- Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062131223
作品紹介・あらすじ
忽然と姿を消した父が残した畑とホームページ。萌は父をさがして、農園に立った。しずかな悲しみと再生の物語。第131回芥川賞候補作。
感想・レビュー・書評
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市民農園を舞台にした小説に興味があって手にしたけど、いろんな意味で予想を裏切られた。
全て読んでも、うーん、よく掴めない。
非現実的なふわふわした部分と、妙に現実的でリアルな部分が混ざり合っていて、独特な物語。
ちょろのすけの〈ここでわたしはたくさんの生命を創造する。生まれて初めて、地球の営みに参加できる気分でした。〉という部分は共感できた。 -
野菜や草花のようにシンプルに手をかけただけ育つのは人間にとって難しい。
家族でも分かり合えないことはある。
失って初めて同じものを見て感じたいと本気で努力できるのかも。
楽しい話だと思ってたので予想を裏切られました。
でも間違いなく強く生きていける。 -
失踪した父親が残していた市民農園の敷地と、運営していたホームページ。
娘の萌は父に代わり市民農園で野菜を育て、ホームページを更新する。
そうして娘と妻は、いなくなった父親を少しずつ知っていく。
静かな物語で、ドラマチックなことは起こらない。
淡々と続いていく日々のなかの、ほんの小さな心の成長という感じ。 -
お父さんが失踪し、母娘が残される。父が借りていた市民農園を通して父の足跡を探す娘。皆が少しずれていて、何とも言えない不協和音が聞こえてくるようだ。
父の行方がどうしたのかは半ばくらいでふと理解してしまった。 -
父が突然失踪し、娘と母で暮らし、娘は父が野菜を育てていた畑を継ぐように最初はそのような気もなかったけど自分の手でいろんな野菜を育てていく。母と娘はいつか父が帰ってくると思って日々暮していました。結局、父がどうして失踪したのか、どこに行ってしまったのかは最後までわかりませんでした。私としてはそこの点がちょっとモヤモヤです。最終的に何が言いたかったのか…頭を悩ませる本でした。でも、娘は父の書いていたHPを見たり、農家の人に話を聞いたりして自分の知らない父の話を聞いたり…父を知ることの大切さを表しているのかなと思いました。
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文芸誤報掲載
シビアな設定なのに、どこかしらほのぼのした
雰囲気が良い感じ。 -
突然いなくなったらしい父親の代わりに、市民農園に励む娘と体力づくりに励む母の物語。
これといってドラマはないが、農園をめぐる人たちの描写と父を想う娘の心理描写がいい。いなくなって分かることってあるし。