だから、僕は学校へ行く!

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 116
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062136334

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『五体不満足』の著者が小学校の先生に!四月から杉並区立杉並第四小学校教諭として勤務する乙武洋匡氏が、子どもたちに伝えたいメッセージとは。

感想・レビュー・書評

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  •  教育について語るのは難しいですね。誰もが教育を受けたことがあるので、それなりの知識・経験と持論がある。でも、学校での経験は同じではないので、話してみると意外にかみ合わないことが多いです。

     でも、乙武さんが書いたこの本は、率直に教育を語っています。ご自身、社会人を経験しながら教員免許を取って教員になってしまうという意気込みですから、かなりの思い入れだと思いますが、論旨はきわめて正論で、偏っていないというのが私の印象です。

     もっとも、いくら正論でも、それが市民権を得るのは結構大変。この本がベストセラーになるか、乙武さん自身が政治家にでもならない限り難しいだろうと思えるのが残念です。

  • 乙武さんが言うからこそ響く言葉はあるし、救われる人もきっといると思う。

  • 「それぞれ、違っていていいんだよ」
    「教育はね…最後は人柄、人間性だから」

  • 体罰の問題とか、なんとなく自分の経験だけで語ってる人は、この辺からちゃんと問題を捉えなおすべき。ってくらいわかりやすく教育問題に入っていける。

    twitterや他の著書もそうなんだけど、この人は物の見方がすごく真っ直ぐだと思う。
    政治的な、思想的な、偏りの前に、「人間として」が根っこにあるんだろうなぁ。

  • 読みながら,
    小学校時代から大学まで,
    私自身の長い学校生活,学生生活が思い返されました.
    いろいろあったなあ・・・と,ひたひたに浸りながらも,
    いつの間にか遠くなっていて,
    細部まではうまく思い出せないのだけれど.

    誰しも,誰かれと同じようではない.
    学校は社会の縮図なのだから,
    いろんな考え方や個性の生徒がいるはずで,
    それぞれ違った背景があるのが当り前です.

    だけど,子どもはまだできたてほやほやで,形が固まってないので,
    これから色々なかたちに変わっていくことができる。
    しかもとっても繊細だし,なにかに慣れているようなことも少なくて,
    温度だってかわりやすい.

    どうやって接していけばよいのだろうか.
    みんなが同じではない.
    絶対に何が正しい悪いということもない.
    みんなを何かと同じにしようと思ったら,
    どこかでほころび,歪み,余りがみえるでしょうね...


    乙武さんが教壇に立つまえの準備,企画構想段階で,
    彼がどう考えているか,何を悩んでいるか,どのような体験をしたか,
    ということが,いろいろ書かれています.
    ひじょうに素直な彼の意見には,共感することも,より深めていきたい内容も多いです.


    乙武さんの明快な主張が強い説得力をもつのは,
    単に,彼が人とは違う障碍者である,
    という理由のためだけではありません,
    彼自身が,主張を支持するに十分な知識と資格を
    努力によって身につけているためではないでしょうか.
    人間としてとても尊敬するべき方だと,
    私のなかでも非常によく存じ上げております.

  • 図書館で借りて読了。

    「五体不満足」の乙武さんが教育という道を選ぶことになった経緯から、
    小学校の教員になるまでを簡潔にまとめたエッセイとでもいうのかな…

    スポーツライターとして様々な人との触れ合ってきた乙武さんならではの視点から見た教育が新鮮だった。

    今の教育の課題を見抜いていることはさすがだと思った。

    「教育はね…最後は人柄、人間性だから。」
    「将来の僕とも向き合ってくれていたのだ」
    「再びチャンスを与え、また信じるんです。」
    「何度も裏切られる。だけど何度でも信じるんです」
    心に響きます。

  • いつもながらわかりやすい平明な文体。

  • 他の著作にも言えることだが、物事を考える切り口が興味深く、

    簡潔・丁寧で明快な文章力もさすが。

    特に、教育問題に対する子供と大人の見方のギャップについて、

    自身の経験ベースで視点の変化を自覚するくだりは秀逸。

    個人的には、オムニバスのような形式で、各論点への考察が導入で終わっ

    てしまっているのがやや勿体無く感じた。

  •  乙武さんが教育の世界に飛び込んでいく過程の本。教育の世界とは、世間の常識とは少し違うところがあって、教育の常識を乙武さんが少しずつ知っていくところが面白かった。
     あと、学校という場だけではなく、地域や不登校など学校以外の周辺の教育の場にも触れているところがよいと思う。

  • 五体不満足の著者、乙武 洋匡の教育感が書かれた本。

  • 乙武さんの教育に対する気もちがストレートにかかれている。
    昔と今のギャップを感じながら、答えを探している。しかも楽しみながら。おもしろいです。

  • 教育現場に入り、体験しただけでなく、
    教員免許をとり、現場を知って、具体的に変えていこうと行動しているところに尊敬の念を抱いた。
    子どもたちのよいところだけでなく、学ぶ環境についても指摘していたように思う。

  • 最近乙武さんがメディアに出てこないなあ、と思っていたら、小学校のセンセイをしていたんですね。「五体不満足」を書き、その後、スポーツライターとしてワールドカップの観戦記を書き、そして、今度は教育へ足を踏み入れていた。。。
    それは、まるで導かれたかのような職業で、契約としては今年度いっぱいのようだけど、たくさんの子供たちに出会って欲しい。
    障害児教育については、彼が今まで授かってきた過去からたくさん還元することがあるだろう。

  • 学校に、教育に、なんの希望ももたれていない昨今。

    こんなはずじゃないのにってずっと思ってた。

    学校が大好きだったわたし、先生をオトナとして人間として尊敬していたわたし、今のわたしをつくってくれた先生方。

    今の子どもたちの前にそんな先生はいまや存在しないの‥??

    いた!わたしと同じ年の乙武さん!!

    この本に書かれている乙武さんからのメッセージを、先生にも、これから先生になる人にも、子どもたちにも、子どもの親にも、みんなに読んでもらいたい。

    乙武さんの今を知りたいなー。実際の教育現場はきびしいっていうし。乙武さんの想いが崩れることなく、教師という仕事にその能力を思う存分発揮していてもらいたい。

  • 「正解など存在しない。それでも無回答で立ち止まるのではなく、まずは大人たちが『自分なりに出した答え』を見せていかなければ。」
    本文p77より。

  • 乙武さんは、私はこのままチャラい(失礼)ままでいくのかと
    思っていました。メディアに出てばかりでしたからね。
    あまりメッセージも伝わらなくなってた。

    でも、大学に編入して、教師になるその志には
    純粋に感動しました。

  • 今の教育問題を考えさせる一冊です。

  • 『五体不満足』が有名な乙武さんがスポーツライターを経て選んだ活動の場は、「教育」の分野でした。新宿区の「子ども生き方パートナー」として小・中学高校を回って取材した、様々な学校での様子や子どもたちの状況・教育への思いを集めた本。乙武さんの教育への熱い思いが詰まっています。(2007.10.25)

  • 高学年となって、あまりしゃべらなくなる現象を嘆いているよりは、どうすればそれを打破して、楽しい授業ムードを創り出せるのかを考えることが肝心なのである。原因は自分にあると考えることで、学級づくりのアプローチが変わってくるのではないだろうか。

  • 読後、胸が熱くなりました。この人の考え方はほんとに好きだなー、と改めて感じた一冊。しっかりと自分の”軸”をもっていて、それでいてそれを押し付けるような強引さもない。だからすーっと考えがこちらの中に入ってくる。これから教員の道を進むに当たって、参考にすべき考え方や行動の仕方が多様にありました。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が600万部のベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身も出演。現在は、執筆、講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『AbemaPrime』の水曜MCとしても活躍している。『自分を愛する力』、『車輪の上』(以上、講談社)、『ただいま、日本』(扶桑社)、『ヒゲとナプキン』(小学館)など著書多数。

「2021年 『だから、みんなちがっていい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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