地球遺産巨樹バオバブ

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062131872

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  • バオバブ=星の王子さま


    ずっと気になっていたので
    この本に出会いました。


    独特の形が何ともいえない。

  • 写真・吉田 繁
     1958年東京生まれ。広告・雑誌・PR誌などの仕事のかたわら、1990年頃から巨樹を中心に自然写真を撮り続けている。

    文・蟹江節子
     長野県生まれ。自然・アウトドア関係の書籍、雑誌を中心に執筆。

    ブックデザイン・清水 悟
     1969年神奈川県生まれ。広告制作会社勤務を経て、シミズ・デザイン事務所を設立。

    マダガスカルのバオバブ分布域
    アフリカのバオバブ分布域
    オーストラリアのバオバブ分布域
    バオバブの花、実、種
    「星の王子さま」のバオバブ
    マダガスカル島
    アフカ大陸
    オーストリア大陸
    その名は「バオバブ」
    バオバブを日本で育ててみよう
    バオバブQ&A

    写真集なので、勿論写真が美しい。
    そのうえで、バオバブの生態や人とのかかわりや、その土地ことまで、解りやすく書かれていると思います。

  • いつかチャンスが訪れたら、マダガスカルに行きたい♪

  • 元気がないときに見る写真集。リセットされます。

  • バオバブと聞くと、多くの人が、サン=テグジュペリの『星の王子
    さま』の中に出てくる、「小さな星を食べ尽くす意地悪なバオバブ」
    のことを思い起こすかもしれません。かく言う井上もその一人で、
    子供心にも「バオバブ」という名前の不思議な響きと独特の姿は忘
    れ難く、まだ見ぬ遠い国に対する憧れをかきたてられたものです。

    今週おすすめする一冊は、そんなバオバブの姿にとりつかれた写真
    家が、マダガスカル、アフリカ、オーストラリアの地にバオバブを
    追った魅惑的な写真文集『地球遺産 巨樹バオバブ』です。

    本書で初めて知ったのですが、バオバブは、とても古い起原を持つ
    植物のようで、まだアフリカや南極や南アフリカに分裂する前のゴ
    ンドワナ大陸の忘れ形見だそうです。年輪がないため正確な樹齢は
    わからないのですが、現存する巨木の中には、3000年くらいのもの
    もあると言いますから、人類発祥の地のアフリカで、人類の歴史を
    見つめ続けてきた樹木といえるでしょう。バオバブの木に何ともい
    えない親しみを感じてしまうのは、私達の細胞の記憶にこの木の姿
    が刻みこまれているからかもしれません。

    独特のユーモラスな形は、乾燥地で生きていくための進化の結果で、
    太い幹の中には、タンクのように水が詰まっているそうです。この
    ため、木材としては使い途がなく、切るとすぐに土に還ってしまう
    とのこと。しかし、木材以外は有用で、葉や実は食用になりますし、
    樹皮は素材や薬用として利用されます。神の宿る聖なる木としても
    愛され、大切にされてきた存在だそうです。

    木材としては使えないけれど、生きている限り人に恵みをもたらす
    バオバブは、だからこそ、何千年もの間、人類と平和に共存してこ
    れたのでしょう。木材としての価値がないからこそ、伐採されるこ
    とを免れ、存在そのものを丸ごと愛されるようなあり方が可能にな
    った、とも言えます。生命という存在は、何か一つの価値に還元さ
    れない時に、真に豊かな関係を紡ぎ出すのではないでしょうか。

    バオバブの姿を見ていると、この世界は本当に不思議だなあと思い
    ます。バオバブは「神さまが逆さまに植えた木」と呼ばれるそうで
    すが、普段、当たり前と思っていることも逆さまにしてみると全然
    違うものに見えるように、バオバブの姿には、世界の見方を転倒さ
    せてしまう力があります。そして、人間が常識と思っていることの
    多くは、地域限定の、根拠のないものなのだということをつくづく
    思い知らされます。

    大人になると忘れがちな「センス・オブ・ワンダー」を思い出させ
    てくれる一冊です。是非、ご覧になってみて下さい。

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    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    バオバブは約3億年前から1億年前まで南半球にあったとされる超
    大陸ゴンドワナの忘れ形見だとも思われていた。

    マダガスカルではバオバブのことを「レニアラ」と呼ぶ人が多い。
    レニは森、アラは母、レニアラとは「森のお母さん」という意味だ。
    (略)この国には肝っ玉母さんのように頼りがいがあって、恰幅の
    いいお袋さんが多いから、こんなふうに呼ぶのかと思ったら、そう
    ではないらしい。バオバブが人々の暮らしに果たす役割がとても大
    きいからなのだ。
    地域によってバオバブの利用法はさまざまだが、聞くところによる
    と100ぐらいはあるというから驚きである。

    バオバブはまず存在そのもので神様さまのような役割を果している。
    「サクレ」と呼ばれている聖なる木で、人々はこの木にお供えをし
    て、シャーマンに頼んで子宝や病気の回復を祈る。サクレになって
    いるバオバブはそれこそ大事にされていて、勝手に近づいてはいけ
    ないものまである。

    聖なるバオバブが神々しいのは、そうした多くの意識が注ぎ込まれ
    ているからなのかもしれない。人が自然の樹に感謝し、祈りを捧げ
    るときにサクレは神々しさを増し、人が意識しなくなった途端に木
    は単なる倒木に変わる。

    やっぱりバオバブは魅力的だ。木というより、ユニークな姿をした
    動物のようでもあり、すごく親しみが湧いてくる。

    倒れてしまうとバオバブは本当に土に還るのが早い。大きな木でも
    2年経つと跡形もなくなるという。

    ふと気づくと、大地や水、風や雲、木々や動物たちの美しさを実感
    し、そのなかに僕もいる。バオバブを探す旅は実はそうした周りの
    空間の美しさを体験し、そこに生きている喜びを感じることなのか
    もしれない。バオバブを探すこととは結局そういうことなんだ。

    動くことのできないバオバブは、自分の子孫を残すために自分の種
    をだれかに託さなくてはいけない。それは動物でもいいし、昆虫で
    もいい。水の流れだっていいのだ。決して大きな川ではないが、川
    に沿ってバオバブはかなり遠くまで生育地を広げている。

    バオバブにはとにかくいろんな呼び方があるが、バ・オ・バ・ブと
    誰かが口に出すたびになんとなく周囲が明るくなる。そんなバオバ
    ブという名前がいちばんこの木らしくていいと思っている。

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    ●[2]編集後記

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    子どもというのは、本当にキャラクターが好きですね。3歳を目前に
    した娘も、アンパンマンやミッフィーやプーさんが大好きです。

    昨日は娘用の水筒を買いに行ったのですが、娘が欲しがるのは、や
    はりキャラクターの絵柄がついたものです。子ども心をくすぐるに
    は手っ取り早いですから、子ども用品にキャラクターが氾濫するの
    はわかるのですが、ただ絵をつけていればいい、というような安易
    な姿勢の商品が多いので困ったものです。

    そもそも「子どもだからキャラクター」という発想が気に入りませ
    ん。これでは、子どもの美意識があまりにもないがしろにされてい
    ます。子どもにだって美は理解できます。むしろ、感覚で判断して
    いる分、大人より鋭いと思うこともしばしばです。美術館に行くと、
    それはとてもよくわかります。

    昨日は久しぶりに家族で東京都現代美術館に行ったのですが、娘が
    気に入った作品の一つにヤノベケンジの「ジャイアント・とらやん」
    がありました。これは子どもの顔をした巨大なロボットで、実際に
    動きますし、まさにキャラクターとして子どもに愛される条件を備
    えています。気に入るのは当然です。

    しかし、ロボットと同等以上に娘がはまったのが、トビアス・レー
    ベルガーの「母型81%」という作品です。これは、カラフルな色と
    断続的な空間構成が特徴の抽象的な空間なのですが、娘はいたく気
    に入り、何度も空間の内外を走り回っては、喚声を上げ、満面の笑
    みで作品に飛びついて行くのです(当然、怒られましたが・・・)。

    「母型81%」は、大人でも理解が難しい現代美術です。しかし娘はこ
    の空間の面白さ、美しさを直感的に把握していました(ついでに言
    えば大竹伸朗の作品も気に入っていました)。だから、子ども用品
    も、安易にキャラクターに頼らずに、こういう面白さや美しさを追
    求したら良いと思うのです。子どもの感性を育むのは、キャラクタ
    ーのわかりやすさと画一性ではなく、アートのわかりにくさと多様
    性です。子ども用品メーカーは、アーティストと商品開発をしたら
    良いのに、と本気で思っています。

  • バオバブの種類、国別いろいろ載ってる。最後にバオバブの発芽のさせ方がわかりやすく記載されている。
    バオバブに魅了されてしまう写真集。

  • (図書館本)バオバブのある光景を捉えた写真に昔から魅かれてきました。そんな私にはある意味贅沢な、そしてバオバブがもっと好きになる写真集。中でも、聖なるバオバブの下、牛たちが水浴している写真が素晴らしくて。バオバブについての知識も増える一冊。

  • 前からバオバブという木に惹かれていたのですが、こんな素敵写真集が出てたとは〜!写真が綺麗なのはもちろんですが、文章もとても興味深かったです。本物を見てみたいなー。

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