憂鬱なハスビーン

  • 講談社 (2006年9月1日発売)
3.27
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062135207

みんなの感想まとめ

人間関係や自己認識の複雑さを描いたこの作品は、主人公の凛子が持つ高学歴や高スペックな夫との生活を通じて、表面的には完璧に見える人生の裏側に潜む葛藤を浮き彫りにしています。凛子は、過去の心の傷やプライド...

感想・レビュー・書評

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  • ハスビーンとは何だろう?と思っていたら、そういう意味だったのか…
    東大卒、弁護士の夫を持ち、高級マンションに住む凛子。
    何不自由ない暮らしに見えるけれど、かつての心の傷があって…
    プライドの高さゆえに上手くいかなかったといえばそうだけど。

    朝比奈あすかさん初の小説。
    この頃から既に人の心の描写が上手い。

    個人的に夫さんは高スペックな上にめちゃくちゃいい人で、なぜそこまで凛子に惚れ込んでいるのかがよく分からなかった(笑)

  • 「よい学校を出て、よい会社に入って、よい結婚をするのがオンナの幸せ」という価値観が崩れて、生き方が多様になった今の時代の空気をよく表現している。女子を育てている母親としては、すごく考えさせられる一冊。

    下手な高学歴は、女性にとってはかえって生きづらくなるんじゃないかとは前から思っていたけど、やっぱりそうなのかも。結婚・妊娠・出産を前提にした人生のプランを、女性はもっと考えておいたほうがよさそう。
    自分の考えや経験、希望を押し付けず、子どもの自主性を尊重してあげたい、と改めて思った。

    必死に上昇しようともがきがんばってきた場所がすでになくなっているなんて・・・象徴的な幕切れでした。

  • エリートの挫折、捻くれたプライドと美的秩序のない実家のなんやかんや。主人公のクレーム気質というか理屈っぽい嫌な性格が少し理解できてしまう私が嫌だ〜エリートでもないのに!

  • 1時間で読了。
    さらっと読めた。
    東大卒でバリバリ仕事をしてきたという肩書きも実は適応障害になり仕事がしんどい、、
    夫、姑、家族との関係

    まっすぐな気持ちに応えられなかった凛子も最後は少しきもちがほぐれすっきり終わった。

  • 何かになり損なった人々が描かれています。20代の時に何もかも上手くいかない時に出会った本でした。主人公もなり損ないの自分に苛立ちを抱えながらも最後はとある場所で自分だけの答えを見つけます。最後は主人公と共に小さく笑っていました。

  • 高学歴、いい企業に就職し、善良な夫と結婚をきに退職。義母は穏やかで優しい人で、近所の同じ年の主婦は明るく慕ってくれる。

    幸せなはずだった。幸せに決まってるはずだ。
    けれど何をされても気持ちは苛立つばかり。

    仕事や学歴は裏切らないって言い聞かされて、私がもうとっくに裏切られちゃってたこと、知りもしないでさ

    変なプライドと劣等感が生活を憂鬱にさせているみたいな。
    一発屋の憂鬱ですね。
    恵まれているのに、恵まれているからこそ満たされないものがある。

    これが群像か、って感じ(何
    厚さ薄いし会話文多いし期待弱だたけど、これはいいね!素晴らしい)^o^(

  • プライドが捨てられない。過去の栄光も捨てられない。
    だから、幸せなのに実感できない。
    恵まれて、努力もして、愛されてもいるのに。
    だから、周りに厳しく接してしまう。
    幼い頃の知り合いにであってそれに気付いてしまう。

    自分にもきっと、この人に似ている部分って持っているんだと思う。

  • has been、ハスビーンとは一発屋、かつて何者かだった人のこと。形があり答えがあるものの正解を答えるのは得意だが臨機応変さに欠ける。そのくせ周りを敵視する主人公。読みながら、なんて嫌な人と思ったが、自分のことだ。何者でもない平凡な人間なのに思い当たるところが多すぎる。東大出の学歴を持てるくらい教育にお金をかけてくれた両親の現状が疎ましい。心配してくれる夫が疎ましい。凛子は、どうしたら幸せに生きられるんだろう…
    女性の内面の気持ちの複雑さを描くのが本当に上手い!
    ページ数も少ないのに、心の深いところに突き刺さる。

  • 成績、会社での評価、子供のこと、などさまざまな対立軸の中で優越感や劣等感のコンプレックスの狭間で揺れ動く主人公の心情を綴っています。わかりやすいストーリーで淡々と読ませる類の物語で、読者に訴えかける凄味のような奥深さは感じませんでした。

  • 何だかえらい癪に障るやつ。でも、いるよなぁこういうやつ。すべてを周りのせいにばかりしてるやつ。
    ラストはどんな展開が?と期待したけれど、非常に中途半端にしか思えない。この主人公ならば、もっと色々な展開を書けそうなのに、残念。

  • 年代的にも、人物的にもあまり共感はできない。

    結局のところかつての友人との邂逅はあまり意味がなかったように感じるのだが。

  • 読んでいてイライラしちゃった…。高学歴が悪いんじゃなくて、職種の選択ミスだと思う。今からでもコミュニケーションが少なくて、でも頭を使う仕事を探せばいいじゃん…と思ってしまった。じぶんで何かを解決するって経験に乏しかったのかな?こんな常に不機嫌な奥さんで、旦那さんが不憫。

  • 朝比奈あすか先生の著者近影が、巻末カバーに載っていて、なんて綺麗な人だろうと思った。著者の、現在の作品まで続いている、ふわっと胸を締めてくるせつない余韻の原点を見た。いまがどうであれ、過去の風景は、誇らしくて、愛しい。そう思うと、今をどうしようもなくもがきながら生きることにも、未来のわたしにとって、決して無駄なんかじゃないんだろうなと思えた。

  • たまたま通った中学受験塾で「頑張れば自分の居場所がある」と感じ、前進し続けた東大卒女性 凛子の心の内面が、繊細に書き綴られている。実家に安心も温もりもなく、親に承認されずに育った凛子は、成績や学歴という自分にとって判り易い物差しを頼りに、超一流の学歴や、仕事を手にした。夫もその家柄も申し分ないはずなのに、行き着く先の階級格差。自分が求めてきたものは何だったのか。凛子の自分を摩耗しつづけてきたが故の虚ろさ、淋しさが文章に散りばめられている。ハズビーンはhas-beenだったのね。

  • 人が羨むような経歴の主人公。
    なのにもがき続ける毎日。

    過去に捉われず、周囲に感謝しながら
    未来を切り開いていけると良いのだけど。

  • 元エリートで現在は専業主婦な私の、苛立つ日々。

  • なんとなく気怠く終わった感。まあ分からなくもないけどね、ずっと勉強していた人間が社会に働きに出た時のあんな感じこんな感じ。

  • 自分の中に何の指針もないことに気づいて、私は急に泣きたくなった。
    戻る道はないくせに、向こう岸には渡りたくない。
    新しい港を探す気力もない。
    なんて中途半端なんだろう、と。
    東大を卒業し、外資系一流企業で一番のスピード出世をし、弁護士の夫を持った。
    それなのに、今の私は満ち足りていない…。
    そんな凛子(29歳)はある日、かつての神童・熊沢くんと出会う―。
    あなたは誰かに何かを期待されていますか?
    あなたはまだ自分に何かを期待していますか?
    (アマゾンより引用)

    何かイヤな女だなぁ(´・ω・`)
    まぁ何となく分からなくはないけど、でもイヤな女だなぁ(´・ω・`)
    でも、周りの人たちも鬱陶しい(笑)
    旦那さんも、旦那さんのお母さんも。
    良い人たちなんだけどね

  • 津村記久子と同じ様に、社会人というポジションに置かれた主人公の作品。
    プライドの高さか、環境の慣れによる生活水準を下げることに納得のいかない強情さか、そういう性格と考えが自分を貶めていくことに気づかず、惨めな過程を辿る…。

    性別の関係か、生い立ちからか、どうもこういう作品の主人公を好きになれない。物語としては、オーソドックスで、現代の価値観と変化から、結婚すればもう終わりという風に一辺倒にはいかない、といった生きづらさと難しさが描かれている様に感じた。主人公の考えに同調できるかで評価が別れる一冊。

  • 【325】

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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