夕暮れのマグノリア

著者 :
  • 講談社
3.54
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本棚登録 : 179
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062139878

作品紹介・あらすじ

児童文学界からきらりとその姿をあらわした、美しく巧みな筆致の、新・ヤングアダルト小説。

夕暮れ時、静かに目をこらして。ふしぎな世界はすぐそばにある。

それはほんのいっときで消えてしまう。あらわれるのはきまって夕暮れ時。光と闇のまざる時間、生と死の境目がぼんやりするころ――。

女子中学生・灯子の感受性がつむぐ、やさしさと不思議さに満ちた1年間。

感想・レビュー・書評

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  • 世界は見えているものだけでできている訳ではない。
    不思議な世界は我々のすぐ側にある。
    昼でも夜でもない夕暮れ時、異界との境界が薄れ、この世のものでないものに出会うこともある。
    亡くなった祖父がお別れを言いに来たり、悲しい伝説の二人が数百年の時を経て幻となって甦ったり。
    悩める中学生・灯子の周りで起こる、ちょっと不思議な出来事を巡る連作短編。

    確かに私も、学校帰りの夕暮れ時は少し寂しい気持ちになることがあったっけ。
    いつもは友達と帰るのにたまたま一人で帰る時など、頼りなくて訳もなく怖い気持ちに負けそうになったり…。

    灯子の大好きな叔父さんが遺したマグノリア(木蓮)は、白くて丸い花に清々とした香を漂わせながら静かに灯子を見守ってくれている。
    「灯子、おぼえておきなさい。見えないってことはいないってことにはならないんだよ。きれいな魂を持ったものたちがいつもおまえを見ているのだから」
    懐かしさと優しさに包まれた物語だった。

  •  世の中は、目に見えるものだけでできているわけじゃない…という一節がありました。ホッとしますね。嬉しくなりますね。

  • 子どもと大人の境の
    ピリピリした思春期の感覚と
    軽いオカルトのような
    メルヘンのような
    その辺のブレンド感がとても良かった
    こども古本店ツナギ畑本店にて購入

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>「冒険・ファンタジー」で紹介された本。

  • おととい読了。
    ふわっとした雰囲気を楽しむ作品。友人関係の微妙さも盛り込まれてはいるけど、割とあっさり解決に向かうので、メインは不思議な出来事の方。雰囲気は綺麗だけど、こういう風に不思議な出来事を使うのは、無神経な気がしなくもない。
    プロローグとエピローグは、個人的にはよけいだったかな…。

  • いつもより少しだけ優しい気持ちになれた。これまでより少しだけ不思議を信じられる気がした。
    素晴らしい読書の時間でした。

  •  おはなしに流れる空気感がとてもすき。マグノリアという樹、見てみたいな〜。

  • ずっと気になっていた表紙。装丁を見るとセキユリヲさんでした!YAにもこんなおしゃれな装丁の本が出てきたのか~と感慨深い。嬉しいよね、私が中学生だったら、こういう本、小脇に抱えていたい。
    家族や友達同士の会話が好きでした。「見えないってことはいないってことにはならない」「おまえの幸福を願っているものたちが、いつもそばにいる」というおじいちゃんの言葉が生きるように、全てのお話がファンタジー。と思ってしまうのは、大人になったからか。小さな頃は不思議な世界に生きれていたのかな、いや、そんなこともないか。私は「千と千尋の神隠し」の始まりと終わりの空気、言うなればたそがれどきのようなあの感じがとても好きなので、楽しめました。抵抗ある人はあるかもなぁ。

    ★3.5

  • 中学生や高校生のころにぶつかった突然なそして漠然とした不安を思いだした
    ああ、あのときああすればよかったなあ、なんて思うことを主人公は不思議な現象に助けられ実行されていくから胸がすかっとした
    ムーミンの曲を聴きたくなった

  • 自分に嘘をつかない。それだけできれば十分。

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著者プロフィール

山梨県甲府市生まれ。1994年に「ふゆのひだまり」で小さな童話大賞大賞、「いただきます」で同選者賞今江祥智賞、2001年に『天のシーソー』で椋鳩十児童文学賞、2018年に『満月の娘たち』で第56回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『頭のうちどころが悪かった熊の話』(新潮文庫)、『星につたえて』『ふゆのはなさいた』(アリス館)、『夜叉神川』(講談社)などがある。

「2021年 『メンドリと赤いてぶくろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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