ブラックペアン1988

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142540

作品紹介・あらすじ

外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する"神の手"教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。

感想・レビュー・書評

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  • 手術現場の壮烈さに、真っ赤の血にのけぞりと……。
    ブラックペアン1988
    2008.10㈱大活字発行。字の大きさは…大活字本。2022.03.01~17音読で読了。★★★☆☆
    1年目の外科研修医・世良雅志が、魑魅魍魎の渦巻く大学病院で成長していく物語です。

    1988年5月。人口20万人の小地方都市で、首都東京への通勤圏内の縁にかろうじてひっかかっている桜宮市にある東城大学医学部付属病院に勤める1年目の外科研修医・世良は、医師国家試験に合格し、憧れの佐伯教授率いる佐伯外科に入る。そこには、佐伯教授以下錚々たる医師による手術と講習会が日夜繰り広げられている。
    世良は、その中に巻き込まれながらも手術の基本である糸結びをかかさずに行っていく真面目さと、手術助手としての大胆さをもっている。

    【読後】
    医療用語が飛び交い、真っ赤な血が溢れる手術のさまが生々しく。読んでいて目をそむけることがたびたび起きます。そして大学病院内の確執と、佐伯教授への忠誠心と、機会をうかがう者たち。最後は、病院長選挙へと突き進んでいきます。物語は、テンポ良く、展開が早くよいですが。医療用語に躓き、手術現場の壮烈さに、真っ赤の血にのけぞりと大変でした。

    【音読】
    2022年3月1日から17日まで、大活字本を音読で読みました。この大活字本の底本は、2007年9月に講談社から発行された「ブラックペアン1988」です。本の登録は、講談社で行います。㈱大活字発行の大活字本は、第1巻~第3巻までの3冊からなっています。

  • 今回は本屋さんで「ブラックペアン1988」を見つけたので、さっそく買って読みました。
    今回も非常に面白く、あっという間に読めてしまいました。
    こういう面白い本は 電車の中で寝る時間がなくなります。
    ただし、今回は今までのような大どんでん返しのようなミステリーではなく、秘密もありましたが、とても素直な展開だったように思います。
    すべての作品が面白く、できれば順番に読むと いろいろな絡みがあり、より面白く読めると思います。
    全部読んだ中では「螺鈿迷宮」が一番好きです。

  • ドラマを見てからの原作。二宮くんとは違った渡海先生がまたよかった。帝華大からきた高階、学部二年生で登場する速水や田口、猫田主任、螺旋迷宮の桜宮巌院長などなど、ここからチームバチスタシリーズに繋がっていくんだなぁ。まだ未読のものもあるのでこれから読みたい。

  • まったく違うタイプの二人の間で、挫折と成長を繰り返す新米の世良を絡めて話は展開します。
    個人的に医療現場のお話が好きだということもありますが、とても面白かったです。

  • 20年前の東城医大のお話。高階先生が東城医大に飛ばされて来たところかはお話は始まります。藤原さんが婦長で速水・島津そして田口先生も研修医。
    海堂さんのお話は繋がっていて、次々読みたくなってしまいますね!黄金地球儀もちょっと出て来ていたし、続けてどんどん読みたくなる。はまってしまっています。
    渡海先生はいつかまたどこかで出会えるのでしょうか?てか、世良先生はこれから出てくることがあるのかなぁ?
    楽しみ!

  •  面白かった!! 「チームバチスタの栄光」以来の海堂さんだが、
     これは本当に面白かった。
     外科研修医一年生の「世良」 君臨する大学病院の教授「佐伯」
     食道がん手術の新兵器を導入する講師「高階」
     腕だけは一流の破滅型医師「渡海」
     それぞれのキャラが際立っていて、まるで映画を見ているようだ。
     勧善懲悪のように見えて・・実は意外な真実がかくされているという
     ミステリーとは違うけど、最後の最後まで一気に読ませてしまう作品。
     海堂さんは、現在も現役のお医者さんなんだけど、すごい才能だと思う。

  • 若き田口や速水も出てくるけど、何よりも大学病院の人間臭さがタップリと凝縮された話。海堂さん作品の中でもかなり上位に入る程、面白い‼

    • hs19501112さん
      フォローありがとうございます。
      「ブラックペアン」、面白いですね。

      文庫化を待ちに待った、続編にあたる「ブレイズメス」も先日やっと読...
      フォローありがとうございます。
      「ブラックペアン」、面白いですね。

      文庫化を待ちに待った、続編にあたる「ブレイズメス」も先日やっと読めましたが・・・・、自分はこちらの方が好きでした。
      2012/08/29
  • 外科研修医世良が飛び込んだのは君臨する“神の手”教授に新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院…大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。(「BOOK」データベースより)

    年号が変わる前、昭和63年に起きた物語。
    若き研修医・世良は、神の手を持つ重鎮の教授・佐伯が君臨する佐伯外科に入局する。専門とする腹部外科手術に関しては第一人者として畏怖される佐伯だったが、世良と時を同じくしてやってきた高階講師は、誰もが食道がん手術ができるようになる、あるものを手土産として持ってきていた。
    その名も「スナイプAZ1988」。
    鮮やかな手つきで、次々と難手術を成功させていく高階。
    しかし佐伯外科にはもう一人、渡海というエース級の腕を持つ者がおり、彼の胸にはとある想いが秘められていた・・・。
    高階のスナイプは外科世界を変えるのか?
    佐伯教授のペアンが黒い訳は?
    渡海の胸の奥に潜む真意は?
    様々な謎が交錯しつつ進んでいくストーリーに、思わず手に汗握る一冊です。
    バチスタで病院長だった高階が講師だったり、藤原看護師も現役の婦長さんだったり、猫田が主任になったばかりだったり、それぞれ若かりし頃の話が読めるってのもなかなか良い趣向ですね。
    (ちなみに田口は世良が学生教育指導で担当する学生として登場しています。速水&島津とも、ここで仲良く(?)なったのかな~)
    ラストで判明するブラックペアンに込められた佐伯教授の覚悟のほどは、しっかりとしたラスト(そしてそれ以降にも?)に繋がっていくし、納得のいく〆方で大満足の一冊でした!

  • ストレートな医療物という印象。
    天才外科医や医者同士の権力争いという基本?のモチーフで。
    バブル景気が頂点を迎え、誰もそれが急に終わるとは予想していなかった時代。
    東城大学病院の外科研修医・世良の視点で描かれます。
    外科を支配する佐伯教授と一匹狼の渡海との過去の因縁がしだいにあきらかに。
    世良が指導することになった大学生3人が初めて手術を見学、血がかかって気絶するのが若き日の田口というわけ。
    後に病院長となる高階が、権威のある大学から移籍したばかりで、風雲を巻き起こす新鋭講師の役。
    2007年の作品。

  • やっぱり面白い桜宮サーガ。
    一つ読むと次々と読みたくなる不思議。
    若い登場人物たちの熱意を感じる。何年か前にドラマをやっていたせいか、良くも悪くも二宮くんと竹内くんのイメージがこびりついて。

  • 主人公世良くんは、未来にあたるシリーズで見かけた覚えがないのだが、どうなっちゃうのかな。
    80年代だと癌の告知は基本なかったそうだ。当然治療法を本人と徹底して話し合い決定することは難しい。
    医者が患者の治療を主導決定する慣習は、告知主流になったらしい今でも続いていると思う。QOL、QODが問われる高齢化社会である現在、もう悪弊と言ってもいいのでは。

    金属製のペアンが体内に入っていてもバレない。飛行機に乗らない人でよかったよね。
    これも医師と患者の意思疎通が如何にできていないかよく現れた出来事だが、なぜか作品中では触れられない。

  • テレビドラマは見たことがない。やはり医療小説は面白い。一気に読んだ。
    渡海先生が魅力的で続きの話にも出て来てほしい。

    海堂尊の小説デビューだったが、他のも是非読みたい。

  • ドラマを見て再読したくなった。渡海先生は原作では中年、ドラマでは格好良すぎ!高階先生はゴン助、バチスタのイメージが出ていて、速水先生ほかも丁寧に描かれていて、やっぱり原作が面白いと思えた。

  • テレビドラマを先に見たけれど、本を先に読めばよかったと思った。

    田口先生が研修医で出てきて、ほっこり(笑)

  • 若かりし頃の高階権太。
    燃えるような熱い男であった。
    飄々とした東城大学附属病院院長とはかけ離れている。
    患者のため、医療のためなら自分を犠牲にしても厭わない。
    いざという時に頼りになる。
    教授にでも噛み付く。
    まさに、阿修羅。
    ただ、今までの桜宮サーガシリーズと比べると少し面白みに欠けたような気がする。

  • ドラマを並行して観ているが、原作を読んでいろいろと腑に落ちた。ドラマ版は無理やり渡海一強にしたばかりに、ストーリーに齟齬が生じているんだなあ。原作は古狸佐伯、誠実さと強かさを併せ持つ高階、確変世良のパワーバランスが良くて引き込まれる。後のバチスタシリーズで活躍するキャラも顔見せし、ファンサービスもばっちり。

    ドラマ版渡海も(ストーリーはさておき)かっこいいけど、原作の渡海も違った魅力があるので、原作に忠実な実写も観てみたい。

  • ドラマでやっているとか。
    そちらの方は観ていないのだけれど興味を持って。

    1988年の医療事情、現在とちょっと違うようです。

    ちょい役であのシリーズの面々が当時の年齢で出場しているのが海堂ファンにはうれしいのかもしれない。

    医療ミス事件ととるか人道的配慮かYes.Noがストレートに
    反応しずらい。

  • ドラマの渡海先生(二宮くん)がかっこよくて読みました。引きこまれます!ブラックぺアンの意味がわかると、、、渡海先生のことを思うとやりきれない気持ちになります。
    あとチームバチスタ繋がる話。

  • ドラマを二話まで見てから読了

    世良くん視点で医療の現場のあれこれが
    描かれていて。
    ドラマより世良くんは頼もしい感じ(^^)


    細かい設定などが描かれてるので、
    ドラマがよりわかりやすくなるかも。

    ブラックペアンの謎にふれているので、
    ネタバレしたくない人は、
    読むのはもう少しあとがいいかも



    再読。
    ジェネラルルージュの速水さんや、田口くんも登場してて楽しめた。

    このお話が書かれた頃は2007年。
    それから17年。医学の進歩が気になる…

  • 相変わらず解りやすい 海堂さんのキャラ設定です。
    イイ男てんこ盛りだし。

    タヌキじじい高階病院長が東城大学付属病院にやってきたときのお話。
    今回の材料は食道がん手術。
    医療経験がない私には、器具や手法の名称がそのまま出てくるのは難、オペシーンはわけわからん

    患者の為に行うオペレーションとは何か?
    神の手に頼りすぎる手術職人も、新しい技術が普及すればよいという考えも、どちらも偏ってはならない。
    自分の感情に流されずに、両方を追う佐伯教授は医聖の道を行くために政治にも身を投じようとする。

    キャストは 新人ながら才能あふれる世良くん、神の手 渡海講師、そして外科ゴッドファーザーの佐伯教授。
    脇はファンサービス。
    新人美人看護婦花房、千里眼の片鱗を見せる猫田、そして学生時代の速水、島津、グッチー。
    楽しいです。

    転記/2008.1.11 より

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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