井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法 (シリーズ子どもたちの未来のために)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (76ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062135108

感想・レビュー・書評

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  • 2012年2月27日
    子ども用に買ったものだけど、自分でも読んだ。

    基本的には純粋な平和のお話だと思う。

    が、疑問に思ったところがいくつかあった。
    普通の大人ならとーぜん知ってることかもしれないんだけど、私はどーにも、あほすぎる…

    疑問その1
    (p40「あたらしい憲法のはなし」の引用より)
    だから、こんどの戦争をしかけた国には、大きな責任があるといわなければなりません。

    →それって、日本じゃないの?真珠湾の奇襲攻撃??

    疑問その2
    (p41 憲法の前文の話)
    「この憲法をつくったのは日本国民である」と書いてある。

    →え?GHQじゃないの??

    疑問その3
    (p46 第九条の話)
    日本国家が国としてよその国の人を殺したり、武器をつくってよその国に売ったりはしていません。

    →日本のメーカーで武器作ってるところあるよね?「日本国家が国として」じゃないからいいの?それとも、外国に売ってないの?

    疑問が出てくると、うまく読み進められない。疑問が頭について、内容がわからなくなる。

  • 憲法の出来た背景、想い、現代を生きる我々に伝えたいことがわかりやすく書いてある。

  • この本が出た2006年、既に話が出ていた改憲は、まだ成立していない。でも、改憲に向けた動きがなくなったわけではない。
    スイスみたいな平和を維持するために自国の防衛のための武力を保持する、という考えと、完全武力放棄と、どちらが良いんだろうか、というのは、ずっと考えてるけど、答えが出ていない。日本の自衛隊の現状が憲法と合致していないのはたしかにそうなんだけど、だから憲法を変えよう、と言われると、本末転倒のように思えてしまって、違和感しかない。
    この本を読んで改めて、いまの日本国憲法の考えが私は好きだなと思った。どうかこの考えが、子どもたちが大人になる頃まで、受け継がれますように。

  • とても大事なお約束を
    わかりやすく書いてあり
    大人にも子どもにもよみやすい

  • 井上ひさしが十代の少年だったころ、学校の先生は、生徒たちに「君たちは20代前後までしか生きられない」と話していた。戦争の時代だったからだ。でも井上ひさしは20代よりずっと長く生きている。戦争が終わったから。そしてあの敗戦後に、日本が戦争に巻き込まれることは最近まで無かったから。

    私たちの憲法は美しい。私が受けた学校教育では、憲法が取り上げられることはなかったと記憶している。私が忘れているの?たまたま専攻が違ったの?

    日本国憲法を変える必要があるにしても、変える前に、この社会を生きる人たちの間で、もっと現在の憲法が意識されるべきだ。ましてや、大日本帝国などというカルト国家を信奉している無能な世襲政治家が触れて良いものではない。

  • 「偶然の出会い」の一冊。

    井上ひさしさん、今から10年も前にこの本を書いたんですね。きっと、改憲への風を肌で感じていたのだと思います。

    命を大切にする教育=戦争を二度としない教育
    でもあると僕は思います。


    あとがきまで、じっくりと読みました。

    一文一文、一言一言を大切に大切にしながら読みました。


    世論や風潮が少し怖いと感じているこのタイミングで、この一冊と出会えたことはもしかしたら、偶然ではなく必然だったのかもしれません。


    言葉を大切にして生きてきた著者だからこそ、日本国憲法の尊さがわかり、後世に伝える使命を感じていたのでしょうね。

  • 日本のかたちの憲法、今まであまり考えてこなかった。井上ひさしさんの言葉といわさきちひろさんの絵で、憲法が身近でなんて温かい決まりなんだろうと思った。絶対日本は戦争に加担する国になっちゃいけない。

  • もう二度と戦争はしない、という第九条ができてから、日本国家が国としてよその国の人を殺したり、武器をつくってよその国のに売ったりはしていません。(中略)「あの国は世界にとって大切な国だから、あの国を絶対にこわしてはいけない」と世界から思われるようになるでしょう。(P.46)
    これは本当にその通り……だったはずなのだが,この本が出版されたのは2006年,この翌年に内閣を放り出した安倍晋三が再び2012年に返り咲き,アレヨアレヨと言う間に,そうたったの5年の間に武器をつくって売れる国にし,他国に軍隊(自衛隊は紛うことなき軍隊だ)を他国に送れるようにしてしまった.
    井上ひさしが望んだ憲法に書かれた理想の日本は,戦後70年かけて築いてきた日本の信頼は,愚かなる97代目内閣総理大臣一人のために脆く崩れ去り地に堕ち終焉を迎えた.信頼を得るには時間を要し,崩れる時は斯くもアッサリと,といったところだ.

  • 2015年10月25日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「もっと売れていい本」。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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