- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062140409
感想・レビュー・書評
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『穴』の続編らしい、ということで、ワクワクと手に取る。
『道』も既に読んだけど、面白かったこと以外は全部忘れている。
今回は(も)、穴の登場人物たちのスピンオフ。
すっかり忘れたけど、穴に登場したらしい、アームピットという黒人高校生と、Xレイというその友人が主人公。
今回も、やはり、きな臭いシーンもあるが、ユーモアと、リアルな感情表現と飽きない物語に楽しめた。
アームピットは頭がいい。そのことに本人だけが気づいていなくて残念だけど。
訳者あとがきにもあるが、アームピットと、隣にすむ脳性麻痺の少女ジニーの関係がとてもいい。
ダフ屋の商売にはヒヤヒヤさせられた。
結局、より悪い大人の行為の前に、お目こぼしをもらった、ということ?
市長さんや職場の上司がいい人で良かったね。
カイラは生意気にも思えたけど、彼女の成長を予感させるエピソードもあってほっとした。
最後に
原題の『スモールステップ』はよく意味がわかるけど、これを『歩く』と訳してしまうと伝わりにくいかも、、、。
穴、道、に続く、いいタイトルはないものか。
あと、大事なことですが!
ダフ屋も含めて、全ての転売ヤーたち、ほろびよ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『穴』の続編?スピンオフ?作品。なにぶん『穴』、『泥』を読んだのは約5年前らしく何も覚えていないのである。あんまり世界観にはまれず。
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前に『穴』を読んでいた人は結末は悲惨でないと分かっている。私も分かっていながら、真面目に働いてる主人公がキナ臭い話にのっかってしまう冒頭からハラハラドキドキさせられた。読み進めるのが少し怖くなった。
年齢も肌のいろも違う障がい者のジミーとのやりとり、ひょんなことから恋に発展する歌手カイラとの会話などは、表紙に書かれている「Small steps」の原書タイトル?の意味を理解させる。
全部読んでから表紙を見るのも面白い。
最後は予想通りでありきたりと言えばありきたりだけど、それでもとても面白いし生きる勇気をくれる本だ。 -
「穴」のサイドキャラのその後を描いたスピンオフ小説。
訳者が違うというのもあって続編というより、もはや全く別の話。
これはこれで、面白かった。
人種や障害者への差別を混ぜ込みながら、明るい青春物になっている。嫌みがない。
カイラの歌詞が上手く引用されて、物語を牽引している。
どんな状況にあっても、まずは一歩。
若者には、生きる時間がまだまだ続いていくのだと背を押されるように感じた。 -
『穴』のスピンオフ。アームピットが主人公。最後までハラハラ。
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資料番号:020175022
請求記号:933サ -
おもしろかったし、「穴」とはまた違った感じでよかった。(でも、翻訳家が変わったからかな?なんで変わったんだろう。)
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アームピットとXレイの企み。友情と恋、青春の話。施設から出たあと小さな一歩を隔日に歩こうと心に決め高校卒業やアルバイトなど堅実に生きていたアームピットだったが、ひょんなことからうっかり大きな一歩をしてしまって激流に流される。カイラと恋仲になった二人は分かれて(別れて、ではない)アームピットの「おれの人生とカイラの人生は別だ。おれはおれで、小さな一歩を踏みしめていこう」と自分で自分の未来を考えて生きようとするアームピットの姿に、結婚して伴侶に寄生しようと思ってたのを諭されたような気がする。
病気で今にも死にそうな子と一日過ごすのがいやだと言うカイラ(いつ死んでもおかしくないような子の相手は怖くてどうすればいいかわからない
自分はただのシンガーで、癌を治せる医者じゃないのに)に「その女の子はカイラに癌を治してほしいなんて思ってないよ。ただその子の目をまっすぐ見て、まだ生きてるんだってわからせてあげればいいんだ」とアームピット。