。

  • 突然失踪した父親が残した農園。そして、みみずやちょろのすけこと父親が運営していたHP。

    農園の作業、畑仲間との交流、そしてHPを通して知る、これまで全く知らなかった父親の一面。


    土の中で育ち、日の光をあびて育つ植物の姿が、少しずつ再生へと向かう主人公、その母親と祖母の姿に重なる。


    喪失を感じさせながらも、その悲しみを知らず知らずに受け止め、そしてその上に初めて現れる光、希望。
    静かな再生とはこういうものなのかもしれない。

  • 父が突然失踪し、娘と母で暮らし、娘は父が野菜を育てていた畑を継ぐように最初はそのような気もなかったけど自分の手でいろんな野菜を育てていく。母と娘はいつか父が帰ってくると思って日々暮していました。結局、父がどうして失踪したのか、どこに行ってしまったのかは最後までわかりませんでした。私としてはそこの点がちょっとモヤモヤです。最終的に何が言いたかったのか…頭を悩ませる本でした。でも、娘は父の書いていたHPを見たり、農家の人に話を聞いたりして自分の知らない父の話を聞いたり…父を知ることの大切さを表しているのかなと思いました。

  • 文芸誤報掲載
    シビアな設定なのに、どこかしらほのぼのした
    雰囲気が良い感じ。

  • 突然いなくなったらしい父親の代わりに、市民農園に励む娘と体力づくりに励む母の物語。
    これといってドラマはないが、農園をめぐる人たちの描写と父を想う娘の心理描写がいい。いなくなって分かることってあるし。

  • 読んだ後、爽やかには思わないけれど、どこか爽快な感じがする。

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