おまかせハウスの人々

  • 講談社 (2005年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062131490

みんなの感想まとめ

近未来を舞台に、日常生活に溶け込んだ先進技術を通じて人間関係や家族の絆を描く短編集です。幼児型ロボットやナノマシン、相手の本心を探る機械など、少しだけ新しい発明品が登場し、登場人物たちはそれぞれの悩み...

感想・レビュー・書評

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  • 近未来、メンタリティはさほど違わないが少しだけ新しい発明品とかがある世界の日常(特に家族関係)を描く短編集。▷ロボットを子育て/相手の本心がわかる機械/悪意という名の異常プリオン/色彩を取り戻せる薬/全自動住宅のモニター住人。▷軽快な話かと思ってたらちょっと違ってた。ほんの少しだけ負荷を与えられるタイプの小説が好きな人によさそう。

    【純也の事例】幼児型ロボットである純也の里親になった夕香は子育ての喜びと戸惑いを抱いている。
    【麦笛西行】西行を支えにしている嘉継は、自分の鈍感さをカバーするため、相手の本心がわかるという玩具のような「ダミー・フェイス」を使い始めた。
    【ナノマシン・ソリチュード】慢性病の治療のためナノマシンを体内に入れている小枝子の心は満ち足りている。《寂しい人は、優しくしてもらうことに慣れていない。》p.103。《埋め込み型ナノマシンは見えないというところに価値があるんだと思うの。》p.117
    【フード病】「フード病」と軽く呼ばれるがかなり怖い元「BSE」で姑を亡くした聡子に植えつけられた「〈悪意〉という名の異常プリオン」。
    【鮮やかなあの色を】人生からも視覚からも色彩を失っていく中で友人から色を取り戻せる薬をもらって飲んでみると。
    【おまかせハウスの人々】試験運用を始めた全自動住宅のモニターであるお客様対応担当の社員、博也は家族のために仕事はしたくないが励んでいる。

  • AIや人型ロボットやナノロボットなどが生活の一部になってる近未来小説の短編集。2005年出版だけどまだまだ遠い未来だな。面白かった。

  • 「鮮やかなあの色を」が良かった。
    前向きなのにどこかほの暗い話が多かった気がする。

  • 近未来型短編集。
    ロボット里親制度の「純也の事例」、家事全般お任せの「おまかせハウスの人々」が面白かった。
    ペットロボット、介護ロボット、家事ロボットなど実現したらいいな。
    (図書館)

  • 話しとしてはおもしろい。でも・・本当にこんなに「ロボッット」「機会」が入り込んできたら・・こわいなあ・・。ドラエモンはかわいいけれど、やっぱりこわいなあ・・・。って、一昔前までは携帯・スマヘなんて考えられなかったから・・現実になるかも・・おもしろいなあ・・でもこわいなあ・・。

  • いやあ、面白いっ! これはいい!
    SF設定の短編集だけれど、その実中身は人と人との関係性が書いてある。
    内訳は
    1.ロボットの短期里親:初めはなんのことだかわからなかったし、主人公の母親にも納得いかなかったけれど、話がつつむにつれてどんどん引き込まれていく。ラストなんて感動もの! 一気にこの短編集に好感を持った。
    2.人心を読む携帯用機械:正直場を盛り上げたりするの、わたしも得意じゃないからこの主人公の気持ちはよくわかる。というか、形状だけだったら別に大したことないじゃない、と思うけれど疾しさやばれることへの恐怖ってあるよね。ちょっと笑ってしまいながらも、笑えない設定だった。面白い!
    3.ダイエットや健康用の体内埋め込み型ナノレベルの機械:これまた正直何のお話、と思ったんだけれど。うーん…。なかなか深いわ切ないわ。孤独な人がペットにぬくもりを求めるように、彼女はナノレベルの機会を可愛がる。しかしそこには大きな爆弾があった。
    4.食事によって引き起こされるフード病:自分が作った手料理のせいで義理の母親が死んだ、なんて言われてしまった主人公。世の中さ、結婚して太る男性諸君は妻の手料理のせいとみられるのは微笑ましいとして。これはきついぞ。身内から攻められたら、ショックで狂信的になってしまっても仕方がない。最後にちょっと仕返し気分が入るのなんて、もうステキ!
    5.鬱と色の関係と鮮やかな色彩を与える薬:うわ、この話も好き! どんよりとした世界よりも美しいものを見たい、と思うもの。空だって灰色よりかは青い方がいい! 例えば塞いでるとき読んだ本は、どんなに傑作でも心から楽しめないことがある。でもそこでとてもきれいな何かを見れば、多少は気が晴れるんじゃない? 視覚と心の関係、それが一つの薬を通してくるっていく。おお怖い。でも面白い。
    6.家事システムが搭載された家:表題作でもあるこのお話。おっもしろい…! 便利な世の中って誰もが求めるところ。機械が進化するにつれて、同時にその機会に対応するため、人間の方が振り回されることもある。ほら、スマートフォンだって慣れるまで多少の時間がかかるでしょう? 「おまかせハウス」は自動掃除機能等々がついた、理想的な住環境を提供する家。しかしモニターに選ばれた人々は曲者ぞろいで、主人公は憂鬱な日々を送る。それでも家族のために、いい加減な上司や曲者な住人たちに立ち向かう。
    なんていうかね、皮肉ってスバラシく甘美なスパイスだわ…! もうね、笑ってしまった! いいじゃないこれ。

  • 少し近未来的なお話だった。表題のほかに5つの短編もあって読みやすかった。私が、一番良かったのは「純也の事例」ってやつ。


    夕香の息子の純也は、出来が良く、通っている幼児教室のなかではいつも成績優秀だった。素直で優しい子。しかし、純也は開発されたロボットだった。実験的に作られたそれらは、人間の幼児たちと同じ環境へ出される。夕香は、ひとり親家庭の枠で、試験者になり純也と家族ごっこを行っている。そんなある日、夕香のもとに成績優秀者に出される早期変換許可書が届く。それは、夕香にとっては幸せな毎日が終わってしまうという残酷な許可書だった。



    基本的に、この短編たちは「家族」がテーマになってる。
    近未来で、ロボットが何でもやってくれる世界で、色々みんな悩む。
    もう少し未来の世界は、こんなかんじになっていて、みんな似たような悩みとかもあるのかもしれない。

  • SFは読まないけど、この人のは別。
    食品添加物の話が面白かった。

  • いましも実現しそうな最先端技術が実際のものとなっている近未来社会。そこでも人間はやはり人間のまま、各々が各々の在り方を求めてもがいている。どんなにハードが充実していても、いや肉体的物質的に充実するほど精神世界へと埋没しがちな私たちを、著者はうまく描き出しているようだ。今でさえ便利で快適な暮らしを手に入れながら、つらい心でしか生きられないというのにおまかせハウス(カスタマイズの必要のほかはほとんどの家事を家がやってくれる)に住んだりしたら、いったいどうなるのだろう?

  • ちょうどこの本の前に読んだ同著者の「プレシャス・ライヤー」と共に、古き良き時代のSFの香りを感じた。
    どうしてそのような印象を感じるのだろう、と考えてみると、最近一般的にSFと呼ばれる作品群には、SF(=科学的虚構)はただの道具立てで、作品のテーマや内容はミステリだったりアクションだったり、歴史ドラマだったりする作品が多い(要するに、広義のSF)のに対し、「プレシャス・ライヤー」「おまかせハウスの人々」はSF(=科学的虚構)を描くことそのものが作品の主眼になっている(つまり、狭義のSF)からではないだろうか。

  • 菅さんの描く近未来はとても素敵だ。

    科学技術が進んで、どんどん便利になり、わからないこと、矛盾点が無くなっていく。
    しかし技術を使う人間は迷ってばかり、矛盾ばかり。

    舞台は夢のような未来の世界でも、登場人物はみんな凡人だ。だからこそ、技術が進んだ未来も、そこで暮らす人々の悲しみも喜びも、よりリアルに感じられる。

  • 久しぶりに小説を読んだ。近未来、といったお話でした。
    面白かった!

  • 人、機械、依存がキーワードな短編作品。ありそうで、でも、なさそうな内容が良いと思いました。

    ううーん。1つの作品を掘り下げて書いてくれた方が、いいかなぁ、、、。

  • 2010.2
    SF短編集。
    でも現実もそうそう変わらないような。
    こんな世界があっても不思議じゃない気がした。

  • ロボットの里親制度について書かれた「純也の事例」。人の気持ちがわかるようになる機械を使った「麦笛西行」。薬の代わりに体の中に入り込んで体を整えてくれる話、「ナノマシン・ソリチュード」。あながちあり得ないともいえない食品問題を扱った「フード病」。鬱病と色彩との関係を論じた「鮮やかなあの色を」。全自動住宅に住むモニターの「おまかせハウスの人々」。の6編。
    テーマは「家族」らしいが、SFのようで、利便性や機械化の裏にある人間性からの乖離や、現代科学の持つ危うさがひしひしと伝わってきて恐ろしい。
    2009/10/12

  • 2/27 イチオシは「鮮やかなあの色を」。

  • ブラックユーモアSF小説、みたいな。
    科学の少しだけ発達して世界でのこまごまとしたお話。結局は人のぬくもり、とか、人の限界、とかに話が行き着く。面白いんだけど、どれもみんな後味が悪い。。。中途半端に味の濃すぎる料理を食べて、胃がムカ…って感覚に似ているような。

  • 2007.10. 菅さんの書くSFは、どこか悲しみを持っていると思う。近い将来にありそうなこと、ロボットが生活に混ざりこんでいて、ちょっと歪んでしまったりする人の感情が、ありありと見える。「純也の事例」が1番良かったよ。そうでなくっちゃ、人間じゃないよね。

  • 「純也の事例」だけ、すごく好き。

  • 菅浩江はどれを読んでもハズレがない。
    女流作家特有の読みやすい短編集。
    でも一晩寝ると内容忘れるかも。

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著者プロフィール

1963年生まれ。SF作家。2015年、『放課後のプレアデス みなとの宇宙』のノベライズを上梓。他の著作に『おまかせハウスの人々』『プリズムの瞳』など。本作がはじめてのビジュアルブックとなる。

「2016年 『GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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