江戸おしゃれ図絵 衣裳と結髪の三百年

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 59
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062138031

感想・レビュー・書評

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  • この本は江戸初期、中期、後期に分けて江戸の人々が300年かけて追い続け、練り上げた衣装美について知ることができる。
    江戸時代初期では、着物が見頃がたっぷりで袖は6分丈と短く、たもとの丸みは大きく、現在の着物と大分違うことに驚いた。
    中期になると帯の幅が広くなり、結び方にも楽しさが生まれたことがわかった。
    後期になるとほぼ現代と同じ形だったが、裾は当時の方が広がったデザインになっていた。
    着物はだんだんと形が変わっていったということを初めて知った。現在は洋服を着ることがほとんどだが、やっぱり和服もいいなと思った。
    和服の良さを知ることができる本なので、和服が好きな人だけでなく、衣服が好きな人にもおすすめの本だと思う。

  • 江戸時代における着物の着こなしの流行を調べた本。

    着物というものはどうも「こういうふうに着るもの」という正解が求められて窮屈な印象があるのですが、着物が "日本の作法"でもない時代にはいろいろな形や着こなしがあったのだと知り面白かったです。

    現在は "日常に着る" という着方がほぼなくなって、堅苦しい作法としての着こなししか残っていないのでは、という気がしました。

    挿絵は当時の文献から著者が描き起こしたものらしいのですが、着物の形や着こなし方を知るのには、ちょっと捉えづらく思えるのが不満といえば不満です。

  • すごいです!今まで、時代劇の髪型にこんなにも違いがあると想像したこともありませんでした!
    こんな内容、よく調べたなと思います。現代の参考資料などほとんどないのに、と思ったら、ちゃんと江戸時代に書かれたものをひもといて、分かりやすい現代語にしてくれて。
    絵もこの方の本職のようですが全て資料そのままでなく、描き直されているからこそ、ここまで統一感のある、見やすい本になっていると思われます。
    私も昔のものがなんだか好きなのですが、著者はもっともーっと深くどっぷりはまっていて、ファンになっちゃいました。

  • 三百年、太平の江戸。その中で度々出された改革・禁令もなんのその。女も男も、粋に装う!!
    初期、中期、後期……小袖の袖は伸び、裾は長く引き、帯は幅広に、そして、髪は結い上げ、上へ、上へ。
    そして着物や帯の染め、織り、柄の流行も変わっていく。
    江戸時代の人々が三百年をかけて追い続け、練り上げた衣装美。そこから鑑みる彼らの美意識を色鮮やかなカラーイラストで解説。

    本当のファッションはヨーロッパではなく日本にあった。
    戦国時代が終焉。そして待っていたのは長い太平の世。戦争の無い時間が生んだ衣装と結髪の流行史を紹介する大江戸ファッション辞典。

  •  着物の形、着付けの方法、髪型。どれ一つとっても、今私たちが「江戸時代のもの」として目にしているものとは違います。江戸時代って300年。その中でもかなり変化しています。

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著者プロフィール

菊地ひと美(きくち・ひとみ)
衣装デザイナーを経て、早稲田大学の一般講座や江戸東京博物館で10年間学びつつ、著作活動(文と絵)に入る。2002年から始まった日本橋再開発に作品が起用された。また、2004年国立劇場より制作依頼を受けて描いた『伝統芸能絵巻』全4巻(10メートル)は、海外2カ国の国立美術館(ローマ・ブタペスト)で3カ月間展覧された。2008年には、丸善・丸の内本店にて同絵巻の国内初披露を含む個展を開催。現在は絵本を含む著作執筆を中心に活動中。主な著書に『江戸の暮らし図鑑 女性たちの日常』(東京堂出版)、『お江戸の結婚』(三省堂)ほか著書多数。

「2021年 『江戸衣装図絵 武士と町人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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