6時間後に君は死ぬ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 674
感想 : 160
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062140720

感想・レビュー・書評

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  • 本書も、どなたかのブクログ本棚(文庫本の方だったかもしれない)を拝見して知ったもの。
    この題名、この著者から、ミステリー系だと思って読み始めた。
    2章『時の魔法使い』は読んでいる最中から、4章『ドールハウスのダンサー』は終盤に向かっていく時に、まさか自分が泣く話だとは思ってもいなかった。
    こういうタイプの作品が、この表題の本の中に含まれているとは全く想像できなかった。
    この2作のどこが良いの?と感じる読者も多いかもしれないが、とにかく私には刺さった。

    全体を通しての不思議な能力や現象には全く疑問を挟むこともなくすんなりと受け入れた上で、泣いた章では、特殊能力とは対比にあるはずの「普通」が愛おしい。

    ただ、5章『3時間後に僕は死ぬ』は、実際に似たような犯罪事件や事故などがあるだけに、読んでいて怖かった。

    実は高野和明氏の作品は十数年前に『13階段』を読んだきり敬遠していた。
    『作家の履歴書』という本には高野和明氏も入っていたようだが、その本の内容の記憶は無い。
    『13階段』は詳細の記憶もレビューも無いが★2を付けていることと、なんだか嫌な内容だったという記憶だけは残っており、購入本をとっくに処分している。

    しかし、本書を読み、『13階段』の現在の皆様のレビューや高評価を拝見し、ちょっと『13階段』を図書館で借りて再読してみようかという気になっている。

  • 読みやすかったけど、あまり心にひっかかることもなく、さらっと流れていってしまった。高野和明さんの作品は私にとって傑作かそうでないか両極端に分かれてしまう。根底に感じる人への熱い思いは変わらないけれど。不思議な作家さんです。

  • 他人の未来を予知する能力を持った山葉圭史。
    連作短編になっていますが、彼の登場は控えめで、あくまでも脇役といった立場になっています。

    タイトルと装丁からサスペンスミステリーなのかと思っていたら、いい意味で裏切られました。
    表題作と「3時間後に僕は死ぬ」以外は未来の予知に縛られた話ではなかったし、すごく素敵な話が詰まった一冊でした。
    どの話も無限の可能性を秘めた未来を予感させ、とてもじんわりくる読後感でした。

    しかし改めて高野和明さんの作者としての力量を感じました。私にとって「13階段」「ジェノサイド」に続く3作品目でしたが、この人何でも書けるんだな〜という印象です。しかもどのジャンルも安定感があって安心して読めます。
    これからも追いかけたい作家さんですね。

  • この作者の小説を『ジェノサイド』、『13階段』と読んだため、その比較で言うと、ギミックの数や小説の熱量が違う、淡白な仕上がりで味気ない。登場人物の予知能力をキーに綴られるために、構成がその仕掛け頼りになり、広がらない。また、短編集でのミステリーは、短かなストーリーの短かな仕掛け、登場人物も少なくならざるを得ず、複雑な構成に向いていないのかも知れない。だからだろうか、一言で表すなら、作者の才能に対して、作品が物足りない。

  • 短編集。表題作は未来を予知できる青年に死ぬことを告げられた女性のお話。なんとなく最後は予想がつく感じ。それだけだとありがちな話だけど、最後の最後にもう一捻りあったのが良かった。

  • 高野和明先生の作品は「13階段」「ジェノサイド」に続いて3冊目。インパクトのあるタイトルですね。手前の2冊とは全く違った雰囲気の作品で軽く読めます。少しSFが入ってます。短編集ですが、前編に共通した登場人物(山葉圭史)が出てきます。一番最初に出てきた女の子と、未来を変えてくっ付いた(結婚できたかは不明)のは良かったです。
    普通に面白かったですが、高野先生の作品に求めるものはここにはなかったです。

  • 13階段を読んでいたのでミステリー系かと思いきや、ファンタジー系も入っている作品。作品の幅が広いな-と驚きました。

  • おもしろかった!

     ハードカバー約300ページを一気読み。連作集だけど、最初の方はあまりおもしろくないんだけど、後半2作はとても良い。ダンサーの話は既読なんだが、それでもおもしろい。久しぶりの満足感。


  • 読みやすかった。ジェノサイドや13階段のイメージがあるけど、高野さんはこういう話も書くんだなあ。
    個人的にすきだったのは「恋をしてはいけない日」と「3時間後に僕は死ぬ」かな。
    「恋をしてはいけない日」は切なかった、、途中から薄々話の展開が分かるようで、でも切なかった。

    「3時間後に僕は死ぬ」では運命を変えることができたけど、結ばれるはずだった手塚さんとの未来がなくなってしまったことが少し寂しく感じてしまうな。。もちろんけいしが生き残ってくれてよかったけど。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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