ノルゲ Norge

  • 講談社 (2007年6月1日発売)
3.50
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062139588

みんなの感想まとめ

物語は、ノルウェーでの静かな日常を描き出し、語り手の内面の変化を温かく見守ります。寒さや暗さの中で、語り手は自身の心の癒しを求め、妻との生活を通じて少しずつ回復していく様子が印象的です。ドラマティック...

感想・レビュー・書評

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  • 作者を思わせる語り手の恢復記の印象。ノルウェーの寒さ、暗さ、芯の勁さを随所に感じながら、語り手の尖りが丸められて、凪いでいくように感じる。語ることで癒されるというか、語ることでしか癒されない部分を感じる。妻に添い生きることが語り手の恢復につながっている。

  • これといってドラマティックな山場を持つわけでもなく、なにか崇高なテーマを問い直すような素振りも見せず、物語はゆるゆるとおだやかに進む。起伏のなさがしかし「平坦」「退屈」という印象に結びつくことなく、かえって大河のような安定感として感じさせられてしまうのは著者の語り口の妙味ゆえか(あるいは個人的に、こうした「日常系」というか「slice of life」を扱った作品に弱いからかもしれない)。たしかなふくらみを持ち、心に沁みる作品と受け取る。人生と似たがる作品はたいてい陳腐だが、こんな例外もあるのだなと唸った

  • 図書館借り出し

    これはどこまでが事実だろうか
    ノルウェー滞在期間の日々が淡々と書かれている

  • 妻の留学先について行ったノルウェーでの一年。
    北欧というとおしゃれで美しいイメージだが、極夜や白夜は身体にも精神にも影響が大きいのだなぁと思った。
    言葉がわからないながらも、魚や鳥などを介していろんな人たちと通じあっていく。
    クリスマスなどのイベントの日に、それぞれの自宅に招待してくれるというのもノルウェーの人たちの懐の深さを感じた。

  • すごく楽しんで読めた。
    鬱病を煩っているトオルだけど、とても人懐っこく純真な感じがして、読みながら自分の心もほぐされていく気がした。
    一年が昼と夜に分かれているようなノウェー。
    昼の短い季節は辛そうだ。
    ノルウェーの四季と色んな人々との交流が、ゆったり生き生きと印象的に映し出されていた。
    鳥の鳴き声を一生懸命真似して説明しようとするのが可笑しかったな。
    《本当のところは誰にもわからない》佐伯一麦さんのファンになった。

  • 直感で購入。中身もほとんど見ずに。そして物理的に重いので通勤に持っていくのを躊躇していた。堀江を読み終わって、じゃ次はこいつってこれまた何も考えずに通勤の友にした。
    そしたらどうだろう、この重量に負けない重厚感。
    作者と同じ時間と空間を共有することが出来るので、自分はせわしなく日々を過ごしていてもこの本を読むことでゆっくりと思考を重ねる体験・時間を持つができる。

  • あまりの分厚さに読みきったあとはひとしお。静かな水面のようになだらかだけど険しさのある私小説 そんな印象。やーおもしろかったな、ずんどこ読みました

  • いろいろ苦難があるようなのに、淡々とノルウェー留学生活を書いてあって、暗さは感じなかった。

  •  淡々としていて良い。私はこういう、淡々とした物語が好きだ。他のものも好きだけど。
     ああ、星野道夫さんの文章の雰囲気とちょっとだけ似ているかもしれない。本当にちょっとだけだけど。『ノルゲ』はフィクションであり、人がいるところの少しざわついた雰囲気がある。星野さんの文章はノンフィクションであり、悠久の自然の、世界の、広がりを、感じることができる。だけど、自分を中心に感じたことを静かに綴る姿勢は、少し似ている気がする。まだ2章あたりだから、今後どうなるか分からないけど。

  • そのタイトルと、表紙、そしてちらっと立ち読みして主人公の「僕」の『病状』に惹かれそのまま購入。
    以後、時間をかけてなんとか読み切ったハードカバー。
    基本的に長いのはあまり読む時間を取れないので買わないんですが。
    「僕」への感情移入が半端なかった。自分に似過ぎててヤヴァイ。独り善がりな共感ですけど。

    しばらく開いていなかったので、これを機にまた読んでみようかな。

  • 新鮮で鋭い観察眼でノルウェー人やノルウェーでの生活を捉えた。
    一人称「おれ」が多くて少々目障り。

  • 初佐伯一麦。読了後、前作『鉄塔家族』『遠き山に日は落ちて』のあらすじチェックしてみたら、なんだかそれらに関連してる模様。だがそんなの関係ねえ!(←このギャグいつまで保つんだろうね?) 染織作家である妻の留学に付いて、ノルウェーまで来たライターの夫の視線で、一年間に渡る生活が描かれます。時にトラブルに見舞われたり、妻の同級生に招待されたりしつつ、概ね平穏に北欧の日々が過ぎて行くさまを、淡々とした筆致で書き連ねて行くので、描き写された光景を主人公の目線と同化して、体験するのが吉。なかなか面白いよ北欧貧乏生活♪ 昨今の北欧ブームに乗っかって売ってもいいんじゃないかと(間違ってるけど)思った作品。

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著者プロフィール

1959年、宮城県生まれ。84年、「木を接ぐ」により海燕新人文学賞、91年、「ア・ルース・ボーイ」で三島由紀夫賞、「遠き山に日は落ちて」で木山捷平文学賞、『鉄塔家族』で大佛次郎賞、『山海記』で芸術選奨・文部科学大臣賞文学部門を受賞。ノンフィクションに『アスベストス』、エッセイに『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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