二週間の休暇 (MouRa)

著者 : フジモト・マサル

• 講談社 (2007年10月26日発売)

作品紹介・あらすじ

疲れたな、と感じたら、不思議な世界の住人があなたを迎えにくる。

感想・レビュー・書評

[☆ベルガモット☆さんの感想 · 2022年6月11日]

ブク友の本棚で見つけて、穂村弘さんの「にょっ記」、「にょにょっ記」のイラストの方だと最近しりました
図書館には2007年版がありました

二週間の休暇があったらどうしようかなあと油断した状態で読んだら心を掴まれてしまった
こんなに丁寧に生活をしている日菜子さん、なすを切っているところとかでほろりとしてしまう
料理の描写がとても素敵
コロッケが食べたくなっちゃう
鳥さんの世界で自然におしゃべりお茶会している不思議な空間、昔飼っていたジュウシマツとお話できたら楽しかっただろうなあと思ったりする
猫の玉ちゃんの表情も可愛い
真奈美さんとのやりとり、忘れていた昔の悲しみや胸が締め付けられるような不安が一瞬よぎる

まだつづきがある気分です
新装版には給水塔占いがあるみたいなので取り寄せようかな
にょにょにょっ記も読もう

[111108さん · 2022/06/11]

ベルガモットさん、こんにちは！

ふふふ‥フジモトワールドにも足を踏み入れましたね、嬉しいです♪
穂村さんとフジモトさんの相性いいのがわかりますね。

私が持ってるのは新装版のほうで、給水塔占い（何だか凝ったつくりで占いの結果を信じてしまいます）と穂村さんの解説つきです。
新装版でない方も読んでみたくなりました。図書館で探してみます！

[☆ベルガモット☆さん · 2022/06/11]

111108さん、コメントありがとうございます！

111108さんの本棚には、フジモトさんの本がいくつか並んでますね♬
傑作集や名作集、仕事など次はどれにしようか迷っちゃいます

新装版じゃないほうは新装版と作品の中身は一緒のような気がします
新装版は穂村さんの解説も給水塔占いもあるから贅沢です☆
ほんと、穂村さんとの相性の良さが感じられますね～

[akikobbさんの感想 · 2023年10月15日]

　「なにもかも忘れてゆっくり休みたい。何の不安もなくのんびりと過ごせる場所で」。そうできることはほとんどないぶん、そう思うことはよくある。そんな共感一点でこの本は十分よめる。
　日菜子さんの、その辺にいそうな人っぽい、私かもしれないと思わせるような顔（表情）がいい。

[111108さん · 2023/10/15]

akikobbさん

「なにもかも忘れてゆっくり休みたい。何の不安もなくのんびりと過ごせる場所で」の言葉を探して再読してきました。ありがとうございます♪
日菜子さんの顔（表情）も絵のトーンも低めのテンションなところが好きです。

[akikobbさん · 2023/10/15]

111108さん、コメントありがとうございます。

日菜子さん、なんか絶妙なんですよね。主人公らしからぬというか。フジモトマサルさんの描く人間を見慣れていないだけなのかもしれませんが…。
引用したセリフも、カワウソとかが言って可愛さがくるんでくれるような作品もありそうですけど、人間が言うとダイレクトに響きます。

[111108さん · 2023/10/15]

akikobbさん
日菜子さん、本当にその辺にいそうな絶妙な顔立ちですよね。冷たくないけど表情そんなに変えないような‥木彫り感？
そういえばフジモトマサルさんの描かれる人ってあまり見た事ないです。擬人化動物を人だと思ってたけど、やっぱりセリフとか動物に言わせる事でソフトになるのかもですね。

[あさきゆめみしさんの感想 · 2020年5月30日]

給水塔占い　は、砂漠鉄塔型でした。

[chiro128さんの感想 · 2007年11月12日]

フジモトマサルさんの世界は好きだ。この本はその中でも最も好きな話だと思う。私自身、今すぐこの休暇が欲しいもの。
本の質感も装幀も物語もいい。仕事で忙しくて、とよく言う人はこれ、手元に置いておくといいと思う。私もこの本は当面近くに置いておこうと思った。いや、表紙が見えていればそれで充分に役に立つ。一度読んだ人ならば。主人公の日菜子さんの美人度もいいセン。いいバランス。

[みをんさんの感想 · 2022年8月20日]

・フジマトマサルさんの絵が存分に楽しめる漫画調の作品。

・話の筋はそれ程目を引く訳では無いが、余裕のない生活を送る現代人の願望が込められているのかなと思った。

[7do8bu1991さんの感想 · 2021年8月23日]

フジモトマサル氏の作品『二週間の休暇（2007）』を読了。

[こにーさんの感想 · 2021年6月27日]

作品の雰囲気がすごく好き。あっさりと記憶が戻ってちょっとうけた。世界の終わり、崩壊が物悲しい。玉ちゃんが元気で良かった。疲れた時に読みたい一冊。すごく良かったです。

[NEKOさんの感想 · 2019年3月30日]

日常を離れ、「鳥の国」に旅をできる本。

作者のフジモトマサルさんはイラストレーター。残念ながら2015年に亡くなってしまったが、彼の描く絵は温かみがあって優しい。そしてすぐに彼の絵だ！と分かる。これはイラストレーターである彼が漫画形式で描いた作品だ。

物語は主人公がアパートの一室で目を覚ますところから始まる。そこは人間と同じくらいの背丈で、人の言葉を喋る鳥たちが暮らす街。主人公もそれを当たり前のように受け入れている。
主人公はフライパンの手入れをし、買い物をし、食事を作って本を読んで寝る。けれど何故自分がここにいるのかを覚えていないのだった。

何の説明もない第一話から少しずつ、主人公がここに来た理由や街の全貌が明らかになっていく。しかし物語の雰囲気はあくまでゆったり穏やか。おとぎ話のようだ。

読後はタイトル通り自分も休暇に行ってきたような気分になる（それと4:44には白い壁に触りたくなる）。
ページ数は少なめですぐ読めてしまうが、何度でも読み返したくなる。私にとって宝物の一冊。

※こちらは2007年刊の単行本についての感想です※

[あやこさんの感想 · 2018年8月26日]

　疲れたとき、いろいろ見失っているときに読みたい本。自分の中に蓋をしている記憶ってきっと誰しも持っているんだよね。
　ご長寿の猫様は、異世界の入り口とかいろんなことを知っている気がする。

[orangigieさんの感想 · 2016年11月12日]

村上春樹の『村上さんのところ』のイラストの方の本。『村上さんのところ』のイラストとコメントがおもしろくて、こちらを手に取りました。
二週間の休暇というよりは、ディープなのに鮮明で長い長い、一晩の夢のような物語。夢の中に現在抱えている問題の象徴や子供の頃の忘れていた話の続きが出てきて、妙に連続性があったり唐突な展開があったり。漫画なのであっという間に読み終えてしまいますし、きちんと終わっている話ですが、これだけで終わってしまうのがもったいない。味わいながら繰り返し読みたくなる本です。
線が太めの絵柄に、手書きの文字と物語が調和して独特の世界を作り上げています。
作者がお亡くなりになったのは非常に残念です。

著者プロフィール

フジモトマサル
漫画家兼イラストレーター。擬人化させた動物の絵を得意とする。著書に『ウール100％』（文化出版局）、『いきもののすべて』（青幻社）など。また挿絵や装画を手掛けた書籍に『にょっ記』（穂村弘、文藝春秋）、『村上さんのところ』（村上春樹、新潮社）など多数。2020年『フジモトマサルの仕事』（平凡社）が出版された。

「2021年 『小さなことにくよくよしない８８の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」