バンギャル ア ゴーゴー 下

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 155
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062133692

作品紹介・あらすじ

ヴィジュアル系バンドに魂を奪われ、追っかけの世界に入った、えり、ノリコ、ユキ。えりは高校を中退し、退屈な北海道から憧れの東京へと向かう。えりの後を追うように上京するノリコとユキ。夢に見た東京でのひとり暮らしだったが、現実の影が三人に忍び寄る。お金、ドラッグ、セックス、三人の絆、そして音楽への思いはだんだんと引き裂かれていく-。90年代・バンドの世界を舞台に描かれた自伝的「ガールズ・ノヴェル」の最高傑作、渾身の書き下ろし大作、ついに完結。

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクションのようで、フィクションの物語。Xがメジャーデビューした頃からHIDEが自殺したであろう時代のことをベースに書かれたあの頃の物語。

    バンドマンと繋がってる話が多くて嫌なものを見せられたようですごくイライラはするんですけど、本の中の少女達の気持ちは、痛いほど刺さった。彼らは自分の救いであったりするし、黒い服を着るのは「過去の自分への喪に服するため」だったりする。最後の告別式のシーンは、感情移入して不覚にもうるっとしてしまった。

    消費する側でしかなくて、ステージ側に行けないもどかしさは、バンギャルじゃなくても通じる気持ちなのかなと思った。けど、主人公のえりがそこに対して何の解決策も見いだせてなくて、むしろそれが現実を突きつけられているようで残酷だった。

    読んでたら、目的は何であれ、その「夢中」さに自分ごときがバンギャなんていうのはおこがましすぎて、恥ずかしくて凹んだ。

    小説的には微妙だけど、その頃バンギャルをしていた作者にしか書けないような、心理描写。あまりにも言い表していて、こういう文化があるという貴重な文献になるんじゃないかと思う。

  • ヴィジュアル系バンドに魂を奪われ、追っかけの世界に入った、えり、ノリコ、ユキ。
    えりは高校を中退し、退屈な北海道から憧れの東京へと向かう。
    えりの後を追うように上京するノリコとユキ。
    夢に見た東京でのひとり暮らしだったが、現実の影が三人に忍び寄る。
    お金、ドラッグ、セックス、三人の絆、そして音楽への思いはだんだんと引き裂かれていく―。
    (アマゾンより引用)

    人間って堕ちてくときは早いんだなって、何となく思った。
    決してこれが特別な話なんかじゃなく、どこかで現実に起こってる、その界隈ではありふれた話なんじゃないかって、そんなふうに感じた。

  • あぁ・・・!
    胸が苦しい!
    本当に、本当に苦しい小説。

    バンドマンを追っかけて、
    いくら追いかけても、ファックしても、
    彼らは「あっち側」で、自分は「こっち側」
    どうして自分はこっち側なんだろう?

    そしてそんなキラキラ輝いて見えたバンドマンも、
    日の目を見ずに、他の何者になれず、
    他の人が「社会」で生きていく経験値を積んでいく時間を、
    すり減らしていく。

    この小説に書かれれるバンギャルは苦しい。
    そしてこれがバンギャルの本音に近いんだろう。

    けれど私はバンギャルにさえなれなかった。
    一瞬の、刹那の花火でも、
    バンドに夢中になり、バンドマンなら誰でもいいって感じで、
    なりふりかまわず媚へつらって、
    そういう時間が欲しかったと、思う自分がいる。

    きっと、本当にそうしていたらそうしていたで、
    そうしなかった自分になりたかったと後悔したのだろうけれど。

    結局、自分に「何もない」という現実と、
    煌きの中にいる「あちら側にいけない」という現実だけが残るんだ。

    それでもそう、煌きを見れただけでも、幸せだと思える瞬間も、あるんだ。

  • 懐かしいなぁ…なんでこんなに熱くなれたのかなぁ…。

  • 著者の社会的活動が世間的に認知されている(と思う)ので
    頭の固い人だと思われるかもしれませんが、本書を読むと「ああ、純粋な人なんだな」と思えてきます。
    とりあえず著者がゴスロリファッションを着続ける(意図的であろうとも)ルーツ的裏付けはバッチリ堪能できます!

  • 追っかけの世界に入ったえりは高校を中退し、退屈な北海道から憧れの東京へと向かう。夢に見た東京でのひとり暮らしだったが、現実の影が忍び寄り…。

    上巻ではひたすらにV系が好きで、純朴なえりでしたが、下巻では目を背けたくなるほど転げ落ちていきます。
    痛々しく、でも原点回帰するラストは少しの清々しさがありました。

  • 結局主人公は成長できなかったね。ラストこそ明るいタッチでうまくいっていくような描写をしていたけど、彼女が今後も成長できるとは思えないな…。納得・関心するところは随所にあったけど、共感は決してできない。上巻と比べて下巻は若干蛇足だなー。あと、YOSHIKIとhideとTOSHIを1人の人物に投影させてしまうのはどうだろう。

  • なんかね、最後が微妙

  • 誘惑に負けて先に終盤をチラ読み。
    あまりにノンフィクションなフィクションで
    うぁー読めねぇ!と空を仰いでしまった。
    と言いつつ結局これから全部読むんだけど。

  • 下巻は蛇足だったような…とくに後半。あそこまでやらなくてもいいんじゃない。「ありそう」から「これはないわ」になるとこういう系のお話ってつまんなくなっちゃう気がする。

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著者プロフィール

作家・活動家。1975年北海道生まれ。愛国パンクバンドなどを経て、自伝的エッセイ『生き地獄天国』で作家デビュー。2007年『生きさせろ! 難民化する若者たち』でJCJ賞受賞。格差・貧困問題に取り組み、生きづらさや自己責任論に対抗する発言・執筆活動を続ける。反貧困ネットワーク世話人、週刊金曜日編集委員。共著に『1995年 未了の問題圏』(大月書店、2008年)。

「2019年 『この国の不寛容の果てに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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