一瞬の風になれ 第三部 -ドン-

著者 :
  • 講談社
4.16
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本棚登録 : 3383
レビュー : 536
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062136815

作品紹介・あらすじ

ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。この身体とこの走路があればいい「1本、1本、全力だ」。すべてはこのラストのために。話題沸騰の陸上青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 見えた!鮮やかに!
    南関東4継決勝、第7レーンに並んだ鍵山、連、桃内、新二の後ろに
    根岸、守屋、浦川、みっちゃん。。。と連綿と続く、春高陸上部のみんなが。

    先輩からの壮大なバトンパスを思い描きながら
    ジンクス王浦川手作りの(ありとあらゆる念がこもっていそうな)
    スカイブルーの鉢巻きをはためかせ、4人で走り抜ける400m。

    抜群のバトンワークと充分な走力を持ちながら、総体で勝てるチームという夢のために
    自ら身を引き、後輩に道を譲った根岸に見守られ

    他人の気持ちを全く斟酌しない問題児から、連の走りへの憧れを経て
    仲間と走る楽しさを知り始めた鍵山から

    お菓子が主食という超偏食ぶりだったのが嘘のように何でもしっかり食べ、
    全力で走ってライバルに勝つ!という闘争心を露わにするようになった連、

    問題児鍵山との確執をチタンテープと笑いで乗り越え、
    相変わらずのムードメーカーとして連と新二というツートップを支える桃内、

    「怪我はするな」という兄の言葉を深く胸に刻みつけて
    ひと試合ごとに驚異の成長を見せ、自分の走りをついに身につけた新二へと

    流れるようなアンダーパスで繋げられるバトンと想い。

    ページを捲る手が止まらなくて真夜中の3時に迎えたラストシーン、
    『ドン!』の合図で更なる高みへと走り始めようとする
    新二の前に現れた走路が放つ眩しい光に
    夜の闇が追い払われ、一気に朝が来たかのような
    爽やかな感動で胸がいっぱいになりました!

    • マリモさん
      400m、あっという間に終わってしまう数十秒の、0.01秒を縮めるための努力や葛藤。。
      読みながら感動がよみがえってきました>< あぁこのメ...
      400m、あっという間に終わってしまう数十秒の、0.01秒を縮めるための努力や葛藤。。
      読みながら感動がよみがえってきました>< あぁこのメンバーみんな懐かしいなぁ。
      素敵なレビューをありがとうございます^^

      私もこの本を読み終わったのは確か夜中でしたよー。
      真夜中ってすごい感情高ぶってしまいますよね!
      時々、本読み終わったあと興奮しすぎて寝つけず本当に朝を迎えてしまったりすることもあったり(笑)
      2012/10/04
    • まろんさん
      noboさん☆

      ほんとに、読み始めたら途中で小休止なんかできない本ですよね!
      娘には「さっさと寝なさい!」と言っておきながら
      こっそり灯り...
      noboさん☆

      ほんとに、読み始めたら途中で小休止なんかできない本ですよね!
      娘には「さっさと寝なさい!」と言っておきながら
      こっそり灯りをつけて夜中まで読みふけってしまったのはヒミツです(笑)
      息をとめて真剣にページを捲っているnoboさんが目に浮かぶようで
      またまたうれしくなってしまいました(*'-')フフ♪
      ほんとにかわいくてしょうがない高校生たち、
      もちろん新二や連もいいけれど、私としては
      守屋先輩、根岸、桃内の3人が特にお気に入りです♪
      2012/10/05
    • まろんさん
      マリモさん☆

      レースのシーンの疾走感も、そこに至るまでの気が遠くなるような地道な鍛錬も、
      不安やコンプレックスや怪我に押しつぶされそうにな...
      マリモさん☆

      レースのシーンの疾走感も、そこに至るまでの気が遠くなるような地道な鍛錬も、
      不安やコンプレックスや怪我に押しつぶされそうになりながら
      必死にそれを克服していく若い精神の伸びやかさも、
      ほんとうに美しく尊くて、感動の嵐でした!

      『風が強く吹いている』は舞台が大学だったので、
      ある意味自由というか、独特の「ユルさ」の中で物語が進んだけれど
      『一瞬の風になれ』は高校という、
      まだ大人として認めてもらえない不自由さの中に皆がいることで
      理不尽な大人への反抗とか、それを乗り越えた時の神々しいほどのストイックさが際立って
      春高のみんながひたすら愛おしくなりますね!
      忘れられない素敵な作品を紹介してくださって、ほんとうにありがとうございました♪

      私も真夜中に目がらんらんとしちゃって、
      「おお!今まちがいなく近来稀に見る量のアドレナリンが出てる!」
      と自覚できるほどの興奮ぶりでしたが、
      またそんな体験のできる本がありましたら、教えてくださいね!
      2012/10/05
  • 青春だ。青春だ。青春だ。
    感動した。
    特に第二部が一番好きかも?
    けど、インターハイや谷口さんへの恋はどうなったのか?
    気になる。

  • ランナーズ・ハイみたいに、ただひたすら楽しいなあーっ!と駆け抜けるように読み終えた。
    まだ明日、次の勝負もあるけど、ここで、このリレーで終わっているのがすごく好き。
    途中までは、どう終わるのかな、やっぱり最後の勝負の途中、勝敗がわからないような形で終わりにするのかな、と思っていて、そのパターンは綺麗だけど、でもすっきりしないな…と(勝手に)もやもやしていただけに、このタイミングだったのがうれしい。
    本当に気持ちのいい青春スポーツ物語だった。

  • スポーツエンターテイメントの最高作じゃないか。作者は陸上の事をよく知っている、精神面も含めて。スポーツにはドラマがあると思うが、決してそれは頂点の一握りの人の話ではないと思う。それぞれの目標を持って競技に臨む人たちは、真剣に取り組んでいる人ならトップアスリートでなくても、多くのものを得られることを教えてくれる。谷口も監督のみっちゃんも(過去の選手時代も今も)、リレーメンバーに選ばれなかった人でも、それぞれ陸上にかける思いがあり、トラックで何かを得て成長していく。人生そのものという事かもしれない。

  • 終わり方それかー。
    是非、連くんとの決着を付けて欲しかったけど。
    天才的な連くんより佐々木の方が速いんだね。
    兎にも角にもいい青春小説だった。

    ストーリー
    高校の最終学年を迎えた新二。入部当時はまったくの素人だったが、今では県有数のベストタイムを持つまでに成長した。才能とセンスに頼り切っていた連も、地道な持久力トレーニングを積むことで、長丁場の大会を闘い抜く体力を手にしている。
    100m県2位の連、4位の新二。そこに有望な新入生が加わり、部の歴史上最高級の4継(400mリレー)チームができあがった。目指すは、南関東大会の先にある、総体。もちろん、立ちふさがるライバルたちも同じく成長している。県の100m王者・仙波、3位の高梨。彼ら2人が所属するライバル校の4継チームは、まさに県下最強だ。
     部内における人間関係のもつれ。大切な家族との、気持ちのすれ違い。そうした数々の困難を乗り越え、助け合い、支え合い、ライバルたちと競い合いながら、新二たちは総体予選を勝ち抜いていく――。

    前2巻の集大成である本書には、大会における競技シーンが多い。そこで読み手の感情を揺り動かすのは、それまでこつこつと積み重ねてきた人物描写だ。1、2巻を読み終える頃、物語の登場人物たちは、もはや他人ではなくなっている。新二の声を枯らした応援につられ、握りこぶしを作って声援を送る読者も多いはずだ。
    その興奮、緊張感は、南関東大会でクライマックスを迎える。若きスプリンターたちが大舞台のスタートラインに立ち、ぞくぞくするようなスピード対決が、いま、スタートする。(小尾慶一)

  • もう少しこの恋の行く末を見たかったなーと思うけど,それを知るのはもったいない気もする.

    目をつぶると夏の入道雲が浮かんでくるような,とても透き通った青春のお話です.

  • 爽やか!この一言につきます。気持ち良く青春の世界に浸れました。
    新二の語りが高校生らしくて、じぶんが高校生に戻ったような感覚になりました。わたしはこんなに物を考えてはいなかったけど。
    努力をこれでもか、と積み重ねあ後は、なにも考えず、「走りたい」という気持ちに素直に走る。この精神力。努力したからこそ、生まれるんだろうな。
    スピード感のある短い文体が、レースの緊張を伝えてくれました。とても心地よかった。疲れた時にまた読みたいと思える青春小説でした。

  • ここにきて主人公のタイムがぐんぐん伸びてきて、努力したことが実っていくのが我がごとのように嬉しかったです。
    ただ、チームメイトが全て上手くいくわけでもなく…陸上の一発勝負の怖さは半端ないなと思います。こっちも大声で応援したくなります。
    最後に最高のリレーが見れたときは感動です!

  • 清々しく、晴れやか。
    挫折、葛藤、友情、成長、活字での感情が上手く表現されていて引き込まれる。
    いま、この本に出逢えた事に感謝のできる一冊。

  • かっこいい。とにかく。爽やかですっきりした読了感。
    高校生活を陸上に捧げてて青春だなって感じです。
    読んだことない人には是非、お勧めしたい。
    それぞれの登場人物が魅力的で、頁をめくる手が止まらなかった。
    陸上部の話で、走ってる時の描写が上手い。
    颯爽と駆け抜けていく情景がありありと浮かぶ。
    主人公とライバルの関係が素直にいいなと思える。
    続きが気になる終わり方でした。3巻にレビューつけてしまいましたが、
    3冊とも面白いです。
    個人的にものすごく好みです。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で吉川英治文学新人賞、『聖夜』で小学館児童出版文化賞、『明るい夜に出かけて』で山本周五郎賞を受賞。そのほかの作品に『しゃべれども しゃべれども』『神様のくれた指』『黄色い目の魚』『第二音楽室』などがある。

「2018年 『シロガラス5 青い目のふたご 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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