蒼いみち

著者 :
  • 講談社
3.06
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感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062134484

感想・レビュー・書評

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  • 4-06-213448-9 207p 2006・5・20 1刷

  • 三省堂の中学二年の教科書に載っている。教材研究のために読破しましたが、うーん…。小説としてはなんとも言えない終わり方。どこが山場かわかりにくい。
    教科書に載っている部分からは、淡い青春小説を期待していたのだけれど、そうではない。
    もやもやと目的のない毎日を送る、自分の殻を破りたくても破れない、若者の話(?)
    教科書のストーリーから、レナちゃんとフユちゃんの恋ものがだりを想像した中学生にはあまり読んでほしくないかも^_^;

  • (2011.09.20読了)(2007.08.25購入)
    小澤征良さんの小説は、「しずかの朝」の方を先に読んでしまったので、最初の小説であるこの本が後になってしまいました。
    小説を書いているとは思わなかったので、買うときもきっと良く見ずにエッセイだと思って買ったのだと思います。
    小説には、年齢にあまり関係なく共感できるものと一定の年齢で強く共感できるものがあるとすれば、この小説は、結婚前の年齢で、強く共感できる方に入ると思います。

    主人公は、南青山の洋服PR会社に勤めて三年目の女性です。小学生の頃母親が病気で亡くなったので、父親が育ててくれました。父親は、今は、カメラの部品会社のドイツ駐在員として、ドイツに行っているので、主人公の励奈さんは、一人暮らしです。
    父親からは、ファックスでときどき連絡が入ってきます。
    レナさんには、6歳の頃から兄妹のように一緒に遊んでくれた草野冬彦ことフユちゃんという親友の男の子がいます。いまも、毎週金曜の夜は、行きつけのレストラン(Far Away)で一緒に食事をして過ごします。
    今日は金曜日で、フユちゃんに会う予定の日なのですが、あいにく帰る直前に用事を頼まれて、約束の時間にレストランに行けなくなったのですが、携帯を家に置き忘れてきてしまいました。やむを得ず、公衆電話からフユちゃんに電話をかけようとするのですが、電話番号は、携帯に記憶させておくので、ちゃんとは覚えていません。
    指が覚えているはずの番号にかけてみたのですが、知らない男の留守電につながってしまいました。留守電の案内の音声は、英語で、自分の家への道順を教えているもののようでした。偶然の出来事が、あとの伏線になっています。そういう意味では、事前にある程度、ストーリーを練ってから書き始めた小説のようです。
    一か所指の違和感のあった番号のところを考え直して、電話をかけ直したら、今度は通じました。フユちゃんは、色んな雑誌社から記事の編集の下請けを受ける会社に勤めている。
    以前から熱心にヨーロッパサッカー界での日本人選手の活躍ぶりを取材させてもらえるように上司にお願いしていたようですが、このたび実現の運びになり、ヨーロッパに旅立っていきます。1週間の予定です。
    幼いころの二人の様子やレナちゃんの中学生の頃のいじめへの加担の話などが適度に織り込んであります。
    フユちゃんの1週間の不在の間の過ごし方の中に青春の心の不安を描いているのでしょう。

    ●目標とか、ゴールとか目的地とか(70頁)
    目標とか、ゴールとか目的地とか、そういうもの、自分はいつもそれを探しているのにずっと見つかっていないと気がつき始めたのは。あの頃から、その感じはいつも自分の中にあった。
    ●自分だけ止まったまま(71頁)
    まわりはみんな行くべきところへ動いているのに、その動きの流れの中で自分だけが止まったままという感覚。まるで川の流れをよそに、じっと動かない石のように、右にも前にも後ろにすら、動かない。動いていない、動けないのには理由がありそうなのに、私にはその理由すらわからない。でもいつも、探しているものを見つけさえすれば動けるんじゃないか―そんな考えだった。
    目標とか、ゴールとか目的地とか、そういったものを見つけられさえすれば。
    ●一時停止(130頁)
    普段から散らかっているのか、見回した部屋は雑然としていた。まるで用意、ドンで椅子取り合戦を始めたモノたちが、音楽が止まった瞬間に目的地にたどり着くことができずに、そのまま中途半端な場所で一時停止しなくてはならなかったみたい……。
    ●雪の世界(140頁)
    写真の右上には丸いひかりの塊である大きな星。その太陽か月が浮かんでいるおかげで、そこが空なのだと認識できた。でもそれが満月なのか太陽なのかわからないほど、なんとも不思議な時間がその真っ白な世界に流れていた。太陽のわりには暖かさがまったく感じられなかったし、満月にしてはひかりが力強すぎた。
    ●技術とハート(174頁)
    「ジャズもクラシックも、ロックもね、いい音楽はみんな同じなんだよ。結局は、技術とここだからね」そう言って自分の左胸のあたりをたたいた。
    「技術がどんなに優れていても、演奏家に人間的な深さとか悩みとかさ、いいハートがないと何の魅力もない平たい音楽しか生まれてこない。もちろん、ハートだけいくら熱くてもまったく技術がなきゃ、これもだめだろうけどね。まぁ、音楽の難しいところであって素晴らしいところだね」
    ●生きる(191頁)
    生きるということ、何が本当に自分にとって大切かというようなことにちゃんと正面から向き合うようになったのは。
    ●自分の声(196頁)
    世の中で一番恐ろしいことは、自分で自分の声が聞けなくなる、ということだ。

    ☆小澤征良の本(既読)
    「おわらない夏」小澤征良著、集英社、2002.11.20
    「思い出のむこうへ」小澤征良著、筑摩書房、2003.12.10
    「しずかの朝」小澤征良著、新潮社、2008.11.30
    (2011年9月24日・記)

  • 入社3年目のレナが電話番号を間違えてしまい、不思議な留守番電話に繋がったことからはじまっていく。
    幼馴染のフユちゃん、行きつけのマスター、不思議な留守番電話、いろいろなモノに触れていき、自分の中の止まっていた時間が動き出す話。

    とても素敵な言葉で綴られていて、描写も私好み。
    読むと元気になれる。

  • エッセイ読んだことないから、読んだら評価変わるかも。
    でもなんか、ふわっとした女の子がふわっとした気持ちでふわっと書いてみました、って感じ。
    いまいち。かったるい。
    エッセイ読んでみようかな…

  • 小沢征良は『終わらない夏』の印象が強烈過ぎて…
    あれは本当に読んでいて、幸せな時間だった。

    初めての子の長編小説も良いのだけれど、
    なんだか不手際が目立つと言うか、
    読んでいて、かったるいというか。

    フユちゃんと返事がはもるところなんか、ダメ。
    そこまですることないじゃないって。

    もうちょっと手慣れて、小沢ワールドが
    すっきりと展開できることに期待して星三つ!(笑)

  • 小澤征良の純度100パーセントの青春小説
    小澤征良が、初めて挑戦した「小説」。爽やかで、明るい女性の主人公の、清らかで颯爽とした始まりの物語。




    人生になにを始めるのにも遅すぎることはないとかあきらめずに、やりたいことをやればいい!
    なんてことも納得できて力強いところもありますが、これがあるからできない。
    あれだから、これはできないという制限が逆にできればそれ以外の何かを集中して行うことができるという長所にもなるのかなぁ??
    と感じることができる、さわやかな前向きになるような話でしょうかね♪

  • 小澤征爾の娘。意識的に感覚を研ぎ澄ませるよう育ってきた背景が、文章から滲み出ている。育ちの良さ全開。

  • 幸せな子ども時代を送った人らしい伸びやかさが感じられる。

    幼なじみのフユちゃんとの付かず離れずの距離感も好ましいし、思いついてふと訪ねたアパート侵入のシーン、アラスカへ行こうと思い立つ最後のあたりなど、とても好感が持てる話の進み具合だった。




    作成日時 2007年05月15日 19:18

  • 何かを見つけられそうな・・・

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