愛と癒しと殺人に欠けた小説集

著者 :
  • 講談社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062136730

感想・レビュー・書評

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  • 週刊ブックレビューのお勧めを見ていてタイトルにググッツと来たので買ってみた。実は、このタイトルが示唆するような「何もないような話」というのがすごく好きなので。この分野(?)での個人的ナンバー1は保坂さんの「カンバセイション・ピース」なのですけども。柴崎友香さんもその流れで大好き。

    残念なことに読み始めて直ぐに気付いたのだけど、この本はタイトルが言うほど何も無い日常の中の特異さみたいなものは描かれておらず、むしろきわめてフィクショナルな設定のストーリー性が少々鼻につく小説という感じがする。どうせそういうことなら、三崎亜記みたいに不自然な枠組みの中でとことん日常に徹する(それでいて物凄い皮肉が利いている)ようなものであればよいのに。その線でいうと最初に置かれている「ヌード・マン」はよかったね。ある意味鮮やかな小説性があります。

    期待したものと違っていた点だけ、それも作者の前書きを読み終わった時点でもその期待が高まりこそすれ勘違いであることに気付かせてくれなかったことを含めて、自分には珍しく星一つ足りません。

  • 話題短編を集めた、伊井氏の第二小説集。 「ヌード・マン・ウォーキング」のロングバージョンをいれた珠玉の作品集。
    読売賞作家の魅力が満載された、特異の前書き付きの話題作。

  • 2007.5.2読了。<br>
    タイトルが気になって読んでみようとおもった本。<br>
    装丁惚れ、タイトル惚れ、失敗する率が高いけど、ついついやっちゃう。<br>
    今回のはまぁまぁ。変わったお話でした。<br>
    殺人なのかなー?<br>

  •  通常の後書きがまえがきにあるという、なかなかにユニークな趣向の作品集。大盤振る舞いですね(笑)。 どの作品も、かなり意図的に書かれている実験的な作品とみた。特に後半の3編は「ストーリーを排除し、日常の出来事をできるだけ起ったままに書く」ことを試みている作品なのだとか。なるほど。「えりの恋人」はその小説的手法もさることながら、主人公だけでなく読み手をも不愉快不機嫌にさせて、そういう意味でも素晴らしい作品だと思いますわー。 「ヌード・マン」「えりの恋人」「掌」の印象が深い。難解そうだと敬遠していた伊井作品、今年は読もうかな〜。 (2007.1.7読了)

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著者プロフィール

伊井直行(いいなおゆき)
1953年、宮崎県生まれ。83年「草のかんむり」で群像新人文学賞、89年『さして重要でない一日』で野間文芸新人賞、94年『進化の時計』で平林たい子文学賞、2001年『濁った激流にかかる橋』で読売文学賞受賞。他の著書に『お母さんの恋人』『青猫家族輾転録』『愛と癒しと殺人に欠けた小説集』『ポケットの中のレワニワ』『岩崎彌太郎「会社」の創造』『会社員とは何者か? ─会社員小説をめぐって』などがある。

「2016年 『尻尾と心臓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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