生協の白石さん

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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062131674

感想・レビュー・書評

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  • 【再読】
    生協の白石さん
    2005.11発行。字の大きさは…中。

    皆様の本棚で見て、あぁ…この本…、また読んでみようと思って、図書館から借りて来ました。少し読むと引き込まれて行きます。十何年ぶりですが、また楽しめました。

    小金井に有る東京農工大学の生協職員の白石さんが、生協への要望などを書く「ひとことカード」に書かれたものに、ユーモラスに答えたものを書籍化したものです。

    読んでいたら、笑えるし、癒されます。
    カードを見て、自分でも、どう答えようか考えるのですが、白石さんには及びません。
    読み終って、若い人たちに接しているような気がしてきます。
    そして何か、体の中に風が吹き抜けていくような気がします。

    「ひとことカード」の中から、私の好きなものを書いておきます(^-^)
    《生協への質問①》
    拝啓白石殿
    最近悩んでいるのですが、同じ学科にある女の子が気になってしかたありません。
    声をかけたいのですが、自然な話題はどんなものでしょうか。
    「所属」…… 「お名前」匿名希望

    《生協からのお答え①》
    人生経験の浅い私に妙案が浮かぶはずもなく、帰って父に聞いて見た所、悩んだ挙句、巨人戦の話題はどうか、と提案していました。昭和の男です。
    しかし、考えてみると、この掲示板に貼り出してしまうと、相手の娘にもう作戦、バレバレですよ。
    恋は駆け引きの内が醍醐味です。
    オリジナルで楽しんでみてください。
    「担当」白石

    質問も質問ですが、回答がとても良いですね(⌒-⌒)ニコニコ…

    《生協への質問➁》
    愛は売っていないのですか……?
    「所属」…… 「お名前」地中海性気候

    《生協からのお答え➁》
    どうやら、愛は非売品のようです。
    もし、どこかで販売しているとしたら、それは何かの罠かと思います。
    くれぐれもご注意ください。
    「担当」白石

    これも、いいですね。
    質問も質問ですが、こんな回答は、私には出て来ません(⌒-⌒)ニコニコ…
    2020.08.28読了

  • 素敵。
    学生の品のない質問にも共感してしまった笑
    思い出と、酸っぱい後悔とが自然と胸に湧き上がってくる。

    もう一度やり直せるなら〜、なんてよく言いあったりするけど、そうねえ、ガチに中学生くらいの骨格をつくる所から出直したいな。
    そうすれば卒論がもうちっとはマシに(省略)

  • 真正面から受け止めず、しなやかに受け流す心の余裕。
    どうしても真面目に答えてしまう自分には思いつかない回答。こういった人間になりたい。

  • こないだ図書館行ったとき目に入って、懐かしいと思って借りてきた。
    流行った当時も読んだ記憶があるのだけど、プロ野球チップスのやり取り以外はほとんど覚えてなかった。笑

    大学生協に設置してある、一言カードボックスに入れられた学生たちの言葉に、白石さんが答える。
    ユーモアやセンスたっぷりで、話題になったのも今更ながら頷ける。

    字によるやり取りだけじゃなく、会話も抜群に上手い人がいて、頭の良さや回転、ユーモアセンス、会話の組み立て方(話す順序が違うと全然違うものになったりする)、そして何より相手の言葉に耳を傾ける心の余裕があるかないか、というのがとても重要になってくる。
    私も話すことは仕事のひとつなので、素敵なやり取りが出来るようになりたいと、この本を読んでいて改めて思った。

  • 図書館をプラプラしていたら見付けたので、
    今さらながら読んでみたけど、、、
    読みながら、ずっと思ってたのが
    「白石さんズルい!」
    である。

    このセンスはズルい。
    この絶妙さはズルい。
    この外し方はズルい。

    東京農工大の生協(売店)に『ひとことカード』という生協への意見・要望を書くカードがある。
    それに返事を書く、生協担当職員が白石さん。

    で、その返事がめちゃくちゃ面白い!という事でネットで話題になり、
    本にまでなったのが、この『生協の白石さん』だ。

    白石さんのひとことカードの返事はベースが物凄く真面目で、
    真剣なのに笑える。
    『粋』とか『洒脱』って言葉がよく似合う。

    例えば、
    「はがねの剣 100本」というご要望(?)に
    「申し訳ございません、100本はおろか、
    1本たりともお取り寄せできません。
    銃刀法違反等に触れるおそれもありますので、
    ご購入は断念された方がよろしいかと思われます。」
    と、返信している。

    ちなみに『はがねの剣』とは 、かの有名なドラゴンクエストというゲームに出てくる、武器の名前。

    普通の(?)大学生協なら返事をせずに破棄、 いいところ「ございません」といった回答だろう。

    でも、白石さんは真面目に『一捻り』した回答をする。

    その『一捻り』の捻り具合が、センスとしか言いようがない。

    楽しい回答が続いたからなのか、白石さんと学生さんとの『洒脱比べ』的になってきたような質問がある。

    「愛は売っていないのですか?」
    「どうやら、愛は非売品のようです。
    もし、どこかで販売していたとしたら、
    それは何かの罠かと思われます。
    くれぐれもご注意下さい。」

    など。
    私だったら頭を捻りまくっても
    「申し訳ございません。
    こちらの生協では、取り扱っておりません。
    どこかで販売していたら、教えて下さい」
    くらいしか書けない。
    『何かの罠』という日本語センスが上手い。

    どうやったら、こんなセンスを身に付けられるのか?
    普段から、頭を柔らかくしていないと難しいと思う。

    忙しい時、辛い時、人はつい狭窄的になるけれど、白石さんのような『余裕』が欲しいなと思う。

    最後に、お気に入りのひとことカードを。
    「ロックの三大要素を教えて下さい。
    ↑200字以内」
    「焼酎・梅酒・ウイスキー。
    200字も使わず失礼致しました。」

    ズルいな。

  • 結構前だけど話題になり覚えていた「生協の白石さん」。
    読み終えて一番びっくりしたことは白石さん、男性だったんだ…!!!!ということ笑。自分の大学生協もそうだったけど、職員さんはほぼ女性しか見たことがなく、「生協」というイメージからも勝手に女性だと思っていた。実際に世間では「おばさん」だと思われていたとのこと。表紙のイラストも男女どちらともとれる巧妙なトリミング…と見返していて思ったけど、よく見たら著者名に「白石昌則」とちゃんと書いてありましたね。笑

    それと白石さんは農工大の生協の方だったのだなぁ。
    ほっこりした回答と、どんなコメントでも受け止める度量、生協の商品に繋げる機転が効くところが、読んでいて面白かった。
    自分の大学にも「ひとことカード」はあったはずだけど、見た記憶すらない。勉強でもプライベートでも悩み多い大学時代に、キャンパスにこのような癒しの空間があったらそりゃあ人気出るだろうな。

  • こんな本もあって、いいんだよね。
    塵も積もれば山となる という言葉があるが、
    要望及び質問に対して、真正面に向き合い、誠実に答える。
    そのことで、さらにユニークな質問がくる。
    要は、質問力がポイントで、
    それを、白石さんが、サラリと回答をする。

    生協でできることとできないことをはっきりさせて、
    誠実な返事が、何とも言えない雰囲気をかもし出す。
    なんか、温かいのだね。人のぬくもりがある。

  • 生協が学生の要望を聞くための「ひとことカード」掲示板。
    全国の生協でその取組みが行われているが、2005年に東京農工大学の「ひとことカード」が急に注目を集めた。
    それは、職員である白石さんの、面白い回答ガネットで紹介されたからだ。
    例えば商品に関係ないコメント「愛は売っていないのですか?」というのに対し、「どうやら、愛は非売品のようです。もし、どこかで販売していたとしたら、それは何かの罠かと思われます。くれぐれもご注意下さい。」と返しています。
    白石さんのユーモアセンスに癒されます。

  • ○生徒に柔らかいコメントを返す場面がある方
    ○「デザート的な本」をお探しの方
    ○頭が固くて困っている方
    以上のような方におすすめできます。

    図書館で見つけ「懐かしい(読んだことないけど)」&「生徒の振り返り日記に面白いコメントを書きたいなー」と思い借りて読みました。
    そもそも大学生が半分ネタ的に書いてきた「ひとことカード」の内容が面白い。中学生の日記に返事をするのは内容や難易度が違って当たり前だった。

    しかし、
    ・表面だけでなく相手の真意を探る
    ・前向きなユーモアを入れる
    ・自分の職務を忘れない
    など、アイディアをもらえました。

    おまけで、1日でサッと読め「読書もして、いい週末だったな」と思わせてくれて感謝です。

  • 白石さんのファンになりました。非お店の投稿を小手先で絶妙にかわす感じにしびれます。図書館なのにクスクスさせてもらいました(^^)♡特に「ロックの三大要素を教えて下さい」と「仙豆がほしい」の回答には、面白すぎて涙がでました。学生時代にこんな方と少しでも交流できる学生は幸せですねっ♪( ´▽`)

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