獣の奏者 II 王獣編

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 337
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062137010

作品紹介・あらすじ

傷ついた王獣の子、リランを救いたい一心で、王獣を操る術を見つけてしまったエリンに、学舎の人々は驚愕する。しかし、王獣は「けっして馴らしてはいけない獣」であった。その理由を、エリンはやがて、身をもって知ることになる…。王国の命運をかけた争いに巻きこまれていくエリン。-人と獣との間にかけられた橋が導く、絶望と希望とは?著者渾身の長編ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • (2015年4月15日 文庫で再読)

    初めて読んだときもすごく感銘を受けたけど、本当におもしろく深くてため息が出ちゃう。
    強くて頑固で努力家でやさしくて清廉で、でも人間らしいそんなエリンが好きです。

  • これはものすごい傑作なんじゃないでしょうか。多分この先何十年も色あせずに読み継がれていく。同時代に産まれたことを幸運に思います。万歳。
    上橋菜穂子さんの作品なら「面白くて当たり前」くらいな気持ちがあるけど、期待を上回っていて。

    想像力をかきたてられる王獣や闘蛇の描写、厚みのある世界観、登場人物たちの複雑な心の動き、躍動感のあるストーリー。
    本の世界にどっぷり入り込めるしあわせ。これぞ読書の醍醐味。

    そして、主人公。天真爛漫な美少女でもなく、無敵の魔法を使うわけでもなく、実は王家の継承者なわけでもなく、伝説の少女でもなく、最初はただの傷ついた娘にすぎない。
    苛酷な運命に放り込まれ、癒えない傷を背負い、迷いながら、それでも逃げずに己の頭で考え、己の手を動かし、己の足で一歩ずつ人生を歩んでいく。
    だからいい。彼女が信じたかったものに、物語はどんな答えを出すのか、わたしたちは固唾を飲んで見守る。彼女の信じたかったものを、わたしたちも信じたいと願いながら。

    生きることは甘くない。優しさと純粋さだけでは何も救えない。それでもきれいごとを言えるのは強さだ。
    いやほんと、最後のシーンは胸が熱くなりましたよ・・・。まさか泣くとは。

  • 感動。読み終わって暫くは現実に戻ってこれなかった程引き込まれた。

    ラストシーンは、心を打たれる。
    獣と人間が心を合わせることができる。
    人間同士でも、心を合わせることが困難なのに、それを獣と。

    エリン、彼女は素敵な人です。

    あの世界で生きていてほしい。

  • ページを!捲る手が!止まらないッ!
    涙を!拭うティッシュが!足りないッ!

  • 中高生に読んでほしい本ベスト5に入る。

    セィミヤとシュナンが良かった。次代の真王と大公となる重責を負う若き男女。二人の覚悟は青いながら凄烈ですね。

    いくつか疑問が残ったが、三巻以降で明らかになるのだろう。闘蛇の死んだ理由とか、あまり詳しく明かされなかった母の思考とか。

    ダミヤは一生監禁かしら・・・放免は無いでしょうね、仮にも真王の血を野に放つ訳にもいかないし。死刑も同じ理由でない・・・よな? 興味深い人だったが残念だ。あの極論に至るまでに何があったのか、彼が旅先で何を見てきたのか、掘り下げると面白そう。
    フィクションなら酷い人間も愛せる。サスペンスの犯人にも惹かれる。どうせ悪事を起こすなら、それなりの覚悟と悲壮さがあって欲しいですけどね。理想は『高瀬舟』と『容疑者Xの献身』だなあ。

  • ラストに感涙。決して生易しくないところに。
    何もかもがわかってすっきりハッピーな終わり方ではなく、どうして、どんな気持ちで、という探究心と一度は見失った親愛の情が感じられる終わり方。
    人と獣の間には冷たい壁がある。分かりあったつもりでいると、とんでもないことが起こることもある。その非情さをきちんと示してくれたので、信頼して物語にどっぷり浸かることができた。

  • 王獣リランと心を通わせ始めたエリン。しかし人に決して馴れない、しかし「国の権威の象徴」である王獣を馴らす方法の存在は、国を大きく揺るがすことに。人の作る権威や権力のために大自然の賜である獣を利用する人間、もしくはその集団の歪んだ意識が胸を痛ませます。力を欲する醜さ無情さは心を通わす優しさ美しさに見向きもしない。人と獣の壁。その不条理、あるいは真理にエリンは対峙します。一気読みでした。エリンを守るためのリランのこの巻最後の行動に胸が熱くなります。セィミヤ陛下もよく決心した!それでこそ真王!

  • 一気に読んだ。2日で読んだ。

    エリンの純粋な生物への興味と愛情が、悲しくも政治や闘争を生みます。歴史の大きな流れの中で、エリンはどのように生きるのか…。
    人間って本当に身勝手だなって、悲しく思いつつ、幸せな結末を願ってならない今日この頃です。続きを早く読みたい。

  • 獣の奏者シリーズ第2弾。
    「人」と「獣」。本当に絆は生まれるのか?エリンの気持ちが通じて欲しい!という思いで読み進めていきました。
    エリンがリランを操り、闘蛇の元に向かった時は「あぁ、やってしまったか。。」と心配する気持ちと同時にワクワクもしましたが、
    リランが闘蛇を殺していく姿はおぞましく、
    獣の真の姿を見せ付けられた気がしてぞっとしました。
    やはり「獣」は本能だけで動く動物なのだろうか。。
    でもラストシーンでは奇跡が!!
    「これからどうなるんだろう?」と期待と不安で第3弾が楽しみです。

    【傷ついた王獣の子、リランを救いたい一心で、王獣を操る術を見つけてしまったエリンに、学舎の人々は驚愕する。しかし、王獣は「けっして馴らしてはいけない獣」であった。その理由を、エリンはやがて、身をもって知ることになる……。王国の命運をかけた争いに巻きこまれていくエリン。人と獣との間にかけられた橋が導く、絶望と希望とは?】

  • 王獣保護場でエリンは、傷ついて食べ物も受け付けない王獣の子、リランを救おうとする。
    野生の王獣の親子を見たことがあったためだが、王獣をなつかせるのは実は禁忌に触れることだった。
    禁忌の理由も今は知られていないのだが…
    リランをなつかせ、言葉もかなり通じ合うようになり、傷ついた野生の雄の王獣エクの面倒も見ることになる。
    リランの出産を吉兆と喜ばれて、真王である女性が暗殺を恐れて宮殿を出たこともなかったのに、王を守る王獣を見にはるばる出かけてくる。
    ところが帰途を闘蛇に襲われ…
    リョザ神王国の真王(ヨジェ)の伝統とは。
    真王領を守るはずの大公領の権力とのせめぎ合いに巻き込まれたエリンは?
    勇敢で一途な捨て身の少女。
    なんとも難しい立場ですが〜ダイナミックな描写でぐいぐい引き込まれます。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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