福沢諭吉 国を支えて国を頼らず

著者 : 北康利

• 講談社 (2007年3月30日発売)

作品紹介・あらすじ

教育をどうする?この国をどうする?迷える日本人よ、福沢翁に聴け!ベスト&ロングセラー『白洲次郎 占領を背負った男』に続く傑作人物伝、ここに誕生。

感想・レビュー・書評

[toshi1231さんの感想 · 2020年10月29日]

国を支えて国を頼らず。諭吉の言葉「独立自尊」の意味を見事にあらわしたタイトルだと感じました。言わずと知れた慶応大学の設立者にて、「学問のすすめ」の著者ですが、その教育者、起業家としての生きざまは、現在はあまり知られていないように思います。
一人一人が、一人の人間として立つことが何よりも基本であり、それによって、社会も国家もしっかりとしたものになるのだということを、あらためて教えられました。ちょっと分厚いですが、おすすめの1冊です。特に、これから勉強することでまだ何者にでもなれる可能性を持つ若い人には、大いに勇気をもらえる作品だと思います。

[熊本 ててんごさんの感想 · 2017年11月10日]

大分中津の福沢諭吉が育った家を見てから、福沢諭吉に興味が湧いた。咸臨丸に乗ったり、西欧使節団の一員となったり、緒方洪庵の塾頭になったり、慶應義塾を創設したり、幕末、明治を駆け抜けるバイタリティ。圧倒的迫力がある。もっと知りたいと思った。

[stargate12さんの感想 · 2013年7月1日]

未来が見えた人にその未来が力を授ける、それが偉人なのですね。
福沢諭吉の多大な功績のみならず、それらを貫くプリンシプルに光を当てた良書でした。。

[必笑くんさんの感想 · 2012年12月31日]

福澤諭吉という人物について、それを深めることができる著書の一つ。多くの人は、一万円札の顔の人、慶應義塾の創始者、学問のすすめの著者という認識だろう。しかし、実際は違う。慶應義塾と通じて築かれた、福澤山脈といわれる人物群像こそが、福澤諭吉の真の姿ではと思う。慶應義塾に始まり、銀行、保険会社、新聞社を起業（当時でいえば、ベンチャ－起業）をし、一方では、鉄道、電力、商社、百貨店、大学の総長、病院。それぞれの分野で起業・開業をしていく人を輩出していく。また、政界にも、大きく影響を与えていきます。起業家であり、教育者であった。これほどまでに、国家の基礎を築き、国家に貢献しながら、国家に依存することを潔しとしなかった態度に気概を感じます。この本では、そういうことを小説にも似たタッチで描かれており、福澤諭吉が生きた時代を追体験できます。良書です。

[yutukiさんの感想 · 2012年7月29日]

伝記ではあるが、福沢を始め登場人物たちが生き生きとして描かれており、小説を読んでいるように読みやすい。厚い本だけどすらすら読める。「独立自尊」を唱えた福沢の、その言葉通りの人生の歩み、かつ情に溢れる人柄がわかる一冊。

[skylarkingkyさんの感想 · 2012年5月24日]

・天は人の上に人をつくらず～
・慶応大学の創立者
・一万円札の人
ですよね、イメージとしては。
幕末の時代から明治の文明開化の時代の思想化・教育者であったことが良くわかりました。激動の自体において、世界の中の日本を的確に捉え、西洋思想を吸収していく人間の大きさがすごいです。
北氏の著作は、実績を賞賛するだけでなく、人柄というか、人間味が描かれていてとても魅力的な人物としてあこがれてしまいます。

一万円がより好きになりました。

[yosoyさんの感想 · 2012年3月14日]

あらためて福沢を深めているけれども、この本は福沢の人物像を紹介するものとしては、ものすごく読みやすい。「思いっきり頑固に拘る」ところと「どうでもよくて無頓着」なところが、折り重なっているのが、福沢の魅力であり、不思議なところであり、つかめない→さらにおもしろくなってしまうところでもある。

[harnessyourhopesさんの感想 · 2011年3月21日]

2011/03/19　紀伊國屋で文庫版平積み見つけ<br />文庫は上下２巻

[アルゴリズムさんの感想 · 2011年1月23日]

書評は
http://www.algorism.jp/review/20090203160813.html

[ochapeさんの感想 · 2010年9月1日]

情熱、努力、実行力、客観性、どれも群を抜いていた。
すごく鼓舞された。

著者プロフィール

昭和35年12月24日愛知県名古屋市生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末でみずほ証券退職。本格的に作家活動に入る。
著書に『白洲次郎 占領を背負った男』（第14回山本七平賞受賞）、『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』『佐治敬三と開高健 最強のふたり』（以上、講談社）、『陰徳を積む―銀行王・安田善次郎伝』（新潮社）、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』（PHP研究所）、『西郷隆盛 命もいらず名もいらず』（WAC）、『胆斗の人 太田垣士郎―黒四（クロヨン）で龍になった男』（文藝春秋）、『乃公出でずんば　渋沢栄一伝』（KADOKAWA）、『本多静六―若者よ、人生に投資せよ』（実業之日本社）などがある。

「2022年 『稲盛和夫伝 利他の心を永久に』 で使われていた紹介文から引用しています。」