小沢昭一的新宿末廣亭十夜

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062134781

感想・レビュー・書評

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  • 「本の雑誌」9月号で北村薫が紹介していて、その熱のこもった書き方にひかれて読むことにした。北村氏はこの十夜がすべてCDとなったのを喜び、聴いてから読むとなお楽しいと書いていた。いやまったく、活字で読んでもその姿が目に浮かぶようなのだけど、実際の音を聞いてみたくなる。

    志ん生や米朝といった名人についての思い出話が楽しいのはもちろんのこと、昔の寄席芸人や名もない大道芸人のことを語っているところが実に生き生きとしていて、そこがいかにも小沢昭一らしく、いいなあと思って読んだ。

    ハーモニカを吹いたり、都々逸や浪曲を唸ったり、笑いであふれる賑やかな高座の雰囲気が伝わってくるが、一箇所、満員の末廣亭も静まりかえっただろうなあと思わせるくだりが第六夜にある。尺八の名人だったという立花屋扇遊師匠は、東京大空襲で亡くなったのだそうだ。
    「隅田川の近くの方で、山のように焼死体が積み上げられた一番下から、扇遊師匠、出てきたの。丸焦げで。奥さんと手をしっかり握りあったまんま、二人で出てきたの。 …… 戦争を憎みます。」

  • 小沢昭一さんも偉いけれど
    小三治さんも偉い
    そして
    末廣亭の席亭も偉い

    文化は
    人が担っていくものだ
    の 見本のような
    十日間の
    貴重な記録ですね

    いえいえ 中身が面白いのは
    いうまでもありません。

  • 夢のような10夜、その一日に参加できたことは業務僥倖。この11/21に立川談志もなくなり、元気なのは円蔵くらい。淋しくなるばかりです。

  • 目次
    末広亭出演の記
    【第一夜】青春の末広亭
    【第二夜】志ん生師匠ロングインタビュー
    【第三夜】面長といいますと
    【第四夜】柳家小三治本日休演
    【第五夜】ら・あさくさ
    【第六夜】尺八の扇遊さん
    【第七夜】流行歌のルーツ
    【第八夜】「五十銭ください」
    【第九夜】米朝和解
    【第十夜】旅の夜風
    「この温かさが寄席なんだ」柳家小三治

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著者プロフィール

1929年、東京に生まれる。俳優。新劇・映画・テレビ・ラジオで幅広く活躍。民衆芸能研究にも力を注ぎ、それぞれの分野で数々の賞を受賞。著書に『ものがたり 芸能と社会』『放浪芸雑録』(以上、白水社)『小沢昭一──百景』(全6巻、晶文社)『俳句で綴る変哲半生記』(岩波書店)など、CDに『夢は今もめぐりて──小沢昭一がうたう童謡』(ビクター)『唸る、語る、歌う、小沢昭一的こころ』(コロムビア)など、著作多数。2012年、逝去。

「2013年 『芸能入門・考 芸に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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