憂鬱なハスビーン

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062135207

感想・レビュー・書評

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  • 「よい学校を出て、よい会社に入って、よい結婚をするのがオンナの幸せ」という価値観が崩れて、生き方が多様になった今の時代の空気をよく表現している。女子を育てている母親としては、すごく考えさせられる一冊。

    下手な高学歴は、女性にとってはかえって生きづらくなるんじゃないかとは前から思っていたけど、やっぱりそうなのかも。結婚・妊娠・出産を前提にした人生のプランを、女性はもっと考えておいたほうがよさそう。
    自分の考えや経験、希望を押し付けず、子どもの自主性を尊重してあげたい、と改めて思った。

    必死に上昇しようともがきがんばってきた場所がすでになくなっているなんて・・・象徴的な幕切れでした。

  • 高学歴、いい企業に就職し、善良な夫と結婚をきに退職。義母は穏やかで優しい人で、近所の同じ年の主婦は明るく慕ってくれる。

    幸せなはずだった。幸せに決まってるはずだ。
    けれど何をされても気持ちは苛立つばかり。

    仕事や学歴は裏切らないって言い聞かされて、私がもうとっくに裏切られちゃってたこと、知りもしないでさ

    変なプライドと劣等感が生活を憂鬱にさせているみたいな。
    一発屋の憂鬱ですね。
    恵まれているのに、恵まれているからこそ満たされないものがある。

    これが群像か、って感じ(何
    厚さ薄いし会話文多いし期待弱だたけど、これはいいね!素晴らしい)^o^(

  • プライドが捨てられない。過去の栄光も捨てられない。
    だから、幸せなのに実感できない。
    恵まれて、努力もして、愛されてもいるのに。
    だから、周りに厳しく接してしまう。
    幼い頃の知り合いにであってそれに気付いてしまう。

    自分にもきっと、この人に似ている部分って持っているんだと思う。

  • エリートの挫折、捻くれたプライドと美的秩序のない実家のなんやかんや。主人公のクレーム気質というか理屈っぽい嫌な性格が少し理解できてしまう私が嫌だ〜エリートでもないのに!

  • 何だかえらい癪に障るやつ。でも、いるよなぁこういうやつ。すべてを周りのせいにばかりしてるやつ。
    ラストはどんな展開が?と期待したけれど、非常に中途半端にしか思えない。この主人公ならば、もっと色々な展開を書けそうなのに、残念。

  • 年代的にも、人物的にもあまり共感はできない。

    結局のところかつての友人との邂逅はあまり意味がなかったように感じるのだが。

  • 読んでいてイライラしちゃった…。高学歴が悪いんじゃなくて、職種の選択ミスだと思う。今からでもコミュニケーションが少なくて、でも頭を使う仕事を探せばいいじゃん…と思ってしまった。じぶんで何かを解決するって経験に乏しかったのかな?こんな常に不機嫌な奥さんで、旦那さんが不憫。

  • 1時間で読了。
    さらっと読めた。
    東大卒でバリバリ仕事をしてきたという肩書きも実は適応障害になり仕事がしんどい、、
    夫、姑、家族との関係

    まっすぐな気持ちに応えられなかった凛子も最後は少しきもちがほぐれすっきり終わった。

  • 何かになり損なった人々が描かれています。20代の時に何もかも上手くいかない時に出会った本でした。主人公もなり損ないの自分に苛立ちを抱えながらも最後はとある場所で自分だけの答えを見つけます。最後は主人公と共に小さく笑っていました。

  • 朝比奈あすか先生の著者近影が、巻末カバーに載っていて、なんて綺麗な人だろうと思った。著者の、現在の作品まで続いている、ふわっと胸を締めてくるせつない余韻の原点を見た。いまがどうであれ、過去の風景は、誇らしくて、愛しい。そう思うと、今をどうしようもなくもがきながら生きることにも、未来のわたしにとって、決して無駄なんかじゃないんだろうなと思えた。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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