- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062137997
作品紹介・あらすじ
人生最悪の14歳。
それでも彼の答えに“死”はナイ。
幻の自伝的小説
この不気味な男の頭の中を、とりあえず覗いてみよう。――(東野圭吾)
もう二度とこの友達とは遊ばない。遊べない。だけどこのままじゃ僕はつぶされてしまう。大きな悲しみに小さな僕はつぶされてしまう。飲みこまれてしまう。ボケッ。僕は僕を守るんだ。悲しい色に塗り替えられてしまう前に。僕の心は僕が色を塗るんだ。――<本文より>
感想・レビュー・書評
-
ヤマアラシの距離って、家族にもあるよね。
赤ちゃんの頃って、母子密着だけど、どんどん大人になると、離れていく。時間的にも、気持ち的にも。お互い、必要ではあるが、分からない部分も多い。思春期の頃って自分で自分をもて余すこともある。仲の良い兄弟でも、姉妹でも聞けないなあと思ったり、親子でも聞きにくいこともある。この本て千原ジュニアさんの苦しみ抜いた思春期のエッセイみたいに受け止めた。長いトンネルかもしれなかったけど、ジュニアさんの人生できっと必要なトンネルなのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
引きこもり気質をもつ人はどこか天才肌であるといつも感じます。
特に若い年齢で引きこもってしまう子は、人生経験が少ないにも関わらず、その狭い社会に挫折したり絶望してしまうのでしょうが、のちに自分の居場所を見つけた時には、普通に社会性をもって生活してきた人たちと比べると少し違う輝き方をもつように感じます。
特に何かをつくりだすことにかけての感性は独特なものがあるように感じます。
千原ジュニアが若いころ尖っていたという話はよく聞きますが、今の独特な面白さや兄靖史いじりの影には、ジュニア自身の引きこもりとそこから兄に救い出してもらった経験からの表現だということがわかって胸が熱くなりました。 -
我が子の反抗期の少しでも理解になればと
手に取った。
まだ途中だが、ご両親の気持ちを考えると苦しい。でも、千原ジュニアもそして我が子も苦しいんだ。
そして、日周りの大人が何をしても解決せず時間が必要な時もあるわけで、周りの大人が悪いわけではない。
ま、結果今があるからそう言えるわけで。そうでない人達もいっぱいいる。読むのがしんどくて2回目はない。 -
「にけつッ!!」でよく家族の話を持ち出すジュニアだが、そこに至るまでにこんな壮絶な戦いがあったのかとハッとさせられる。「自分は他人と同じ人生を生きられない」ことをハッキリと自覚していたにも関わらず、周りの大人がそれを認めようとしなかったゆえの悲劇。鬱積したひきこもりだったころのリアルすぎる生声は、当事者と関わる親、教師、関係者は一読すべき。そして、最後に救いの手を差し伸べるのは、親や先生(タテ関係)、友人(ヨコ関係)ではなく、祖母や兄(せいじ)といった「ナナメの関係」なんだなあ、と思った。
-
小説の形はとっているものの、回顧録のような印象を与える作品だった。
一人称の「僕」を使うことによって著者の目線で描かれており、固有名詞が出てこないぼんやりとした、内省的な世界観が展開されている。
一つ一つの文が短く、語りかけてくるような文体が読みやすい。
「人を傷つける人間は、文字を書くための道具でも人を傷つける」
著者が金髪で学校に現れたとき、体育教師からボールペンで頭を刺された時の言葉だった。
文字を書く道具で傷つける教師、それを見て笑う他の生徒。
異質な存在に対して向けられる、多数の正当化された暴力。
他人と違う自分を認識しながら、自分の道を必死に探す著者の壮絶な闘いの先に著者が見つけたのは、人を笑顔にする世界だった。
ジュニアの鋭い“ナイフ”は、人を傷つけるものではなく、人を笑顔にするためのものなのだろう。 -
すみません、なめてました、すごいです、ジュニア!なんてリアルで痛々しい。14歳のジュニアの息遣いまで聞こえてきそうなくらいの臨場感。大人になってからこんなみずみずしい文章が書けるなんて。。。そしてTVでは決して分からなかったお兄ちゃんの包容力。かっこよすぎです。これ、マジな話なの?物語だとしても、素晴らしいです。ジュニアが引きこもってたとは。。。ぜひ引きこもりボーイ&ガールを抱える親御さんに読んでほしいな
-
正直、千原ジュニアがすごく好きな訳ではない。でも、この本を何気なく図書館で見つけてこれは、と思った直感は当たっていた。
感想。すごい、こんなに曲がらないひともいるんだと。子どもとは家族のカタチとは…読んでいろいろ考えました。何回も涙がでた。
あのとき、もっと他に読みたかったヤツを本棚に戻して、この本借りて良かったー。 -
不登校の14歳。とても苦しい毎日だったんだろうな。そして、子供を持つ親の私は、主人公のご両親、とくにお母さんの気持ちを想像してもまた胸が苦しくなる。
不登校児への視線が変わる本。 -
千原ジュニアの将来の自分の戦うリングを見つけるまでの、引きこもり時代の話でした。年ごろの生徒が抱える不安が良く表されて、苦しさが伝わった。
-
まさに今、その時である娘に重ねてなんだか辛くなってしまった。兄ちゃんが出てきてからの展開に救われた気がした。