優しい子よ

著者 :
  • 講談社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062134927

感想・レビュー・書評

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  • 本が出るのが待ち遠しい著者の1人。まだ読んでいない本だったので、内容も知らず読んでみる。
    著者自信の話でしたか。
    妻と文通する病気の小学生の話、付き合いのある人の死、生まれてくる子供。
    今まで小説を読んでいた身としては今度は御自身の話ですかと興味はあるが、ダイナミックさと言うか、自由度が少ないせいか著者の良いところを知っている分物足りなくは感じる。

  • 読み終えた後、優しい気持ちになれました。熱い想いを持って毎日を生きたくなりました。真面目に生きたくなりました。少し疲れたときに読むと心を癒してくれる処方箋みたいな作品です。文庫版のあとがきが更に小説を現実へとつながって、よりよかった。

  • ノンフィクション・フィクション・エッセイ。
    大崎作品はどれも素晴らしくて読むのに夢中になる。
    私小説まで素晴らしいなんて、本当にすごい人だと思う。
    鼻の奥がツンとする。
    きっと、天国の男の子はこの作品を宝物に加えたことだろう。

  • 熊の着ぐるみにはいった子ども。
    この子が主人公かしら?
    軽い気持ちで手にとって、タイトルをよく見たら、
    こたろうさんやhi2515さんが
    すでに詳しいレポを書いてらした作品でした。

    女流将棋士を奥さんにもつ作者の体験談からなる4つの短編集です。
    それぞれが独立しているようでも、
    「生」と「死」、受け継がれていく「愛」を中心に描かれた
    連作のような小説でした。

    印象深かったのは、やはり表題の「優しい子よ」。
    不治の病にかかった9歳の少年・杉田茂樹くんのファンレターが
    大崎さんの奥様に届いたときから、物語は始まりました。
    死を間近に感じながらも、
    大崎さんの奥様に手紙を書くことで、生きる望みを見出していた少年です。
    最後まで自分の身体の事よりも
    大崎さんの奥さんのことを案じていた優しい子。
    一度も会っていないけれど、彼から届いたぺディベアのぬいぐるみは
    大崎さんたちの宝物となりました。

    そして、最後の小説「誕生」。
    茂樹少年の死から約1年。大崎家に新しい命が誕生しました。
    私には、少年が大崎家へ生まれ変わって来たような気がしました。
    もしそうならば、茂樹少年の天性の「優しさ」は
    大崎家の長男にもしっかりと受け継がれていることでしょう。

    死んでもなお人の心に残る茂樹少年。
    人への優しい気持ちは色あせないものだと思いました。
    タイトルを見るだけで、なんだか癒される作品でした。

  • 小さな小説に書いてみたかった。

    将棋の女流棋士である19歳年下の妻のもとにきた、一通のメール。

    病気で入院中の少年、茂樹との出会いだった。

    自分の病よりも妻の足を気遣ってくれた少年は、つらい闘病生活のすえに、亡くなった。

    デビュー間もないときに、小説の映像化を申し込んできた萩元との記憶、
    妻の妊娠、47歳で初めて息子を持つ喜び、
    茂樹との出会いと別れが、新たな生命の誕生を生んだ。

    普通の小説かと思いきや、優しい子よ、を読み終わった辺りから、ん?実話ぽいと気付いたエッセイ?風な話。

    エッセイは読まないので、うげー!と思って読むの辞めようかとしたけど、なかなかよかつた。

    すごい年下の奥さんにびっくり~
    なんか父くらいの年の著者が好きになった)^o^(

  • 装丁とタイトルに惹かれはじめて手に取りましたが、なんともじんわりと沁みました。大崎さんの本をまた読んでみたくなりました。

  • 大崎さんの本を 読みあさるようになったきっかけの本を 再読。
    病に侵されながらも ただ純粋に大好きな人の事を 思いやる
    少年に胸を打たれます。

  • 作者の私小説。幼くして死を覚悟している男の子との短いが濃厚な心の交流、尊敬する人の死の覚悟、そして自分の子の誕生。作者の思いが良く分かる小説でした。人間としての心のふれあいの大切さみたいなものを感じました。

  • 小説家の話。本当の話なのかな?

  • 不治の病に犯されながらも必死に生きようとする10歳の少年の姿に、心が動かされた。読み終わった後、心がきれいになっていた(気がした)

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著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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