ミサコの被爆ピアノ

  • 講談社 (2007年7月3日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (36ページ) / ISBN・EAN: 9784062141345

作品紹介・あらすじ

1945年8月6日、爆心地より1.8キロの地点で1台のアップライトピアノが被爆しました――。

広島原爆を書いた『ふたりのイーダ』にはじまり、長年にわたって戦争を見つめてきた作家、松谷みよ子が書き下ろした、平和への確かな願い。

――あの日から62年、ピアノは今も音を響かせている。

ミサコの被爆ピアノ(ヤマハ製アップライトピアノ)
●製造番号……18209
●製造年……1932(昭和7)年
●高さ……約120cm
●重量……約220kg
●特徴……象牙鍵盤。良質な木材。85鍵(現在のピアノは88鍵)。手作り。
●被爆状況……爆心地より1.8km 広島市中区千田町の民家で被爆。

みんなの感想まとめ

平和への願いと音楽の力を描いた作品で、被爆ピアノが持つ深い意味を伝えています。優しい絵と松谷みよ子の温かい文章が融合し、読者を感情豊かに引き込む仕上がりです。特に、ピアノが演奏者の生活を調律し、心を豊...

感想・レビュー・書評

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  •  実話を基にした絵本で、まあミもフタもない言い方をすればよくある反戦的な内容の本なのだが、わたしがいちばん興味を持ったのは、敗戦後にピアノを弾いたら近所の人に石を投げられた、というくだり。戦争に負けたのにピアノを引くとは何事だ、ということらしい。
     そう言いたくなる気持ちはまあわからなくはない。まして原爆で甚大な被害を受けた広島である。石を投げた人も、家や財産や、誰か大切な人を亡くしていたのかもしれない。
     だけど、「日本が戦争に負けたのでピアノを弾くのは自粛しましょう」という法律ができたわけでもないだろう。みんながしょんぼりしているのに、楽しそうにしているやつらがいるとどうにも腹が立つのだ。自分だって本当は楽しい気分になれるもんならなりたいのに、そうなれないのだ。
     つまり、その人が石を投げたのは、たんにその人がムカついたからに過ぎない。でも、そこに「日本が戦争に負けたのに~」などと、国家全体を理由にすると、その人をして国民の代弁者たらしめ、いたいけな少女たちに石を投げたって構わないと思わせるのだ。わたしはこの得体のしれない「国家」とか「みんな」とかいうやつが、日本を愚かな戦争に導いた大きな要因のひとつではないかと思っている。

     2011年の東日本大震災のあと、花見はやめましょう祭りも中止しましょうイベントも自粛しましょう……という流れが日本全体にできた。(まあ私は公園の花見なんか高い入場料取ってやればいいと思っているのだけど)
     いったい、誰に遠慮したのだろうか。被災地の人が、わたしたちは大変なので浮かれ騒ぐのはやめてください、とでも言ったのだろうか。そうではないだろう。
     正体不明の「みんな」は、終戦から70年近くが経とうとしているいまも、わたしたちの中で息をひそめて眠っている。だとすれば、わたしたちがいつ同じ過ちをおかすとしても、なにも不思議なことではないのだ。

  • 矢川光則さんの被爆ピアノの本を読み、この絵本のことを知りました。
    絵がとてもいいです。穏やかでふんわりしたタッチに感情移入できます。

    ピアノは演奏する人の生活を調律します。
    そんな相棒なピアノの活躍を支えているのは、被爆ピアノの演奏会を実施する矢川光則さんの情熱と、ミサコさんの音楽への愛と平和を願う心。

    読書は、関連図書との出会いも誘発しますね。
    いい出会いに感謝します。

  • 2018/8/29 21:35

  • 原爆のなか、残ったピアノに込められた平和への思いが切ないです。

  •  原爆投下後のヒロシマ。ミサコさんの家のピアノは、奇跡的に残っていたが、無数のガラスがつきささっていた。8月15日の次の次の日、親戚の子にねだられてミサコさんはピアノをひく。トセリのセレナーデ、地獄のようなヒロシマにピアノの音が流れた。

  • 請求記号 F/マツタ 資料番号 020173928

  • 松谷みよ子作、「ふたりのイーダ」にはじまり長年にわたって戦争を見つめてきた作者の平和への思いがこもっている。

    本のタイトルのミサコ(仮名)は17歳で「女子挺身隊」弾薬課に属し、広島市内の兵器廠(へいきしょう)で働いていた。原爆投下の時、自宅は爆心地から1.8キロにあり、ピアノが残っていたのは奇跡。しかし、戦争後、ミサコさんはピアノから遠ざかっていた。

    音を無くしたピアノ。2005年、広島に被爆ピアノを無償で修理して、病院や施設に寄付している矢川光則さんの記事を読み、ミサコさんはピアノを直してもらう。今では原爆を生き抜いたピアノとして、呼ばれれば全国どこにでもコンサートに向かいます。

    ミサコの被爆ピアノ。ヤマハ製アップライトピアノ。昭和7年製造、象牙鍵盤、良質な木材で手作り。

  • 被爆ピアノは、絵本(CDつき)もあるけど、松谷みよ子さんの文章もやさしくていいな。

    3年生の国語『ちいちゃんのかげおくり』の関連図書として。

  • 十代の子どもを兵器工場で働かせていたなんて……。

  • 2009年7月30日

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著者プロフィール

1926年、東京生まれ。1944年頃より童話を書きはじめ、1956年、信州へ民話の探訪に入り、『龍の子太郎』(講談社)に結実、国際アンデルセン賞優良賞を受ける。以来、民話に魅せられ創作と共に生涯の仕事となる。日本民話の会の設立にかかわり、松谷みよ子民話研究室を主宰。著書に『女川・雄勝の民話』(国土社)『日本の昔話』『日本の伝説』『昔話一二ヶ月』『民話の世界』(共に講談社)『現代民俗考』8巻(立風書房)など。

「1993年 『狐をめぐる世間話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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