- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062134491
作品紹介・あらすじ
夫だけを視つめてきた。なのに、どうして悪妻と呼ばれるのだろう。明治の文豪・夏目漱石を支えた妻・鏡子。夫婦とは、最も近くて最も遠い存在なのか。「夫婦の真実の姿」を描く、書下ろし長編小説。
感想・レビュー・書評
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悪妻と言われた漱石の妻、鏡子。
読んでいて一度も悪妻と思ったことはなかった。
それよりも漱石の暴力暴言によく耐えれたものだと。鏡子の大らかな性格だからこそなのだろう。
いろんな夫婦の形があるけど、夏目漱石の妻という立場は、想像するよりも遥かに苦労や苦悩、喜びもあったと思う。
夏目漱石の作品もっと読もう。
まずは、夏目家の福猫がモデルの吾輩は猫であるを再読しようかな
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漱石がDV?!
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子規の俳句が好きで、彼らの交流に興味を持つのですがその辺りのことも、視点が変わるとなるほどと。
漱石という偉大な作家も家庭人としてはどうであったのか?全てが事実ではないとしても妻や母という視点からはそうであろう、、、という納得の行く物語。
少し年上の女性たちはこの小説の中の鏡子に共感を寄せる場面も多いのではと思います。
漱石の臨終の場では修羅であったかもしれない家庭であっても、それだけではない親子や夫婦の想いが感じられて思わず涙を。合わないと思いつつも、最後まで添い遂げるということの美しさもまた感じたのでありました。 -
確かに思っていました、何故悪妻と呼ばれるのかと。著名人の妻という肩書、悪妻という汚名、それを取っ払った素の顔の彼女はどういう人なのだろう。
読み終わったとき、なるほどなーと嘆息しました。夫婦の仲なんて外からじゃわからない。それを片面だけからみたら、確かに彼女は悪妻…というよりは至らない面が多々あり、夫の仕事のことなど何一つ理解していなかったのだろう。けれど逆の面から見たら、夫だって妻の気持ちに気付こうが気付かまいが無視し続け、結局は自分のことしか考えていなかった人なのではないか。
どちらがより悪いではなく…歯がゆい。 -
漱石の妻・鏡子は夫の弟子たちの随筆によって「悪妻」の烙印を押されている。
しかし彼女は本当に悪妻だったのか?
夢うつつの中、彼女は亡き夫との思い出を辿りはじめる…
皮肉屋で癇癪持ちの漱石と楽天的で怠惰にも見える鏡子。
お互い自分にないものを求め、傷つけあいながら支えあった夫婦像が浮かび上がってきた。
他人からはちぐはぐに見えたかも知れないが、見事に添い遂げた夫婦だったのではないかと思う。
今年のTBS新春ドラマ「夏目家の食卓」(漱石役:本木雅弘 鏡子役:宮沢りえ)を見逃したのがますます悔しくなってしまった。 -
夏目漱石こと夏目金之助の妻・鏡子さんを主人公に、金之助との夫婦生活をその始まりから終わりまで淡々としたタッチでしかし時に情熱的に描いた小説。金之助の真の姿を見つめ、支えてきた鏡子さんは本当に「悪妻」だったのか――?
私は全然違うと思うな。確かに男性が求める理想的な妻ではないにしろ、まったくタイプの違う二人だからこそやってこれたんだと思うし、鏡子さんが金之助の病や凶暴な姿を後世に伝えなければ、漱石は今でも読まれ、愛され、研究される国民作家には到底なり得なかったと思う。作中に描かれる鏡子さんは金之助だけを見つめてきて、それは実際の彼女もそうだったと思う。そんな彼女を誰が悪妻とののしれようか。
修善寺の大患や臨終の所では泣いてしまった。。。金之助……!
「漱石の思い出」はまだ読んでないので、こっちもいつか手をつけたいと思うよー。 -
自分の中で路線変更のため読んだ正統派の(つもり)の小説。
やっぱ、悪妻は悪妻でしょ。
女性は周りに誤解され続けてるんです、それは言いたい。 -
漱石関連のものが読みたくて手に取った。悪妻と言われる鏡子の心情に寄り添って書かれた作品。エピソードが取り込まれて、うまくまとまっている。
景気のいい文章を書いて、朝日へ入社した漱石だが、経済的保証を取り付けたぶんだけ責任が被さってくるわけでそのプレッシャーは並大抵ではなかっただろう。
顔を赤くして家族を打擲する漱石と、木曜会のメンバーに恋人のように慕われる漱石と。2年ごとに次々と子をなしながら1人の女性としては敬意を払われなかった妻の切なさが胸に染みる。
それだけ修善寺で倒れたとき「妻は」と求めた漱石の言動が大きな意味を持つ。
作成日時 2008年02月04日 20:39
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漱石・・・。こんな人だったのか。猫を途中まで読んで挫折していたけれど、改めて読んでみようか。立場によって見え方が当たり前だけれど違い、最後まで興味を持って読むことが出来た。
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ゴリゴリに堅い本かと思っていたら、全然そんなことはない。普通の人間としての漱石と妻が描かれていた。悪妻、というのは耳にしたことがあったけれど、そんなことないんじゃないかな。ずっとおきゃんなまま、という感じがしたくらいで。漱石の顔がずっと千円札のままで、赤黒く怒り猛った顔が、想像しにくくて悔しい。また、漱石の本を読んでみようかという気になった。