憂鬱なハスビーン

  • 講談社
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本棚登録 : 218
レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062135207

感想・レビュー・書評

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  • 「よい学校を出て、よい会社に入って、よい結婚をするのがオンナの幸せ」という価値観が崩れて、生き方が多様になった今の時代の空気をよく表現している。女子を育てている母親としては、すごく考えさせられる一冊。

    下手な高学歴は、女性にとってはかえって生きづらくなるんじゃないかとは前から思っていたけど、やっぱりそうなのかも。結婚・妊娠・出産を前提にした人生のプランを、女性はもっと考えておいたほうがよさそう。
    自分の考えや経験、希望を押し付けず、子どもの自主性を尊重してあげたい、と改めて思った。

    必死に上昇しようともがきがんばってきた場所がすでになくなっているなんて・・・象徴的な幕切れでした。

  • 『一発屋の憂鬱』。ずっと読みたいと思っていたし、タイトルが頭の中から離れない気になる一冊でした。

    きれいな表紙絵にうっとりするけど、内容は痛々しかった。
    薔薇と凜子と棘。
    ☆3だけど、きらいじゃない。むしろ好きなジャンル。

    has been 現在完了形。
    そして=一発屋=のことを外国でhas beenと言う。


    姑のれいこさんと実母、旦那の家と実家の対比とか
    子供とか仕事の問題とか、気持ちよく分かる。切なかった。

    とんがらずに、もっとゆっくりと生きれればいいのにね・・・
    それが出来ない凜子が気の毒だと思った。


    =ひとつ言えることは、私はもっと、気楽でいるべきだったということだ=
    118ページ


    全身を鎧で防御して30歳か。。。
    若い時はいいけど、年齢が上がるごとに限界がやってくるんだよね。そして混乱している。


    どこかでふっと息を抜けると、凜子は本当に楽になれるのに。
    後半で描かれている、凜子の本音が切なかった。

    凜子のとんがった言動や行動の陰に生きづらさがあるような感じがした。

  • 高学歴、いい企業に就職し、善良な夫と結婚をきに退職。義母は穏やかで優しい人で、近所の同じ年の主婦は明るく慕ってくれる。

    幸せなはずだった。幸せに決まってるはずだ。
    けれど何をされても気持ちは苛立つばかり。

    仕事や学歴は裏切らないって言い聞かされて、私がもうとっくに裏切られちゃってたこと、知りもしないでさ

    変なプライドと劣等感が生活を憂鬱にさせているみたいな。
    一発屋の憂鬱ですね。
    恵まれているのに、恵まれているからこそ満たされないものがある。

    これが群像か、って感じ(何
    厚さ薄いし会話文多いし期待弱だたけど、これはいいね!素晴らしい)^o^(

  • プライドが捨てられない。過去の栄光も捨てられない。
    だから、幸せなのに実感できない。
    恵まれて、努力もして、愛されてもいるのに。
    だから、周りに厳しく接してしまう。
    幼い頃の知り合いにであってそれに気付いてしまう。

    自分にもきっと、この人に似ている部分って持っているんだと思う。

  • たまたま通った中学受験塾で「頑張れば自分の居場所がある」と感じ、前進し続けた東大卒女性 凛子の心の内面が、繊細に書き綴られている。実家に安心も温もりもなく、親に承認されずに育った凛子は、成績や学歴という自分にとって判り易い物差しを頼りに、超一流の学歴や、仕事を手にした。夫もその家柄も申し分ないはずなのに、行き着く先の階級格差。自分が求めてきたものは何だったのか。凛子の自分を摩耗しつづけてきたが故の虚ろさ、淋しさが文章に散りばめられている。ハズビーンはhas-beenだったのね。

  • 人が羨むような経歴の主人公。
    なのにもがき続ける毎日。

    過去に捉われず、周囲に感謝しながら
    未来を切り開いていけると良いのだけど。

  • 元エリートで現在は専業主婦な私の、苛立つ日々。

  • なんとなく気怠く終わった感。まあ分からなくもないけどね、ずっと勉強していた人間が社会に働きに出た時のあんな感じこんな感じ。

  • 自分の中に何の指針もないことに気づいて、私は急に泣きたくなった。
    戻る道はないくせに、向こう岸には渡りたくない。
    新しい港を探す気力もない。
    なんて中途半端なんだろう、と。
    東大を卒業し、外資系一流企業で一番のスピード出世をし、弁護士の夫を持った。
    それなのに、今の私は満ち足りていない…。
    そんな凛子(29歳)はある日、かつての神童・熊沢くんと出会う―。
    あなたは誰かに何かを期待されていますか?
    あなたはまだ自分に何かを期待していますか?
    (アマゾンより引用)

    何かイヤな女だなぁ(´・ω・`)
    まぁ何となく分からなくはないけど、でもイヤな女だなぁ(´・ω・`)
    でも、周りの人たちも鬱陶しい(笑)
    旦那さんも、旦那さんのお母さんも。
    良い人たちなんだけどね

  • 津村記久子と同じ様に、社会人というポジションに置かれた主人公の作品。
    プライドの高さか、環境の慣れによる生活水準を下げることに納得のいかない強情さか、そういう性格と考えが自分を貶めていくことに気づかず、惨めな過程を辿る…。

    性別の関係か、生い立ちからか、どうもこういう作品の主人公を好きになれない。物語としては、オーソドックスで、現代の価値観と変化から、結婚すればもう終わりという風に一辺倒にはいかない、といった生きづらさと難しさが描かれている様に感じた。主人公の考えに同調できるかで評価が別れる一冊。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』など多数。

「2019年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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