ピンポンさん (Journal labo)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 34
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062134651

作品紹介・あらすじ

世界遺産的日本人「オギムラ」。その劇的なる生涯とそれを支えた献身の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 卓球のことを書いた本で、読み始めたときこれおもしろいのかと心配したが、主人公の荻村伊智朗さんの生い立ちやその成長過程を読んでいくうちに、側で見ていてくれた上原久枝さんのあたたかい視線を小説を通して感じられていつの間にか引き込まれていました。

    もし、ピンポンさんが今もご存命ならきっと日本のスポーツは大きく変わっていたのではないかと思える人でした。

    ピンポンに打ち込むあまり、その苦労は当たり前だという厳しい考え方は自分以外の選手たちには、あまりにも自分勝手に見えたのかもしれないが、彼の練習を見ていればそれが彼には当たり前なのだという事も本の上では伝わってくるのだが、完璧主義のその考え方は周りの人間には辛かっただろうとも理解できる。

    その彼の側で他人でありながら常にそばで見守ってくれた久枝さんがいなければ、この人が生まれていなかったかもしれない。

    そういう意味では本当に日本の卓球とスポーツをここまでに引き上げたのは久枝さんのおかげであり、貢献だと思う。

    日本のスポーツがここまで世界に対してレベルアップできたのは彼の行動力があってこそだとその精神力と気力に驚いた。

    しかし、著者が翌丹念に細かなことまで調べてよくこの本を書かれたと感心する。

  • 「クレージーな人たちがいる。反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。四角い穴に丸い杭を打ち込むように物事をまるで違う目で見る人たち。彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。彼らの言葉に心をうたれる。反対する人も賞賛する人もけなす人もいる。しかし彼らを無視することは誰もできない。なぜなら彼らは物事を変えたからだ。彼らは人間を前進させた。彼らはクレージーと言われるが私たちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから。」1997年のアップルのThink DifferentのTVCMのナレーションが読んでる間、聞こえてきました。凄い人の、いや凄まじい人の凄まじい物語。しかし、森林限界を超えて聳えるニッポン卓球の最高峰は武蔵野卓球場のおばさん、上原久枝の放つ柔らかい日照によって輝くのです。刃物のような存在が贈る「天界からこの蒼い惑星のいちばんあたたかく緑なる点を探すと武蔵野卓球場がみつかるかもしれない」という詩。偶然か、必然か、奇跡のスポーツドキュメンタリーでした。

  • 荻村伊智朗という名卓球プレーヤーがいたことも知りませんでした。卓球地獄のなかで出てくるエピソードがすさまじいので、呼んでみました。
    まるで熱意の塊のような人。周りの人を焼けどさせるほどのすさまじさ。そして引退しても人類にために何ができるかを考え行動し、肺がんで急逝する。

    この熱さは敗戦後直後のものだ。囲碁の藤沢秀行、王貞治など、みんな自分を追い込んで高みに達してしまった。平成の今の世でも「打ち込む」ということが大切なことに変わりはない。

    いやーっ 参った。

  • Kodama's review
    一時帰国で時差に苦しんでいる際、ほぼ一晩で読み終えた1冊。世界卓球選手権で12個の金メダルを手にされた卓球の神様 荻村伊智朗さん。そして荻村さんを陰で支え続けた上原久枝さんのノンフィクション。どちらも存じ上げているだけに…。感動もひとしおでありました。
    (08.4.10)
    お勧め度
    ★★★★☆

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著者プロフィール

城島充(じょうじま・みつる)
ノンフィクション作家
1966年、滋賀県生まれ。関西大学文学部卒業。産経新聞社会部記者を経て、2002年、ノンフィクション作家に。
児童向けの作品に、阪神淡路大震災でふたりの子どもを失った家族を取材した『にいちゃんのランドセル』、スキージャンプ・葛西紀明選手のソチ五輪までの道程と故郷の子どもたちを描いた『レジェンド! 葛西紀明選手と下川ジャンプ少年団ものがたり』(第61回青少年読書感想文コンクール課題図書)、義足でなんにでも挑戦する子どもたちと応援する大人たちを描いた『義足でかがやく』(すべて講談社)がある。一般向け作品に、『拳の漂流』(ミズノスポーツライター賞最優秀賞、講談社)『ピンポンさん』(角川文庫)などがある。

「2018年 『平野美宇と伊藤美誠 がんばれ! ピンポンガールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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