きのうの世界

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062140614

感想・レビュー・書評

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  • 478ページ
    1700円
    5月5日〜5月8日

    塔と水路がある町の外れ『水無月橋』で見つかった死体。それは一年前に失踪した男だった。縁もゆかりもない土地に失踪してきた男。塔に何の疑問も抱かなくなってきた町の住民。塔と水路の秘密に気づいた男に続き、元先生、男を調べていた女性と亡くなっていく。

    町の住民や男や女に視点を変えながら短い章立てて読みやすくはあったけど、いかんせん謎が解明される手がかりが半分以上過ぎてもなかなか見えてこない。読んでも読んでも終わらない感じ。『あなた』と呼びかけられて進んでいたから、初めは女性かな?と思っていたけど途中で男性か、と断定してしまって、それでも半分過ぎた頃に女性とわかって何だったんだこれは?と考えてしまった。最後が、結局犯人はいなくて不幸な事故であったということだったけど、町の秘密がよくわからなくて、SFでないけどそんな感じに捉えられた。

  • その日のページをめくるたびにこの本のタイトルを忘れてしまっていた。
    移動中の電車の中で読むために購入したこの本。
    水脈に浮かんだ街の風景と歴史、そこで起きた事件、そしてそこに折り重なるように、関心をもった人たちが吸い寄せられていくそれぞれの世界が、自分とこの本の間に浮かび上がってくる。
    小説のマジックのようなものを感じた。
    恩田陸さんの作品を手にとったのは、『蜜蜂と遠雷』を少し前に読んで、その時の“音(ピアノの旋律)のイメージの世界”を想像させてくれたこの小説家が、「きのうの世界」という“?”をどう描いて、私がそれを感じとるか。
    差し迫った仕事のないこの時間に味わってみようと思ったからだけど。
    私には、話題になった『蜜蜂と遠雷』よりも良かった。

  • 細かいエピソードの積み残しや終盤に駆け足になるところはあるけれど、文章のリズムや流れが読んでいて心地よい。
    現実のものか想像のものに関わらず、文章で描き出された情景が文章のなかから浮かび上がってくる。登場人物の一人が見ていたものも同様だったのではないかと思う。

  • 面白かった!好き!
    3つの塔とか、もうそれだけで惹きつけられるよね。
    一つは壊れてて補習されてないって!なんかある感満載!
    スポットが当たる登場人物も恩田ワールドっぽくて。
    そして何より、前半の「あなた」で語られることに寄る効果って凄いんだね。実験的な作品なのかな?って最初思った。
    もちろん、恩田ワールドだから色々スッキリはしないんだけど、それを補って余りある水柱の爽快感!
    解き明かされなかった謎達にも、きちんとした答えがあるんだろうな…私には解らなくても。っていう突き放された結末も個人的には嫌いじゃないのだ。

  • まだ他に、秘密や宝が隠されているのかと思っていたけど、何もなく終わった。最後が残念だった。

  • 「あなた」部分が読みづらくて、なかなか前に進めませんでした。途中であんなことになる人を「あなた」にするのがどうも・・・。弟の存在はどうなったんでしょう。ハンカチのことは?カラスのくだりもおいおい、そりゃないでしょって感じでした。恩田さん好きなんですが、これはいただけなかったです。

  • この人のミステリーは最後、完全に説明をつけず、含みを持たせたまま不気味に終わる。
    すっきりはしないが、私はそこからいろいろと想像ができるから好きだ。
    けれど、今回の他作品と比べで見てもちょっと消化不良感が多いような気がした。
    あまり読んだかいがなかったかも。

  • サクサクと読める。町のシンボルである塔の謎、水路、そして殺人事件と分厚い本だけど、あっと言う間に読み終わる。暇つぶしにちょうどいいかも。

  • お気に入りの恩田さん。今朝 通勤電車で読み始めたばかり。
    周辺の描写が多くて少し疲れる。これはstoryに必要なんだろうと今は我慢。後々もこのままだと手放してしまいそう。
    大分前に古本屋で300円。分厚い。久しぶりの紙の本。

    • toroyakkoさん
      読み進むうちに面白くなってきました!1/3てす。
      読み進むうちに面白くなってきました!1/3てす。
      2019/12/05
    • toroyakkoさん
      読了。つまらなくは無かったけど、中盤は面白かった。終盤は は??? こんな終わり方?な印象。
      読むより映像の方がいいのかも。

      さ、次は何を...
      読了。つまらなくは無かったけど、中盤は面白かった。終盤は は??? こんな終わり方?な印象。
      読むより映像の方がいいのかも。

      さ、次は何を読もう。
      紙の本で読んでないものが沢山ある。
      2019/12/13
  • 一つの事件に対して、関係者それぞれの視点での話があり、一つになっていく。事件を調べる人、話を聞かれた人、被害者に関わっていた人、それぞれの視点でどう捉えられていたかが、おもしろい。ただ、事件の謎を探るにあたって、町の謎も見えてくるが、それぞれがちょっと消化不良な感じに思えた。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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